実務を通して不動産に触れる機会も多いことから、マンション経営に興味を持つ士業の方が数多くいます。そこで、マンション経営を始めたいけれども不安を感じている士業の方向けに、マンション経営を行う4つのメリットと注意点について解説します。こちらの記事を読んでいただければ、士業の立場がマンション経営に有利な理由や、注意するべきポイントがわかり、マンション経営に向けて一歩踏み出すことができるでしょう。

士業とは?

士業がマンション経営を行う4つのメリットと注意点を解説!
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士業(しぎょう)という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。士業とは、弁護士や弁理士のように専門性が高く、資格を取得する難易度が高い職業の俗称になります。それらの職業は語尾に「士」がつくことから、「士業」と呼ばれるようになりました。

俗称ですので、どの職種が士業にあてはまるのか明確な定義はなく人それぞれのところがありますが、ここでは以下の8つを挙げたいと思います。

・弁護士
・公認会計士
・弁理士
・司法書士
・行政書士
・税理士
・社会保険労務士
・土地家屋調査士

また、士業の「士」は、武士の「士」でもあることから「士業」と書いて「サムライ業」と呼ばれたりもします。

こうした人達は、属性が高いことから金融機関からの信用が厚く、好条件でローンを組みやすいというメリットがあります。

マンション経営を行うにあたっては有利な立場にあるといっていいでしょう。実際に、その高い属性を活用し副業としてマンション経営を行う士業の方々は数多くいます。

マンション経営は一体何が魅力なのでしょうか。次章でその魅力を解説します。

マンション経営の4つの魅力

士業がマンション経営を行う4つのメリットと注意点を解説!
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それではさっそくマンション経営の魅力を見ていきましょう。

1.レバレッジ効果を効率的に活用できる
2.老後資金対策
3.インフレ対策
4.ほとんど手間をかけずに経営できる

1.レバレッジ効果を効率的に活用できる

マンション経営はレバレッジ効果を活用できるメリットがあります。

レバレッジ効果とは「てこの原理」を指し、小さな力で大きな力を発揮することですが、マンション経営の世界では、自己資本ではなく他人資本を活用することを指します。

マンションのような高額なものを現金で購入できる方は多くはありません。そこで活用するのが金融機関からの融資(ローン)です。

世の中には株や債券など多くの資産運用商品がありますが、金融機関から借入して購入できる商品はほとんどないでしょう。

しかし、マンションであれば土地・建物を担保にできることからローンを活用できます。このように、マンション経営は他人資本を活用して大きな投資ができることから、効率良く行えるメリットがあるのです。

2.老後資金対策

2つ目のマンション経営の魅力は、老後資金対策になることです。

マンション経営における収入の大部分は、入居者からの家賃収入です。将来の年金の有無は不明ですが、年金への不安があるのは士業の方も同様でしょう。

ローン完済後の家賃は、マンションの管理費や修繕積立金などの必要経費を差し引いた分が収入として手元に残ります。働かなくても自動的に収入が得られる不労取得として、老後の貴重な収入源になります。

より早い段階からマンション経営を行い、定年までにローンを完済することで、老後はゆとりのある生活が送れることでしょう。

このように将来の老後資金に対する不安から、個人年金としてマンション経営を始められる方も多いです。

3.インフレ対策

マンション経営はインフレ対策にもなります。

インフレとはインフレーションの略で、モノやサービスの価格が上がり、相対的にお金の価値が減少することをいいます。

インフレ時には、現金の価値が目減りしてしまいます。資産の多くを現金が占めている場合、インフレ時には苦しい状況に陥ってしまうでしょう。

しかしインフレ時に値上がりするのはモノやサービスだけではありません。現物資産であるマンションも、インフレ時には物価の上昇とともに家賃もゆるやかに上がります。

これによって毎月の収入の増加が期待できます。さらに、元金の変わらないローン残高は実質目減りします。

4.ほとんど手間をかけずに経営できる

マンション経営はほとんど手間をかけずに経営できます。

マンション経営は別名「ほったらかし投資」ともいわれ、管理会社に管理を委託すればオーナーはほぼ何もすることがありません。こうしたマンション経営の特性は、本業が忙しい士業の方にとって大変魅力的に映ることでしょう。

何かと負担の大きい入居者とのやりとりも管理会社にお願いすることができます。以下のようなやりとりを自分で行おうとすれば、本業があるとかなり大変です。

・家賃の集金
・設備修理の手配
・トラブル時の対応
・退去時の手続き
・入居者の募集

このような手間のかかる業務も、家賃の数%を賃貸管理委託費として支払うことで管理会社が代行してくれます。特に家賃の滞納トラブルなど、お金に関するトラブルは経験豊富なプロに任せるのが安心です。

士業の方がマンション経営を行う4つのメリット

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続いて、士業の方がマンション経営を行うメリットを見てみましょう。大きく4つのメリットを挙げることができるので、それぞれについて解説します。

1.収入源が増える
2.不動産実務のスキルアップに繋がる
3.属性を活かした借入ができる

1.収入源が増える

まずは、当たり前ですがマンション経営を行うことで不動産所得を得ることができます。不動産所得は家賃収入から必要経費引いて求めることができます。必要経費は下記のような内容です。

・管理費
・修繕積立金
・修繕金
・賃貸管理委託費
・借入金利子
・減価償却費
・税金
・その他必要経費

不動産所得は選ぶ物件やローンの金利によって異なります。月々の不動産所得を多くしたい場合や、年金対策に重きを置く場合などで選択肢も変わるため、不動産会社と相談しながら決めるのがいいでしょう。

2.不動産実務のスキルアップに繋がる

またマンション経営は実務においても役立ちます。

なぜなら、実際に自身でマンション経営を行うことで、より実践的なノウハウを得られるからです。士業の方であれば、実務で不動産に関する案件に触れることもあれば、不動産を所有しているお客様に接したりすることもあるでしょう。

そうした場面で、自身のマンション経営のノウハウが本業に活かせる場面があると思われます。また、お客様が不動産を所有しているのであれば、不動産の話で盛り上がり親睦を深めることも可能でしょう。

このように、実際に自分で経験したことが本業に活かせるため、不動産実務のスキルアップに繋がります。

3.属性を活かした借入ができる

士業の方は、金融機関からその高い属性を活かした借入が可能です。

金融機関はその人の属性をもとに判断し、相応しくない場合には融資を行いません。その点士業の方は社会的な信頼度が高く、安定している職業として認識されています。したがって、より好条件での借入が期待できることから、レバレッジ効果を最大限に活かしたマンション経営を行うことが可能です。

マンション経営で注意する3つのポイント

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メリットばかりでなく、注意しなければならない点もあります。どのようなことが注意点なのでしょうか。

1.事業の実績が必要
2.借入をし過ぎない
3.物件を見極める目が必要

1.事業の実績が必要

士業の方、特に自営の方は借入の際に事業の実績が重視されます。金融機関は今後も継続した収入が見込め、返済能力に問題がないかを決算書などから判断します。

・事業を開始したばかり
・赤字決算
・収入が安定していない

これらの項目にあてはまるようだと、返済能力に疑問を持たれてしまい、ローンを断られるケースもあります。ただ、金融機関によって判断は異なるので、1つ審査に通らなかったからといって、他も落ちてしまうとは限りません。

2.借入をし過ぎない

士業の方で事業の実績も問題ない方は、好条件での借入を期待できます。

しかしながら、好条件で借入できることを理由に上限額いっぱいに借りてしまっては、その分月々の返済額も多くなり、経済的な負担が大きくなります。

また、人生においては、結婚、出産、子どもの進学など、さまざまなライフイベントがあります。そうした事態に備え貯蓄をしておく必要があります。

上限いっぱいに借りてしまい、ライフイベントにかけるお金がないとなっては、生活の質が落ちてしまいます。

そうしたことから生活苦になり、マンションを売却して現金化しようとしてもすぐに売れるものではありません。

マンション経営は長い時間をかけて行なうものです。「借りられる額を上限いっぱい」に借りるのではなく、「返済していける額」を借入れることが重要です。

3.物件を見極める目が必要

マンション経営は物件を見極める目が必要です。本を読んだり、セミナーに参加したり、実際に物件を見たりするなどをして勉強をすることで、見る目が養われます。忙しい士業の方は、なかなかこの力を身につけることができません。

大変だからといって、他人任せで不動産会社の人にいわれるがままに購入しては、最悪の場合、はずれの物件を摑まされることもあります。マンション経営を行うにあたり、物件を見極める目を持つ必要があります。

信頼できる不動産会社を見つける

士業がマンション経営を行う4つのメリットと注意点を解説!
(画像=sebra/stock.adobe.com)

マンション経営の知識を身につけたならば次にすることは、信頼できる不動産会社を見つけることです。

マンション経営の知識がない状態では、何が正しく、何がおかしいのかも判断できないので、不動産会社を見極めることもできません。

マンション経営の知識と不動産会社を見つけることを同時並行で行うのはかなり難易度が高い方法といえます。

まずマンション経営に関する基本的な知識を身につけ、それから不動産会社に足を運び、話を聞いてみましょう。

その際、担当者がメリットばかりを強調する場合は警戒したほうがいいでしょう。物事には何事もメリットもあれば、負の部分であるリスクもあるものです。

売ることばかりに意識がいっている会社や担当者は、そうしたことを隠そうとします。正直に説明してくれるところは誠実さがあると思っていいでしょう。

不動産会社はマンション経営を行うにあたって大切なパートナーとなります。パートナー選びは妥協せず、複数の不動産会社から話を聞き、慎重に比較検討するようにしてください。

(提供:Dear Reicious Online



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