国内大手金融機関などで構成される「デジタル通貨フォーラム」は24日、二層構造デジタル通貨として、「DCJPY(仮称)」のホワイトペーパーおよび同通貨に関するプラットフォームについて発表した。
同フォーラムでは、「共通領域」と「付加領域」の2つの領域を二層構造として説明している。
共通領域は、DCJPYの残高を記録する元帳の管理およびそれら に付随する業務を行うための機能や、民間銀行がデジタル通貨を発行するにあたり、各銀行のシステムと連携するための仕組みなどを提供する領域だ。この共通領域はブロックチェーンを活用して構成され、銀行によるDCJPYの 発行、送金、償却が行われる。
さらに、スマートコントラクトを利用することで、複雑な業務フローの実装が可能になるとしている。
一方の付加領域は、様々なニーズに応じたプログラムの書き込みを可能とする領域だという。これにより、DCJPYをモノの流れとリンクさせた形で支払決済に用いることなどが可能になるとしている。
この付加領域はパーミッション型ブロックチェーンによって構成され、ブロックチェーン上の処理やデータの参照を行える主体は、特定のノードに限定されると説明している。
DCJPYは円と完全に連動する「円建て」のデジタル通貨として設計されており、民間銀行が債務として発行することを当面前提としている。なお、この債務は「預金」として位置付けられるという。DCJPYは決済用預金に属する性質であるとし、付利は行われず、全額預金保険の保護対象になる想定だとのことだ。
最小単位は1円としているが、1円未満の資金決済にニーズがある場合の取扱いについては検討していく。
また日本経済新聞の報道によると、デジタル通貨フォーラムは年内にもDCJPYの試験発行を見据えており、早ければ2022年後半めどに流通を始める計画だという。
ディーカレットは同年6月にデジタル通貨に関する勉強会を発足。その後、ディーカレットを事務局として2020年11年にデジタル通貨フォーラムが設立された。
参加企業としては、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などのメガバンクをはじめ、東日本旅客鉄道(JR)、阪急阪神ホールディングス、KDDIなど、名だたる国内大企業が名を連ねている。(提供:月刊暗号資産)