働き方改革の進展とともに、自宅で副業を行う人が増えています。リビングの一角にワークスペースを設けるのが一般的ですが、難点が多いのも事実です。これから注文住宅を建てるのなら、仕事専用のワークルームを造るプランを考えてみてはいかがでしょうか。
目次
副業を行う人が増えている
働き方改革に加え、新型コロナウィルスによる減収を補う対策として、副業を認める企業が増えています。副業をやりやすい社会環境になったといってよいでしょう。
(引用:厚生労働省 副業・兼業に係る実態把握の内容等について)
厚生労働省が2020年に行った「副業・兼業に関する労働者調査」によると、本業を持つ人のうち、副業を行っている人は全体の9.7%という結果になっています。
そのうち、正社員は5.9%、契約・嘱託社員は10.4%の人が副業を行っています。以前なら認められなかった雇用形態の社員も副業が許されるようになってきた実態がうかがえます。
これは新型コロナウィルスの感染拡大が始まった2020年の調査ですので、その後さらに比率が上がっている可能性もあります。
自宅で副業を行うメリット・デメリット
外部に出張する副業と異なり、自宅で行う副業には次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
・自分のペースで仕事ができる
まず自宅で行うので通勤に要する時間が不要です。オンライン講師などは別として、衣服や化粧に気を遣うこともないので、通勤に関するコストがかかりません。
また、パソコン系や通信販売系の仕事ならほぼ自分のペースで仕事ができます。
レッスン系の仕事は生徒の希望する時間に合わせなければなりませんが、レッスン時間の前までに予定を済ませておくなど、タイムスケジュールを上手く組み立てれば両立は可能でしょう。
デメリット
・プライベートと仕事の区別がつきにくくなる
デメリットの1つは外出がないので運動不足になることでしょう。とくにパソコン系の仕事は椅子に座っている時間が長いので運動不足になりがちです。
もう1点は、プライベートと仕事の区別がつきにくくなることです。リビングで仕事する場合は、家族の話し声やテレビの音声が気になることがあります。
また、リビングでレッスン系の副業を行う場合は、その時間家族は別の部屋に移動しなければなりません。プライベートな空間を見られることに抵抗を感じる家族もいるでしょう。
そこで、プライベートと仕事を区別するのに必要なのがワークルームです。
ワークスペースとワークルームの違い
自宅で仕事をする場合、一定のスペースや部屋が必要になります。ワークスペースとワークルームは似たような言葉ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
ワークスペースとは
ワークスペースとは、リビングなどの一角にデスクを置いて仕事用の空間を設けることをいいます。
デスクと椅子があれば手軽に設置できますが、小さな子どもがいる家庭では仕事に支障が出る可能性もあります。
ワークルームとは
一方のワークルームとは、いわゆる「仕事部屋」のことです。
洋間で内側から鍵をかけられるようにすれば、家族に邪魔されることなく仕事に専念することができます。
Webデザイナーやイラストレーターなどのクリエイティブな仕事の人にはワークルームは必須といえます。
ワークルームを造るメリット
自宅で仕事をする人にとって、ワークルームを持つことに憧れている人は多いでしょう。
賃貸住宅で単に1つの部屋をワークルームにするだけでは、仕事の内容によって十分とはいえない場合があります。注文住宅であれば自分の仕事に適したワークルームを造ることができます。
自宅で商品を販売
例えば、商品の販売であれば商品を陳列する棚を特注で造るとショールーム的な趣が出ます。
床に段ボールごと商品を保管するよりも在庫数がはっきりわかり利便性が高くなります。取引先の人が来訪したときも印象が良くなるでしょう。
注文住宅なら間取りも自由に設計できます。単純にパソコンのみでできる副業なら2畳の小部屋でも作業が可能です。
商品販売で棚の設置や発送荷造りスペースが必要な場合は、4.5~6畳程度は欲しいところです。
自宅で教室を開催
ヨガ教室などレッスン系の副業では8畳程度は必要かもしれません。設計の段階でハウスメーカーに相談すれば、どのような間取りにすることも可能です。
ワークルームに独自の設備を備える場合は、賃貸だと退去時の原状回復に費用がかかるだけでなく、家主から大幅な改変は認められない場合も考えられます。
その点注文住宅は自由度が高く、ワークルームを持つのに適しているといえます。
自宅でできるおもな副業3分野
自宅でできる副業として以下の3つの分野がよく知られています。仕事の内容や必要な設備・備品を確認しておきましょう。
2.通信販売系
3.レッスン系
1.パソコン系
最も多いと思われるのがパソコンを使った副業です。
Webライターやデイトレーダー、プログラミング、データ入力、アンケート回答など本格的な仕事から隙間時間にできるものまで、パソコン、スマホを使った多種多様な副業があります。
通信設備を充実させることで、オンライン家庭教師やオンライン英会話教室などの副業も可能になります。
また、ワークルームを備えておくと、本業でテレワークを行う際もオンライン会議で周囲の映り込みを気にせずに仕事をすることができます。
2.通信販売系
フリマアプリも含め、通信販売で商品を売っている方は多いでしょう。
最近はインターネット上で、無料で店を持てるサービスも登場していることから、以前よりも商品を売りやすくなっています。商品の販売でトラブルになりやすいのが商品の紛失や誤配送などです。
せっかくフリマアプリで商品が売れたのに、家のどこに保管したかわからなくなった、似たような商品を別の注文者に配送してしまったなどのトラブルは十分にありえます。
ワークルームに保管すれば紛失もなくなり、商品棚を設置することで注文者ごとに商品を仕分けしておくことができます。
3.レッスン系
レッスン系の仕事は、教室のジャンルによって必要な設備が異なります。ピアノやヴァイオリンなどの音楽教室やカラオケ教室の場合は防音設備があったほうが理想です。
ヨガ教室の場合は床に敷くヨガマットが必要になります。バレエ教室は壁面に手摺りを付けるほか、大きめの鏡があったほうが、生徒さんの立ち姿を確認できます。
レッスン系の場合は自宅に人が訪れるので、プライベートな空間と分けるためには玄関に入ってすぐの部屋をワークルームにするなどの工夫が必要になるでしょう。
副業が軌道に乗れば生活にゆとりを持てる
副業の目的は大きく分けると「生きがい」と「生活の安定」が挙げられます。
副業をとおして社会の役に立つという充実感が生まれ、レッスン系なら生徒の成長を見ることができるなど、日々の生活に生きがいを持つことができます。
経済面でも月に数万円程度収入が増えればその分生活にゆとりを持てます。生活費とは別にして副業で稼いだ収入で旅行に行ったり、観劇に行ったりするのもよいでしょう。
副業が本業になることも
副業で始めた事業が軌道に乗って、本業にステップアップするケースもあります。大変喜ばしいことですが、そのためにも本格的なワークルームを備えておいたほうがより大きな発展を望むことができます。
前述したように、本業の仕事でオンライン会議を行う際にも役立つので、注文住宅設計の段階で副業をやっていなくても、ワークルームを設置しておくことは無駄にならないでしょう。
注文住宅を建てるときを良い機会として、副業で生活に生きがいとゆとりを持たせるために、ワークルームの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
(提供:タツマガ)
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