富士通は18日、英Botanical Water Technologies(BWT)社と提携し、持続可能で循環的な新しい飲料水の提供を目指し、植物由来の飲料水取引を可能にする水取引プラットフォーム「Botanical Water Ecchange(BWX)」に関する契約を締結し、構築を開始したと発表した。

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(画像=月刊暗号資産)

富士通はプレスリリースで、「国際連合によると、世界人口の約3分の2にあたる約40億人が深刻な水不足に見舞われてあり、2030年までの達成を目指す持続可能な開発目標(SDGs)では水不足への対応が急務となっています。SDGsをはじめ、環境への関心が高まる中、飲料メーカーではCO2削減に加え、水源地の保全や工場における水使用量の抑制など、環境負荷を低減する取り組みを重要視しています」と背景を説明。

こうした背景を受け、富士通が持つブロックチェーン技術により、サプライチェーンのトレーサビリティを実現する「Fujitsu Track and Trust」サービスを活用し、水の取引プラットフォームである「BWX」を構築していくという。

BWT社は2020年に英国で設立され、砂糖や濃縮ジュースを作ると同時に果物や野菜の内部に存在する水を採取する技術を保有している。果物や野菜から採取される水のことを植物由来の水「Botanical Water」と呼ぶ。

野菜や果物の濃縮ジュース工場やサトウキビを加工する砂糖工場、アルコール蒸留所は、濃縮工程の中にBWT社の設備を追加することで、これまで廃棄していた水を浄化してBotanical Waterを精製することができる。さらに、「BWX」上で他の食品・飲料メーカーへ販売ができるほか、再利用可能な新しい水として循環的に自社で利用できるという。また、Botanical Waterの精製、販売、購入、配送、利用といった工程において高いトレーサビリティを実現可能にしているようだ。

Botanical Waterを自社工場で再利用したい企業は、「BWX」を通じ、最も近いBotanical Waterを精製する工場から購入することで、輸送コスト削減、環境への負荷や二酸化炭素の排出量を減らし、カーボンニュートラル(排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする)の貢献にもつながる。

加えて、「BWX」上で利用可能なウォータークレジットを購入することで、自社の水使用量と同量の水を寄付し、環境への影響をゼロにするだけでなく、ウォーターポジティブな企業活動、ESG(環境・社会・ガバナンス)の推進やコンプライアンス対応も可能となる。

「Fujitsu Track and Trust」はブロックチェーン技術を含む様々なオープンソース・ソフトウェアの活用経験を持つ同社のノウハウを生かし、プラットフォームを構築するサービス。ブロックチェーン技術をビジネスに活用する際に必要となる認証やユーザー権限管理に加え、UI、インフラ、ネットワークなどの広い知見を基に、アジャイル手法でプラットフォームの実現を支援する。(提供:月刊暗号資産