注文住宅を建てる際に、バルコニー(屋上)を造ることを検討する方は多いことでしょう。天気の良い日にバルコニーから街を見下ろすのは格別な爽快感があります。半面、バルコニーを持つことにはデメリットがあるのも事実です。注文住宅でバルコニーを造るメリット・デメリットと、有効な活用方法をご紹介します。
目次
バルコニーにはいくつかの種類がある
バルコニーにはいくつかの種類がありますが、代表的なのがスカイバルコニーとルーフバルコニーです。スカイバルコニーは、母屋がない普通の屋上のことをいいます。
もう1つのルーフバルコニーは、スペースの半分程度が母屋で、残りの半分が屋上になっているバルコニーのことをいいます。階下の屋根部分が屋上になる構造です。
スカイバルコニーは住居部分をフルスペースで使え、屋上部分もあることから住宅全体の活用範囲が広くなります。一方のルーフバルコニーは屋上部分を造るのに住居スペースを削らなければならないため、住居部分の延べ床面積は小さくなります。
ここでは、用途が広いスカイバルコニーについて考えてみます。
バルコニーを設置するメリット
バルコニーを設置するメリットは、敷地を有効に活用できることです。
ガーデニングが楽しめる
例えば、敷地が狭い住宅だと庭を持つのが難しい場合があるでしょう。バルコニーを設置すれば庭園を造ることができ、ガーデニングも可能になります。
人目を気にせずパーティーができる
また、バルコニーはプライバシーを確保できるメリットもあります。庭は生け垣があったとしても、多少の隙間はできるので100%プライバシーを確保するのは難しいといえます。
バルコニーを設置すれば通行人の視線も気にせずパーティー等を行うことが可能です。ただし、近隣に高層マンションがある立地ではプライバシーが保たれない場合もありますので、何らかの囲い等が必要かもしれません。その点はハウスメーカーに相談するとよいでしょう。
眺望がいい
そして、バルコニーの大きな魅力が眺望の良さです。とくに自宅の近くで花火大会などのイベントがあった場合に、人ごみに入ることなく花火を楽しむことができます。また、サマーベッドなどを置いて、横になりながら景色を見渡せば、抜群のリラックス効果があることでしょう。
バルコニーを設置するデメリット
一方で、デメリットにも注意しなければなりません。
水はけが悪い
バルコニーを設置することでの最大のデメリットは水はけの悪さです。傾斜屋根であれば雨が降っても問題ありませんが、バルコニーは陸屋根(ろくやね/平らな屋根)になるので雨が貯まりやすく、しっかり防水対策をしないと雨漏りの原因になります。
防水対策のメンテナンスが必要
防水対策にともなうメンテナンスも必要です。工法によっては10年程度で再防水が必要になる場合があります。メンテナンスフリーに近い防水工法もありますが、初期費用が高くなります。
建築コストが高くなる
また、スカイバルコニーの場合、バルコニーへ出るための階段や出入口も必要になることから、一般的な傾斜屋根よりも建築コストが高くなるのもデメリットです。
バルコニー付きの注文住宅は雨漏り等のトラブルがやっかいなため、敬遠するハウスメーカーもあるといわれます。建築を依頼する際は施工実績が豊富なハウスメーカーを選んだほうが無難です。
バルコニーのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
ガーデニングが楽しめる | 水はけが悪い |
人目を気にせずパーティーができる | 防水対策のメンテナンスが必要 |
眺望がいい | 建築コストが高くなる |
心がなごむ屋上庭園
「屋上緑化」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。屋上緑化とは、屋上(バルコニー)に植物を植えて緑化することによりヒートアイランド現象を緩和させることをいいます。
断熱性が向上し冷暖房の効率が上がる
屋上を緑化すると屋根の断熱性が向上し、冷暖房の効率が上がることで室内環境を快適に保つことができます。
エアコンの温度を下げることによって、省エネルギーにつながるメリットもあります。また、屋上を緑化することにより、雨や太陽光の紫外線を吸収するため、住宅への負荷が軽減されます。
屋上緑化にはいくつかの方法がありますが、ガーデニングを趣味にしている方は庭園を造りたいという思いがあるでしょう。季節ごとに美しい花々が咲き誇る庭園を散策することは、心が和むひとときになると思われます。
家庭菜園を楽しむこともできる
また、家庭菜園を始めることもできます。自宅で育てた野菜や果実を収穫し、食卓に並べたときは格別な喜びがあることでしょう。屋上菜園は屋上にプランターや木箱を並べる形で行うことが可能です。
バーベキューなどのレジャーにも使える
バルコニーをレジャーに使うのも楽しい活用方法の1つです。有名人がバルコニーで家族や友人とバーベキューをしているシーンを、テレビや雑誌などでは見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
春や秋のさわやかな季節にバーベキューを行うことはバルコニーを持ちたい大きな動機の1つになることでしょう。ただし、隣家との間隔が狭い場合は煙や臭いで迷惑をかけないように注意する必要があります。
バルコニーにテントを張り気軽なアウトドアレジャー
アウトドアレジャーとしては、バルコニーにテントを張って寝泊りするのも楽しそうです。親子の触れ合いになりますし、急に雨が降ってきてもすぐに室内に入れるので、天候に左右されずにできるのがメリットです。
バルコニーでプール遊び
もう1つ、夏場は小さなお子さんを円形プールで遊ばせてあげるのもよいでしょう。2020年以降は社会情勢から密になるプールを避けなければならない事情がありましたが、自宅にプールがあれば安心して遊ばせることができます。
他にもあるバルコニーの意外な使い方
バルコニーの使い方は他にもあります。何も設置しないで手軽に使う方法と、倉庫のように何かを設置して利用する方法です。
何も設置しない使い方
洗濯物を干す
日常的な使い方としては洗濯物干し場にする方法があります。ベランダでは干せる量が少ないですが、バルコニーであればまとめて大量に干すことが可能なので、洗濯の回数を減らすことができ効率的です。運動ができる
ラジオ体操や簡単な運動などもバルコニーで行うことで周囲の目を気にせず、朝の空気も相まって爽快に行うことができます。決まった時間に起きるようになりますので、健康増進のために良い習慣になるでしょう。犬のドッグラン
意外な活用方法としては、犬のドッグランに使うこともできます。外でドッグランをさせることは道路に飛び出す危険もありますが、バルコニーであれば思い切り走らせてあげることができます。
何かを設置する使い方
最近は月額賃料を払ってトランクルームを利用する人が増えているといいます。住宅は暮らす年数が経過するにつれてどうしても物が増えることは避けられません。
倉庫を設置し物置に
そこでバルコニーに軽量タイプの倉庫を設置して普段使わないものを収容すると、部屋をよりすっきり使うことができます。賃料を払ってトランクルームを借りるよりも経済的といえます。太陽光発電パネルを設置し電気代を節約
時代にあった使い方としては、太陽光発電パネルを設置するのも有効な方法です。一般的には傾斜屋根に設置しますが、ある程度広い面積の陸屋根にも設置することが可能です。
電気代の節約につながり、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献できるので、有意義なバルコニーの使い方といえるでしょう。
注文住宅で思い通りのバルコニーを実現しよう
注文住宅の良いところは、はじめからプランを作り上げていくことです。ハウスメーカーとの打ち合わせでバルコニーを設置したい思いを伝えますが、先に紹介したデメリットがあることについて営業担当者から説明があると思われます。
そのときに大事なのは、家族がどのような目的で屋上を利用したいかという点を伝えることです。食事や体操、洗濯物干し、子どものプール遊びといった使い方であれば全面を屋上にしなくてもルーフバルコニーで十分かもしれません。
2階の母屋部分をリビングルームにして、直接ルーフバルコニーに出られるようにすれば効率が良く、見た目もおしゃれな雰囲気になります。
逆に屋上緑化や太陽光発電パネル設置といった環境に配慮した住宅を造りたいというビジョンがある場合はスカイバルコニーが適しています。
プランはどのようにも組み立てることができますので、注文住宅で思い通りのバルコニーを実現してみてはいかがでしょうか。
(提供:タツマガ)
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