4人家族の理想の間取りはどれくらい?現実と理想のギャップは?
(画像=New Africa/stock.adobe.com)

賃貸住宅やマイホームを検討するとき、「間取りをどれくらいにするとよいか」で迷う方も多いのではないでしょうか。今回は「4人家族(ご夫婦+子ども2名)の理想の間取り」を、いくつかの調査結果を参考にしながら考えます。

目次

  1. 4人家族が幸せに暮らすための間取りは3LDK〜4LDK
    1. 69%の人が3LDK〜4LDKの間取りに住んでいる
  2. 4人家族の間取りを「子ども部屋」の視点で考えてみよう
    1. 高校生になる前後のタイミングで広めの間取りが必要
  3. 4人家族の間取りを「テレワーク」の視点で考えてみよう
    1. コロナ禍前は「駅からの距離」が第1位
    2. コロナ禍では「広さ・間取り」が第1位
    3. 仕事部屋を求める人が増えている
  4. 4人家族の理想の間取りを実現するための家賃相場は?
    1. 子どもが成長すると部屋数の多い間取りが必要になる
    2. テレワークが増えたことで広さ・間取りが求められている

4人家族が幸せに暮らすための間取りは3LDK〜4LDK

JenkoAtaman/stock.adobe.com
(画像=JenkoAtaman/stock.adobe.com)

はじめに取り上げるのは、不動産情報サービスのアットホームが、2021年4月に発表した調査結果になります。

これは「夫婦+0〜19歳の子ども2名」で同居している420人を対象に行ったものです。

69%の人が3LDK〜4LDKの間取りに住んでいる

現在の住まいの間取りは?
(画像=現在の住まいの間取りは?)

Q.現在の住まいの間取りは?

1R〜2LDK 14.6%
3K 0.5%
3DK 4.3%
3LDK 32.1%
4K 0.2%
4DK 2.1%
4LDK 34.5%
5K以上 11.2%

(出典:PRTIMES プレスリリース アットホーム“4人家族が幸せに暮らすために必要な住まいの条件”調査2021

この4人家族の調査では、現在の住まいの間取りを聞いています。

調査の結果、「3LDK〜4LDKの間取りに住んでいる(4K、4DK含む)」という方が多数派(約69%)を占めています。

またこの調査では、上記の設問で「3LDK」もしくは「4LDK」の間取りに住んでいると回答した280人に、「4人家族が幸せに生活するために最低限必要だと思う間取り」も聞いています。

アットホーム“4人家族が幸せに暮らすために必要な住まいの条件”調査2021
(画像=アットホーム“4人家族が幸せに暮らすために必要な住まいの条件”調査2021)

(出典:PRTIMES プレスリリース アットホーム“4人家族が幸せに暮らすために必要な住まいの条件”調査2021

この設問に対し、「今の間取りと同じ」または「今の間取りよりも狭い(狭くてもよい)」と回答した割合は、3LDKに住んでいる方の72.6%、4LDKに住んでいる方の91.7%を占めます。

つまり、「3 LDKまたは4 LDKの間取りに住んでいる方の大半」が、「これくらいの広さがあれば幸せに生活できる=理想と現実のギャップをあまり感じていない」ということです。

ただしこの問いは、幸せに生活するための「最低限」の間取りを聞いたものである点に注意が必要です。

もし、「4人家族が幸せに暮らすのに十分な間取りは?」という問いであれば、4 LDK〜5LDKなど、ひと回り広めの間取りが必要と答えた割合が高くなった可能性もあります。

4人家族の間取りを「子ども部屋」の視点で考えてみよう

Rawpixel.com/stock.adobe.com
(画像=Rawpixe/stock.adobe.com)

さらに、4人家族にとっての理想の間取りを、2つのテーマで深掘りしていきたいと思います。

1つ目のテーマは、4人家族の間取りと子ども部屋の関係です。

先ほど見たように、4人家族で幸せに生活するための間取りの目安は3LDK〜4LDKでした。ただ理想の間取りは、「子ども部屋があるか、ないか」でも変わってきそうです。

住まいの情報サイト『ノムコム with Kids』が2015年に行った調査によると、勉強や宿題をする場所は、子どもの年齢によって変わる傾向があることがわかります。

子どもが勉強や宿題をする場所がどこかについて聞くと、以下のような結果になりました。

子どもが勉強や宿題をリビングダイニングでする割合は?
(画像=子どもが勉強や宿題をリビングダイニングでする割合は?)

Q.子どもが勉強や宿題をリビングダイニングでする割合は?

小学校低学年 76.4%
小学校高学年 63.3%
中学生 62.5%
高校生以上 27.3%

(出典:野村アーバンネット ノムコム with Kids子ども部屋についてのアンケート

小学生・中学生の間は、リビングダイニングで勉強をしている割合は6割から7割以上です。

しかし、高校生になるとリビングダイニングで勉強をしている割合が3割以下になり、子ども部屋で勉強する割合が7割以上と大きく変化します。

高校生になる前後のタイミングで広めの間取りが必要

この結果を踏まえると、同じ4人家族でも子どもが高校生になる前後のタイミングで、広めの間取りが必要になる可能性があります。

例えば、子どもが中学生以下のときは2LDKで十分でしたが、高校受験や高校入学のタイミングで3LDK以上が必要になるというようなケースです。

この場合、子ども部屋を兄弟で共有するか、兄弟別々にするかでも必要な間取りは変わってきます。

4人家族の間取りを「テレワーク」の視点で考えてみよう

Seventyfour/stock.adobe.com
(画像=Seventyfour/stock.adobe.com)

2つ目のテーマは、4人家族の間取りとテレワークの関係です。 コロナ禍によって、在宅ワークを含むテレワークが急速に広まりました。

「どれくらいの割合の会社がテレワークをしているか」は、地域・業種・企業規模などによって違います。

東京都が2021年10月に調査を行ったところによると、都内企業(従業員30人以上)の2021年10月時点のテレワーク実施率は平均 55.4%という結果です。

021年10月の都内企業のテレワーク実施状況
(画像=021年10月の都内企業のテレワーク実施状況)

(出典:東京都 産業労働局 2021年10月の都内企業のテレワーク実施状況

このコロナ禍のテレワークの普及によって、「仕事部屋を設けたいので、広い間取りが欲しい」というニーズが高まっていると考えられます。

それを示すのが、auじぶん銀行がビジネスパーソン500名に対して実施した住宅事情に関する調査です。

コロナ禍前は「駅からの距離」が第1位

コロナ禍前は「駅からの距離」が第1位
(画像=コロナ禍前は「駅からの距離」が第1位)

(出典:PRTIMESプレスリリース au自分銀行 リモートワークの影響で住宅への意識に変化!コロナ禍でアクセスより「広さ・間取り」重視の傾向に3人に1人が戸建てに転居したい。約半数が「仕事部屋」が欲しい!

この調査でコロナ禍前(現在住んでいる)の住宅選びで意識したポイントを聞くと、1位は「駅からの距離の近さ(62.2%)」でした。

コロナ禍では「広さ・間取り」が第1位

一方、コロナ禍のリモートワークを経験後、これから転居するときに意識するポイントを聞くと、1位は「広さ・間取り(52%)」に変化しています。

ちなみに、コロナ禍前に1位だった「駅からの距離の近さ(49.6%)」は2位にダウンしています。

仕事部屋を求める人が増えている

加えて、この調査では「部屋数を増やすとしたら、どういった用途の部屋が欲しいか」という設問もありますが、「仕事部屋」という回答が圧倒的1位になっています。

部屋数を増やすとしたらどんな用途の部屋?
(画像=部屋数を増やすとしたらどんな用途の部屋?)

Q.部屋数を増やすとしたらどんな用途の部屋?

仕事部屋 48.6%
趣味部屋 16.6%
クローゼット 13.6%
キッチン(広くしたい) 12.6%
寝室 11.0%

(出典:PRTIMESプレスリリース au自分銀行 リモートワークの影響で住宅への意識に変化!コロナ禍でアクセスより「広さ・間取り」重視の傾向に3人に1人が戸建てに転居したい。約半数が「仕事部屋」が欲しい!

これらの結果を踏まえると、コロナ禍のテレワーク普及は、4人家族の理想の間取りにも影響を与えていると考えられます。

例えば、コロナ禍前に2LDKで十分だった家族も、コロナ禍後はテレワークに対応するため、3LDK以上が欲しいと思うようなパターンです。

具体的に、どれくらいの間取りが欲しいかは、夫婦のどちらかがテレワークをするのか、夫婦の両方がテレワークをするかでも変わってくるでしょう。

合わせて、テレワークをする頻度も大きく関わってきそうです。

例えば、コロナ禍前は2LDKの間取りで十分でしたが、コロナ禍後は夫婦の両方がテレワーク主体のワークスタイルになったので、4LDK(これまでの2LDK+仕事部屋2室)の間取りにした、というようなパターンです。

4人家族の理想の間取りを実現するための家賃相場は?

goodluz/stock.adobe.com
(画像=goodluz/stock.adobe.com)

この記事では、4人家族の理想の間取りについて、いくつかの調査結果をもとに考えてきました。そのポイントを振り返ってみましょう。

「4人家族が幸せに生活するために必要」と多くの人が考える間取りの目安は、3LDK〜4LDK程度でした。

ただし、これは「最低限必要」な間取りですので、「十分」な間取りとなると、ひとまわり広めの間取りになる可能性があります。

子どもが成長すると部屋数の多い間取りが必要になる

また、4人家族の理想の間取りは、子どもの成長度合いでも影響があります。とくに子どもが高校生になるタイミングでは、部屋数の多い間取りが必要になりやすいです。

理由は高校生になると、勉強や宿題を子ども部屋でするようになる割合が高まるからです。

テレワークが増えたことで広さ・間取りが求められている

さらに、コロナ禍のテレワークの普及も、間取りに影響を与える可能性があります。コロナ禍の住宅選びにおいては、「広さ・間取り」を重視する傾向が強まっています。

その背景には、テレワーク(在宅で仕事を行う)機会が増えたことで、部屋数を増やして仕事部屋を作りたいというニーズの高まりがあります。

最後に、4人家族の理想の間取り(3LDK〜4LDK程度)を賃貸住宅で借りた場合、どれくらいの家賃が必要かをチェックしたいと思います。

もちろん、家賃相場はエリアによって大きく変わります。

ここでは都心にもアクセスがスムーズで、郊外の魅力も楽しめる武蔵野市・三鷹市・立川市を想定してみます。3市の「3LDK〜4DK」「4LDK以上」の家賃相場は次の通りです。

エリア 3LDK〜4DK 4LDK以上
武蔵野市 21.21万円 24.41万円
三鷹市 15.53万円 23.72万円
立川市 11.55万円 17.52万円

(出典:アットホーム 東京都の家賃相場 2021年2月21日現在

上記の例でもわかるように、郊外エリアでも広めの間取りだと、それなりにまとまった家賃がかかります。

現在、賃貸住宅にお住まいの方はこのことを意識しながら、引っ越し先の間取りを決めたり、住宅購入を検討したりするのがよいでしょう。

(提供:タツマガ

【あなたにオススメ】
新築と中古はどちらがお得?メリットやデメリットについて徹底解説
注文住宅で失敗しないために。後悔しない家づくり(間取り)のポイント
注文住宅の購入予算はどうやって決める?費用の内訳は?
戸建てがほしいと思ったら!分譲住宅と注⽂住宅の違いとは
注文住宅の内装はどう決める?自然とまとまるポイント4つ