本記事は、岡野武志の著書『人生逆転最強メソッド』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。
運を味方につける、「3つの向き」とは?
「上向き」「外向き」「前向き」とは具体的にどういうことなのか説明していきましょう。
1 上向き・・常にチャンスを期待して探しているか
当たり前のようですが、チャンスは、探している人のところにしかやってきません。仮にやってきたとしても、常日ごろからチャンスを探している人でないと、それがチャンスだと気付けないか、仮にチャンスだと気付けたとしても、正しいタイミングでつかむことができません。「幸運の女神には前髪しかない」という有名な言葉があります。チャンスは、つかむべきタイミングでつかまないと逃げてしまい、二度はやってきません。まずは心にスイッチを入れて、常日ごろから「何かチャンスが降ってこないかな」と上を向く意識を持つようにしてみてください。
2 外向き・・見慣れない出来事に対してオープンか
予期していなかった出来事が急に起きたとき、人は本能的に恐ろしさを感じて立ちすくんでしまうことがあります。その環境が自分にとって望ましいかどうかに関わらず、慣れ親しんでいるほうが人にとっては心地良く感じるからです。これはいわゆる「コンフォートゾーン」と呼ばれるものです。コンフォートゾーンにいる限り、穏やかで変化のない状況が続きます。
もちろん、そういった環境に身を置いて心を休めていくことが大切な時期もあります。しかし、挑戦していきたいというときは、あえて恐怖心に逆らい一歩前に踏み出してみると、想像以上に世の中はチャンスに満ちていることに気が付きます。
3 前向き・・過去に執着せず、いまを手放して進めるか
チャンスは、過去にはありません。常にいまよりも前にあります。
過去の成功に囚われず、失敗に引きずられず、いまよりも前に進んでみようという意識でいると、チャンスを手にしやすくなります。
過去の嫌だった出来事を思い出してモヤモヤして、時間を浪費してしまっていることはありませんか? 時間は前にしか進みません。変えられない出来事にいくら頭を悩ませても、チャンスを手にできないのです。
次のページのチェックシートで日ごろの自分は「3つの方向」で運を味方につける行動ができているかどうかを確認してみましょう。
人間の防御本能に逆らったほうが、チャンスが生まれることがある
チャンスは基本的に異質なところにあります。チャンスとは、別の言い方をすれば、足し算ではなくかけ算を起こすことができるもの。10+10=20ではなく、10×10=100のように、爆発的な力で化学反応が起こす関係性、それがチャンスです。
ただ、人間はそうした異質なところに足を踏み入れることを本能的に躊躇する傾向にあります。生物の授業で習った人もいると思いますが、これはいわゆる「ホメオタシス」、恒常性とも呼ばれるものです。変化が起きることを体が拒み、ある一定の状態を維持しようとすることを言います。
何か変化が起きようとしているとき、パッと反作用が起こるのもその例です。新しいことを始めようとしても、後ろに引き戻されてしまう。その力に素直に従っていると、三日坊主で終わってしまいます。
例えば、グルテンフリーダイエットを始めた場合、しばらくするとダルくなり、いつもの生活にぐっと戻されたりします。ホメオスタシスは、体にとっては悪いことではありません。異質なものを拒絶する力があるから、病気と戦うことができたりするのです。
ただ、チャンスをつかむという点で言えば、自分の中の通常ルートから外れて、異質なものと接することで化学反応を起こさないといけません。ぬるま湯から抜け出さないと、新しいものに出会えないのですから。
ときに通常ルートをたどる正攻法から逸れたところに成功が潜んでいる、ということを教えてくれる例として、イソップ物語の「北風と太陽」の寓話があります。旅人の着ものを脱がせるためには、冷たくて強い風で吹き飛ばすのが手っ取り早い正攻法のように見えますが、結果的には、太陽で照らして本人に脱がせるほうが早くて効率的だった、というお話です。
チャンスを呼び込むには、同じように通常ルートから逸れる発想が必要です。チャンスを得るだけでなく成功をつかむためには、日常を捨てて新ルートを進むくらいの覚悟が必要ですが、人間の本能に照らしてみると、捨てるという行為には「恐怖」や「不安」といった抵抗心が必ず生じます。それを乗り越えられないと、結局は現状維持のままチャンスを逃してしまいます。
私が弁護士として成功している経営者の方などとお話しする際によく感じることですが、チャンスをつかむことが上手な人は、現状と未来のトレードが本当に上手です。未来を得るために現状を捨てるというトレードオフによって、軽々と次の次元に進んでいく人が多くいます。
そこで、今回、そういった運がいい人の特徴や、私自身の経験をもとに、運を上向きにできるトレーニング法をまとめました。
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