本記事は、岡野武志の著書『人生逆転最強メソッド』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。
最短ルートで目標にたどり着く方法
では具体的にどうすればいいのかについて説明しましょう。
1 目標・・目標を数字や固有名詞で把握しているか
目標からゴールを逆算するためには、まず目標を具体的に把握することが重要です。例えば、
「TOEIC 800点」
「ファイナンシャルプランナーを取得する」
というように具体的な数字や資格試験名、狙いたいポジション名が入っているかどうかをチェックしましょう。ここでいかに目標を具体的にできるかが、その後の目標達成に大きく関係してきます。
2 現状・・いまの自分の実力を正確に把握しているか?
次に、自分の現状を正しく把握しましょう。大抵の人は、自分の現状を過大に評価しているか、過小に評価しているかのどちらかです。
「自分の現状と比べて目標が高すぎる」というのは何の問題もありませんが、「自分の現状を正しく把握できていない」というのは非常に問題があります。なぜなら、現状が正しく把握できていないと、目標を達成するための課題が浮き彫りにならないからです。
例えば、同じTOEIC800点を目標にするにしても、いまのレベルが200点なのか、600点なのかによって、勉強の内容や頻度、方法が大きく異なってきます。現状を正しく把握するためには、未経験でもまずは実戦で試してみるのが一番です。勉強であれば時間を測って過去問を解いたり、スポーツであれば目標としているレベルの人の胸を借りて、自分がいかに目標からほど遠いか、いまの自分の実力を正確に把握しましょう。
3 課題・・目標と現状の差を埋めるための課題を把握しているか。
目標と現状が正しく理解できたら、残りは簡単です。目標と現状の差を埋めるための課題が、自然と見えてくると思います。目標を決めるときは、自分の強みが活きる分野を選ぶ必要がありますが、この過程では徹底的に自分の弱点をあぶり出す必要があります。自分の現状が弱々しく、弱点だらけだったとしても、落ち込む必要はありません。この過程で多くの弱点が見つかったということは、それだけ取り組むべき課題が明確になったということです。成長の「伸びしろ」があるということなので、これからがとても楽しみです。
これらを踏まえて次のページのワークをやってみましょう。
夢を叶える「目標達成シート」
では、実際に、逆算で目標達成へのルートを考えてみましょう。
これには、目標達成シートを活用してみるのが便利です。そこでオススメしたいのが、「マンダラチャート」と呼ばれるものです。メジャーリーガーとして活躍する大谷翔平さんが高校時代から活用していたことでも知られています。
具体的には、中心に実現したい目標や夢を書き、その周りの8マスに、これを実現するための要素を書きます。さらに、その8要素を実現するための項目を8つに細分化し、合計81のマスを埋めていきます。
こうして目標を細分化して見える化することで、まずは何から取り組めばいいのか、計画を立てやすくなります。
では、さっそくやってみましょう。
「TOEICで800点を取る」という目標を例に考えてみます。マンダラチャートにあるように、中央に記入する目標は、数字や固有名詞が入った、具体的なものであるといいでしょう。
まず、TOEICで800点を取るために、何を身につけることが必要でしょうか?思いついたアクションを書き込んでいきます。難しく考えすぎず、思いついたものを書いていきましょう。ここでは「リスニング力」「速読力」「文法知識」「語彙力」「試験慣れ」「モチベーション」「メンタル」「集中力」と8つ書き出してみました。
次に、その8つの要素ごとに、さらにやるべきことを細分化していきます。例えば、「語彙力」を上げるために、私が必要だと思ったのは次の項目です。「単語集1冊の全暗記」「Quizlet(クイズレット)で隙間活用」「睡眠前15分記憶」「間違えた単語を反復」「公式問題集の初見単語暗記」「本試験の初見単語暗記」「英News初見単語暗記」「映画の初見単語暗記」
このような形で、他の項目も埋めていきます。81マスをすべて埋められなくても、もちろん大丈夫です。これはあくまで、目標達成のための道筋を考えるための思考のフレームだと考えてください。マスを埋めることに労力を使いすぎて、疲れ切ってしまっては元も子もありません。ただ、あまりにも埋める項目が思いつかないという場合は、目標について、あまりよく把握していない可能性があります。
その場合は、また「目標実現のためのチェックシート」の1に戻り、目標となるロールモデルに話を聞きに行ったり、ロールモデルのブログやSNSをチェックするなどして、具体的に目標を達成するまでに何をしたいのか、自分がいまいる場所からなら、達成するまでにどんな条件があるのかを確認してみましょう。
「マンダラチャート」は目標達成までの地図
マンダラチャートで項目ごとに細分化すると、「何から始めればいいんだろう?」と思っていた人も、意外にたくさんやるべきことがあることに気が付くと思います。
目標を細分化することで一つひとつに取り組みやすくなり、課題をクリアするごとに、小さな達成感を感じるようになります。するとモチベーションも高まり、次の細分化した目標に取り組むスピードも上がってきます。いままで思い浮かばなかったようなアイデアも出やすくなり、階段を上るように目標に近づくことができるようになります。
また、目標達成に向けて動いていると、つい「次は何をすればいいんだろう?」と迷子になってしまうことがあります。そんなときも、このマンダラチャートを見返せば、「あ、これをやればいいんだ」「まだこっちをやっていなかった」と再確認できます。マンダラチャートは目標到達への地図のようなもの。できれば、月に一度、「マンダラチャート見直しの日」をつくるといいと思います。なぜなら、目標は常にアップデートされていくものだからです。自分が成長するにつれ、自分と目標との差分も変わってきますし、やるべきことも変わってきます。その都度、目標から逆算した観点で、やるべきことをチャートに落とし込むのが良いと思います。
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