10日、米マイクロソフトがNFT(非代替性トークン)関連企業のPalm NFT Studio(PNS)に出資したことが明らかになった。PNSが発表した。

ペプシ
(画像=月刊暗号資産)

マイクロソフトのベンチャーファンド「M12」は、PNSの2700万ドル(約30億6,000万円)におよぶシリーズB資金調達ラウンドを主導。Griffin Gaming Partners、RRE、Third Kind Venture Capital、Sfermion、The LAO(投資DAO=分散型自律組織)、Warner Brothersなどの企業もこの資金調達に参加した。

PNSは今後、活動規模を拡大し、エンターテインメント、ファインアート、ゲーム、クリエイティブカルチャーなどの分野で活躍するクリエイターとの間で多くのNFTプロジェクトを立ち上げることが可能になるとしている。

PNSはNFTクリエイターや企業を支援するプロジェクト。イーサリアムプラットフォームのNFT専用のサイドチェーン「Palm Network」を運用する。イーサリアム共同創業者でConsenSysの創業者のJoseph Lubin氏、映画プロデューサーでHeyday FilmsのオーナーであるDavid Heyman氏、HENI Groupの創業者であるJoe Hage氏などがPNSのローンチに関わっている。

そしてConsenSysのエンジニアリンググループのPegaSysの元共同創業者で、PNSのCEO・Dan Heyman氏は「3年以内にほとんどのNFTは無料になる。NFTは限定的なコレクターズアイテムではなく、多くの人がコミュニティに参加するものへと変化する。私たちは何百ものNFTを実用的に活用するプログラムを構想している」と述べている。

PNSは立ち上げから8ヶ月で、Damien Hirstの「The Currency」のようなハイコンセプトアートプロジェクトや、「Space Jam 2」など、2ヶ月で6億ドル以上の時価総額を生み出した複数の人気NFTドロップ(発行と販売)を実施してきた。9月にはコミックスイベント「DC FanDome 2021」などにおいて、80万枚のNFTを無料配布してきた。これは最も広範なNFTの配布となった。

さらにPace Galleryと共同で、Web3.0向けアートギャラリー「Pace Verso」を立ち上げている。

マイクロソフトは過去、ゲームへのNFT導入について慎重な姿勢を見せていた。現在の傾向は「搾取的」であるとし、エンタメよりも利益優先の傾向が見られることを指摘していた。しかし、最近になりメタバースに関する戦略を発表。同社CEOのSatya Nadella氏は「Xbox」におけるゲーム型メタバースの開発に注力することを明かしていた。(提供:月刊暗号資産