先月26日に大きく値を落としたビットコイン(BTC)は、今月4日に再び大幅下落した。その規模は大きく、最大で1万4000ドル(約158万円)も価格が変動した。
急落後、5万ドル(約568万円)を何度か試し上抜けできないと見るや、6日には再び4万7000ドル(約534万円)台まで下落。高レバレッジを掛けて売買する投資家が多数存在していると思われ、大幅ロスカット分が加わりその分下落したと推測される。しかしエルサルバドルや機関投資家による大口の押し目買いにより急反発もみられた。
日本時間7日には、前日のNYダウの大幅上昇の影響もあり日本株式市場が上昇すると、現在は5万1000ドル(約580万円)台にまで値を戻している。相場には底打ち感がみられるが、報道各局はオミクロン関連ニュースや中国恒大集団のデフォルト問題を取り上げており予断は許さない。
オミクロンショックで大きく値を崩した暗号資産(仮想通貨)だが、いち早く値を戻したのがイーサリアム(ETH)だ。シカゴマーカンタイル取引所(CME)がマイクロイーサリアム先物の提供を開始したという好材料もあったが、それ以上にイーサリアムを押し上げている要因としては、メタバースが大きく関連しているものとみられる。
NonFungible.comのデータによると、NFTの取引高はこの1週間で3億ドル(約341億円)を超えたという。そのうち、4分の1がTheSandbox内のデジタルランドの取引だ。TheSandboxでは先週、4433件のアセットに対し、総額7050万ドル(約80億ドル)の取引が行われた。SANDの価格も上昇し、現在は5ドル台半ばを推移している。
NFTの取引において、出来高2位だったのはDecentralandだ。1週間に399のアセットに対し、660万ドル(約7億5,000万円)の出来高であった。Decentralandの暗号資産MANAは現在3ドルから4ドルの間を推移している。
イーサリアムは、メタバース業界において最も主要なプラットフォームの1つとなっている。メタバースに関連する事業が展開すればするほど、イーサリアムのスマートコントラクトが利用され、ETHの需要が高まり価格も上昇傾向になるとみられる。
ビットコインは11月に最高値を記録したものの、月末比ではマイナス約4%と苦戦した。一方で、同じく11月に最高値を記録したイーサリアムはプラス10%を記録し、明暗が分かれた。NFTやDeFi(分散型金融)のプロジェクトが相次いで誕生していることを踏まえると、イーサリアムのスマートコントラクトが利用される機会は増える一方であると言える。
なお、イーサリアムは日本時間10日未明頃に生成すると予測されているブロック高13,773,000でハードフォーク「Arrow Glacier」を予定している。このハードフォークでは今年8月に実施した大型アップデート「London」において延期されたディフィカルティボムの調整を予定している。
ディフィカルティボムはイーサリアムの次世代ブロックチェーンである「イーサリアム2.0」への移行をスムーズに行うために導入されたもので、ブロックの生成状況に応じて生成難易度を引き上げる役割を担っている。(提供:月刊暗号資産)