これから新築やリフォームをする人で、外壁の色選びで迷っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。外壁の色選びは意外に難しいものです。外壁の色をなんとなく選んでしまうと失敗する可能性もあります。外壁の色選びでミスをしないための3つのポイントを学んでいきましょう。
目次
なぜ、外壁選びのポイントを知ることが大切?
外壁の色を好き嫌いだけで選んでしまうと、次のような失敗をする可能性があります。
・周囲の景観や近所の雰囲気から浮いている ・汚れが目立つ色を選んでしまった ・思っていた色と違った |
「外壁の色選びを間違えた」と後で気がついても、交換や塗り替えに費用がかかるため簡単に変えられません。失敗しないためには、外壁選びのポイントを知った上で業者と契約することが大切です。
外壁塗装の経験者1,000人が選んだ「外壁で人気の色ベスト5」
外壁の色選びのポイントに入る前に「そもそもどのような色が好まれているのか」を確認したいと思います。
リフォーム修理の見積もりサイト「リフォマ」が外壁塗装をしたことのある1,000人に「外壁の色は何色にしましたか」と聞いたところ、次のような結果になりました。
順位 | 色 | 割合 |
1位 | ベージュ系 | 38% |
2位 | 白 | 31% |
3位 | 灰色系 | 10% |
4位 | 茶色 | 8% |
5位 | その他 | 13% |
(引用:リフォマ 外壁塗装リフォーム みんなの選び方徹底リサーチ)
外壁の色では、ベージュ系と白の人気が高いことがわかります。ここで注意したいのは「人気の色=外壁の色選びで正しい色」とは限らないことです。
これから解説する外壁選びのポイントを参考にしながら、ベストな色を見つけましょう。
外壁の色選びで失敗しないための3つのポイント
外壁の色選びで失敗しないためのポイントは次の3つです。
外壁選びで失敗しないためのポイント 1.周囲(近所)の景観を意識して外壁を選ぶ 2.汚れにくさを意識して外壁を選ぶ 3.外観デザインや部材との相性を意識する |
それぞれの内容をくわしく見ていきましょう。
1.周囲(近所)の景観を意識して外壁を選ぶ
「周囲の雰囲気から浮きたくない」とお考えなら、ご近所や周辺環境との調和を意識しながら外壁の色選びをするのがよいでしょう。
例えばご近所の外観や屋根を見てナチュラルカラーが多いなら、それに溶け込むような外壁の色を選ぶといった具合です。
なかには街の景観を守るため、外壁の色を規制している自治体もあります。条例がある場合は「色合い・明るさ・鮮やかさ」などを細かく規制しているケースもあります。
この点でご心配であれば、お住まいの自治体に景観条例がないかを確認するのがよいでしょう。
2.汚れにくさを意識して外壁を選ぶ
外壁は選ぶ色によって、汚れや傷みが目立ちやすいものと、そうでないものがあります。長期間に渡って外観の美しさをキープしたいのであれば「汚れにくい色を選ぶこと」が重要です。
前出の外壁塗装の経験者1,000人調査では、外壁塗装を行ったきっかけの1位は「汚れが気になった(全体の32%)」でした。
汚れやすい色を選んでしまうと、塗り替え時期が早まる可能性もあります。とくに交通量の多い幹線道路沿いや気候条件の厳しいエリアでは、汚れにくい色を選ぶのが無難です。
一般的に汚れが目立ちやすいといわれるのは、真っ白や真っ黒の外壁です。白や黒の外壁でも薄めの色やほかの色の混じったものであれば、汚れをやわらげることも可能です。
あえて真っ白や真っ黒の外壁を選ぶときは、定期的に高圧洗浄を行うなどの工夫が必要でしょう。なお、汚れが目立ちにくい外壁の色は、グレー、アイボリー、ベージュなどといわれます。
3.外観デザインや部材との相性を意識する
外壁の色も外観デザインの一部です。その意味では、外観全体や屋根などの雰囲気にあった外壁の色を選ぶという視点も大切です。わかりやすい例でいうと、重厚な和風の家にパステルカラーの外壁は合いません。
このポイントは意外に見落とされがちですので、家族や知人などに「この外観デザインにこの外壁の色が合っているか」意見をヒアリングするのが無難です。
外壁の色を選んだ後は、サンプルで色の雰囲気の確認を
ここまでお話ししてきた3つのポイントを意識しながら外壁の色を選んだ後には、サンプルによる確認も大切です。
一般的に外壁の色選びでは、次のツールが使われることが多いでしょう。
外壁の色選びで使われるツール ・外壁材のカタログ ・色見本 ・カラーシミュレーション |
ただし、これらのツールだけで外壁の色を決めてしまうと「思った色と違う」あるいは「色が薄すぎる(逆に濃すぎる)」との結果になる可能性もあります。
とくに新築住宅の場合はサンプル(外壁材の実物の一部)で色の確認ができるケースも多いため、これを有効活用するのがよいでしょう。このサンプル確認のコツは次の通りです。
サンプル確認のコツ 1.屋外で質感をチェックする 2.似た外壁の家を参考にする |
1.屋外で質感をチェックする
外壁材カタログなどの色見本を室内で見ていたときにはよい色だと感じていたのに、施工してみたら雰囲気が違うという失敗もあります。
この失敗の原因は、同じ色でも室内で見るのと屋外で見るのでは印象が違うからです。対処策としては、屋外でサンプルをチェックするとイメージとのズレが少なくなります。
2.似た外壁の家を参考にする
サンプルを使って色の確認をしたのに、仕上がってみたら雰囲気が違うというケースもあります。この原因としては「色は面積が変わると印象が変わること」が挙げられます。
つまり、小さなサンプルで見たときと大きな建物になったときでは、同じ色でも見え方が違ってくるというわけです。
対処策としては、似た色合いの家が近所にあるなら参考にすることです。また、A4サイズなど大きいサイズの色見本を使うことで、大きな建物になったときのイメージがしやすくなります。
外壁の色をツートンカラーにする際の注意点
外壁の色選びでは、単色だけでなくツートンカラーにするケースもあります。ツートンカラーの外壁は、色の選択やバランスが難しいため慎重に進めていきましょう。とくに注意したいのは次の2点です。
ツートンカラーにする際の注意点 1.色の選択(同系色でまとめるといい) 2.色のバランス(ツートンカラーの面積比率を6:4か7:3) |
1.色の選択(同系色でまとめるといい)
外壁の色をツートンカラーにする場合、大きな選択肢として「同系色にする」「反対色にする」があります。まとめやすいのは同系色でまとめる方法です。
例えば、濃いグレーの外壁と薄いグレーの外壁を組み合わせるといった方法です。
2.色のバランス(ツートンカラーの面積比率を6:4か7:3)
ツートンカラーは面積比率を6:4や7:3程度で組み合わせるとバランスよく見えるといわれています。
ただし、最終的に色のバランスは外観デザインにも左右されるため、ハウスメーカーや塗装業者などに相談しながら決定するのがよいでしょう。
外壁のメンテナンス方法は外壁材の種類によって違う
気に入った外壁の色を選んだ後には、その美しさをキープするためのメンテナンス欠かせません。メンテナンス方法は外壁材の種類によって変わってきます。
外壁材の種類 | メンテナンスの一例 |
モルタル系 | ・クラック(ひび割れ)の補修 ・高圧洗浄と弾性塗料(※)の塗り替え |
タイル系 | ・クラックや浮いたタイルを張り替え ・コーキングの補修 |
サイディング系 | ・サビ落としや防錆処理(金属系) ・コーキングの補修(窯業系) |
※弾性塗料とは、ひび割れが起きないよう伸びる特性のある塗料のことです。
長期のメンテナンスと合わせて、外壁の塗り替えも必要です。一般的に塗り替え時期の目安は10年程度といわれます。
ただし、使われている塗料によって塗り替えの時期の目安が違うのでご注意ください。なお、耐久性が高いといわれるのはシリコン系塗料やフッ素系塗料などです。
塗料 | 耐用年数 |
アクリル系塗料 | 6〜10年 |
ウレタン系塗料 | 6〜10年 |
シリコン系塗料 | 12〜15年 |
フッ素系塗料 | 15〜20年 |
まとめ
最後にこの記事の要点をまとめたいと思います。外壁の色選びのポイントは次の3つでした。
外壁の色選びのポイント 1.周囲の景観を意識して外壁を選ぶ 2.汚れにくさを意識して外壁を選ぶ 3.外観デザインや部材との相性を意識する |
このうち、とくに重要なのは「汚れにくさを意識して外壁を選ぶ」です。外壁塗装の経験者に対するアンケートを参考にすると、外壁塗装を行ったきっかけの1位は「汚れが気になった」でした。
なお、外壁の汚れやすさついては、色だけでなく使われている素材も関係あります。注文住宅を建てる方で長期間に渡って汚れにくい外壁をご希望であれば、ハウスメーカーやリフォーム会社に相談するのがよいでしょう。
(提供:タツマガ)
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