ハウスメーカーごとの坪単価を知っておくと、家づくりを頼む相手を選びやすくなります。しかし高いところと安いところでは、3倍も違うケースも見られます。なぜ、こんなにも違うのでしょう?本稿では、主要ハウスメーカーの最新坪単価一覧と、金額差が大きい理由や坪単価以外にかかる諸費用について解説いたします。
目次
坪単価とは?
まず、坪単価について知っておきましょう。
坪単価とは、1坪あたりの床面積(3.3平方メートル/約2畳)に建設費がどの程度かかったかを計算したものになります。
計算式は以下のとおりです。
家の本体価格 ÷ 延床面積(建物の床面積の合計)= 坪単価
それでは、おもなハウスメーカーの坪単価はどのようになっているのでしょうか。さっそく見ていきましょう。
主要ハウスメーカー坪単価一覧
おもなハウスメーカーの最新坪単価は次のようになっています。
なお、下記の坪単価に諸費用は含まれていません。また建築する地域や敷地の条件によって金額は変わります。
30万円〜50万円
メーカー名 | 坪単価 |
アイダ設計 | 30〜40万円 |
アキュラホーム | 30〜45万円 |
アイフルホーム | 30〜50万円 |
秀光ビルド | 30〜50万円 |
40万円〜60万円
メーカー名 | 坪単価 |
クレバリーホーム | 40〜55万円 |
レオハウス | 40〜55万円 |
イシンホーム | 40〜60万円 |
ユニバーサルホーム | 45〜60万円 |
50万円〜70万円
メーカー名 | 坪単価 |
東急ホームズ | 50〜65万円 |
ヤマダホームズ | 50〜65万円 |
住友不動産 | 55〜70万円 |
60万円〜80万円
メーカー名 | 坪単価 |
トヨタホーム | 60〜75万円 |
無印良品の家 | 60〜80万円 |
ミサワホーム | 65〜80万円 |
一条工務店 | 65〜80万円 |
70万円〜90万円
メーカー名 | 坪単価 |
セキスイハイム | 70〜85万円 |
パナソニックホームズ | 70〜85万円 |
大和ハウス | 70〜85万円 |
積水ハウス | 70〜90万円 |
80万円〜100万円
メーカー名 | 坪単価 |
三井ホーム | 80〜95万円 |
スウェーデンハウス | 80〜100万円 |
家の性能とクオリティによって坪単価が違ってくる
各社の坪単価には大きな差があります。一番高いハウスメーカーの坪単価と最も安いハウスメーカーでは、坪単価に3倍近い差があります。
こうした坪単価の違いが生まれる理由は、次の3つが考えられます。
2.注文住宅と企画住宅
3.設備グレードの違い
ざっくりというと、住宅としての性能とクオリティの違いが坪単価の違いとして表れているからになります。
どのような点が違うのでしょうか。具体的にその違いを見ていきましょう。
1.断熱性能や耐震性能
最初に説明したとおり、坪単価とは家の本体価格を延床面積で割ったものです。この住宅本体には、見た目だけではわからない耐震性能や断熱性能が反映されていることがあります。
例えば、地震に強い家にするには多くの構造材を使います。また、夏涼しく冬暖かい家にするには高性能な断熱材などを使用します。
家選びでは坪単価とともに、以下の点も確かめるようにしましょう。
- 耐震性能
耐震性能は家族の命を守るためにとても大切です。
地震に強い耐震等級3の作りをしているか、制振装置を装備しているかなどをしっかりチェックしましょう。
- 断熱性能
断熱性能が低いと、建てるときの費用は安くても住んでから冷暖房費がかかる家になってしまいます。どんな断熱材を使っているか、窓の断熱性能などをチェックしましょう。
ただし坪単価が高いハウスメーカーのなかには、家を建てる地域の気候に対してオーバースペックとも思える断熱性能の素材を使うところもあります。
断熱性能が高過ぎると夏に家のなかが暑くなり、冷房費が余計にかかる可能性があります。
2.注文住宅と企画住宅
家の間取りや外観が自由に設計できる注文住宅と、決まったパターンのなかから選ぶ企画住宅とでは坪単価が変わります。
- 注文住宅
注文住宅はお客さまの夢を実現するために、建築士やインテリアコーディネーターと納得ゆくまで打ち合わせをします。
そのためどうしても人件費がかかり、坪単価も高めになります。
- 企画住宅
一方の企画住宅は、用意されたパターンからお客さまが選んで間取りを決めます。打ち合わせの時間が少なくて済み、人件費がかからないため坪単価は安くなります。
自分たちの家づくりはどちらが合っているかよく話し合い、注文住宅か企画住宅か確かめながら坪単価を見るようにしましょう。
3.設備グレードの違い
家はキッチンや、お風呂など設備のグレードでも坪単価が変わります。ハイグレードとローコストの設備では、100万円以上原価が違うこともあります。
このため坪単価の安いハウスメーカーでは、設備がどれくらいのグレードか、機能は十分かなどをしっかり確かめると良いでしょう。
また坪単価の高いハウスメーカーが備えるハイグレードなキッチンなどは、本当に自分たちに必要か冷静に考えることも大切です。
確かに値段の高いキッチンは、おしゃれで機能も豊富なためとても魅力的です。しかしスタンダードなキッチンでも、普段の料理や洗い物をするには十分なはずです。
坪単価だけでなく設備のグレードも必ず確認し、自分たちにとって必要な設備かどうかしっかり検討するようにしましょう。
坪単価に含まれない諸費用に注意
家を建てるには、坪単価以外にも諸費用がかかります。このため坪単価だけで、予算の見通しを立ててしまうのは危険です。
諸費用は希望する家や建てる土地によって金額が大きく変わり、なかには数百万円もするものもあります。家の予算は坪単価を調べるだけでなく、早めに諸費用も把握するようにしましょう。
坪単価に含まれない諸費用としては、おもに以下のものが挙げられます。
2.水道管の引き込み費用
3.盛土整地費用
4.地盤改良工事
5.登記費用
6.土地申請費用
7.融資諸費用
8.カーテン費用
9.エアコン費用
1.オプション費用(太陽光発電や床暖房など)
オプションとは、お客さまの希望によって追加する設備などです。代表的なものに、太陽光発電や床暖房などがあります。
ただし標準装備として坪単価に含んでいるハウスメーカーもあります。希望するオプションがあれば、早めに金額を確かめるようにしましょう。
2.水道管の引き込み費用
敷地へ新たに水道管を引き込むための費用です。目の前の道路に水道管が無く、離れたところから道路を掘削して引くと数百万円かかることもあります。
また既存の水道管が古いと、引き込み直しをすることもあります。こちらも工事が必要かどうか、早めに確認することをおすすめします。
3.盛土整地費用
敷地が道路より低かったり、畑などで柔らかかったりしたときに土を入れて平らにする工事費用です。
さらにまわりに土がこぼれないように、コンクリートの壁を作れば費用がプラスになります。また道路から高い敷地では、人や車が出入りしやすいように土を削る工事が必要なこともあります。
4.地盤改良工事
地面が深くまで柔らかく家を支える力が足りないときに、基礎を補強したり家の下にセメント柱などを入れたりする費用です。
地盤調査をする会社に調べてもらい、必要かどうかを判断します。軟弱地盤のときは100万円以上の費用がかかることもあります。
5.登記費用
新しく建てた家や購入した土地の所在や面積、所有者などを司法書士などに登録してもらう費用です。
住宅ローンを使うと抵当権設定登記の費用も追加でかかります。
6.土地申請費用
土地によっては家を建てるために、農地転用や開発許可などの申請が必要なことがあります。これを測量士などに依頼すると費用がかかります。
また土地の境界を確定させたり、適切な広さに分筆※したりする場合も費用が必要です。
※1つの土地を複数に分けて登記し直すこと
7.融資諸費用
住宅ローンを使うと保証料や事務手数料などがかかり、借りる金額や年数によっては高額になることもあります。
ただし金融機関ごとの金額差が大きいため、金利と一緒に確認しながら借入先を選ぶことが大切になります。
8.カーテン費用
窓に付けるカーテンも、坪単価に含めないハウスメーカーが一般的です。これはお客さまの好みによって選ぶカーテンが異なり、費用の差も大きくなるためです。
ただし標準的なカーテンを坪単価に含み、変更する場合は差額を計上するというハウスメーカーもあります。
9.エアコン費用
エアコンも間取りによって大きさや台数が変わるため、最近では坪単価に含めないハウスメーカーが多くなっています。
ただしこちらもLDK用のエアコンは坪単価に含み、それ以外はオプションとしているところもあります。
どんな家か諸費用も合わせて検討する
坪単価はハウスメーカーが予算に合うか考えるときに、とてもわかりやすい目安になります。
しかし、坪単価は注文住宅か規格住宅か、設備グレード、断熱性能や耐震性能によって大きく変わります。
そのため坪単価だけでなく、どんな家か確かめながら選ぶことが家づくりで後悔しないためには大切です。
また家づくりでかかる費用には、坪単価には含まれない諸費用があることも注意したいポイントです。
なかには100万円以上かかる諸費用もあり、自分たちの家にはどんな諸費用がいくらかかるか早めに確かめることをおすすめします。
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(提供:タツマガ)
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