東レは24日、ブロックチェーン技術と活用ノウハウを持つソラミツ株式会社と協働し、ブロックチェーンを活用したトレーサビリティシステム構築のための実証実験を2022年度中に開始すると発表した。
東レが2050年に目指す世界像「資源が持続可能な形で管理される世界」の実現に向け、東レのリサイクルやバイオマスなどの循環型社会に資する技術や製品のサプライチェーンに、ソラミツのブロックチェーン技術を融合させることで、製品の回収や再利用などによる素材の循環を可視化、透明化し、サプライチェーンを構成する全てのステークホルダーと共に循環型社会の進展への貢献を目指す。
東レは2019年に回収ペットボトルを原料として再利用するリサイクルエステル繊維事業のブランド「&+」(アンドプラス)を立ち上げた。今回の実証実験では、「&+」を題材とし、この取り組みをいつでも誰に対しても証明できるよう進化させるためにサプライチェーン上の企業と連携をはかり課題整理をしていく。
「回収した原材料が再び製品となり、消費者に届くまで循環するサプライチェーンの情報」を見える化し、その見せ方や、東レ製品の顧客が本システムを自社のトレーサビリティ管理に必要な情報として使いやすくするための仕組みについて検証を行っていく。さらに、「リサイクル工程に要したエネルギー量」や、「消費者が東レの製品を使用することによる環境負荷低減への貢献度」などの見える化も検証していく。消費者を含むステークホルダーが循環型社会に参加できるようにすることで資源の持続性と循環が当たり前となる社会の実現を目指す。
東レは今回の実証実験結果のデータをもとに基本システムを構築していくとともに、当該システムの適応範囲の拡大についても検証する。将来的には、樹脂やフィルムなど全ての主要ポリマーを対象とした上で、ブロックチェーンを活用したサプライチェーンを確立し、製造から最終製品の流通、回収、再利用までの完全な循環トレーサビリティを提供してく方針だ。(提供:月刊暗号資産)