太陽光発電投資とは、郊外などに太陽光発電設備を設置し、電力会社に売電することで利益を得る投資方法だ。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を活用することで、高い利回りを長期間にわたって実現できることが大きな特徴であり、うまくいけば一般的な不動産投資よりも投資妙味があると言える。

しかし、太陽光発電投資にはデメリットも存在する。投資判断を下すときはメリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要であり、デメリットのなかには事前の対策でリスクを軽減できるものもある。そこで本稿では、太陽光発電投資の基礎知識を解説したうえで、そのメリットとデメリットを解説する。

目次

  1. 1. 太陽光発電投資とは
  2. 2. 太陽光発電投資のメリット10選
  3. 3. 太陽光発電投資のデメリット10選
  4. まとめ:太陽光発電投資は、メリットとデメリットの両方を理解して投資判断を下そう

1. 太陽光発電投資とは

主要国の一次エネルギー自給率比較(2018年)
(画像=PIXTA)

太陽光発電投資とは、太陽光発電設備を設置し、そこから生み出した電気を電力会社に売却(売電)して利益を得る投資方法だ。

一般的に太陽光発電投資というと、住宅の屋根ではなく、発電に適した郊外や地方の土地に太陽光発電設備を設置する、いわゆる「野立て物件」での投資を指すことが多い。本稿においても、とりわけ注訳がない限り、野立て物件のケースを指して太陽光発電投資と呼ぶことにする。

1.1. 太陽光発電投資を支える「固定価格買取制度(FIT)」とは

太陽発電投資を語るうえで欠かせないのが「固定価格買取制度(以降、FIT)」だ。FITとは、固定価格での買い取りを示す「Feed in tariff」(フィード・イン・タリフ)の略で、太陽光発電など再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社が買い取ることを、国が約束する制度だ。細かい決まりはあるものの、10kW未満の少額のケースを除き、20年間にわたって国が定めた一定の価格で売電することができる。

発電した電気は、原則として全量が買い取り対象だ。ただし、住宅の屋根に載せるような10kW未満の太陽光発電や、ビル・工場の屋根に載せるような10~50kWの太陽光発電については、買い取り対象はその住宅・ビルで消費したあとの余剰分となる。

【参考】資源エネルギー庁「固定価格買取制度 制度の概要」

FITの買い取り価格(調達価格)や買い取り期間(調達期間)は、原則として電源ごとに毎年改定される。中立的な組織である調達価格等算定委員会の意見を尊重し、経済産業大臣が決定している。

では、太陽光発電の買い取り価格(1kWhあたり)を見てみよう。なお、一般的な野立て物件は、50kW以上250kW未満の場合が多い。

▽FIT・太陽光発電の買い取り価格と買い取り期間(2021〜2022年度)

 250kW以上50kW以上250kWh未満10kW以上50kW未満10kW未満
2021年度
買い取り価格
入札制度により決定11円(税別)12円(税別)19円(税込)
2022年度
買い取り価格
入札制度により決定10円(税別、50kW以上入札対象未満)11円(税別)17円(税込)
買い取り期間20年間20年間20年間10年間

1.2. 太陽光発電の買い取り価格の推移

FITの開始以降、太陽光発電の買い取り価格は原則として毎年下がっている。参考に、FITが始まった2012年度の価格表を見てみよう。

▽FIT・太陽光発電の買い取り価格と買い取り期間(2012年度)

 10kW以上10kW未満10kW未満(ダブル発電)
買い取り価格40円(税別)42円(税込)34円(税込)
買い取り期間20年間10年間10年間

当時と2021年度で区分方法が異なるが、一般的な野立て物件で多い50kW以上250kW未満について買い取り価格を比較すると、2012年度は40円+税であったのに対し、2021年度は11円だ。買い取り価格は約10年で4分の1に下がっている。なお、買い取り期間は20年間のまま変更はない。

このように買い取り価格は下がっているが、太陽光発電投資の利回りは買い取り価格に連動しているわけではない。利回りについては、2.1. で解説する。

1.3. 太陽光発電の買い取り財源

電力会社が電気を買い取る財源についても説明しておこう。買い取りに要する費用は、電力会社がすべて負担しているわけではなく、財源の一部には電気の使用者から広く集められる「再エネ賦課金」が使われている。

再生可能エネルギーで発電された電気は、日々使う電気の一部として供給されているため、再エネ賦課金は、毎月の電気料金と合わせて徴収されている。再生可能エネルギーの発電コストはまだまだ高いケースが多いため、電気の使用者から広く集めることによって、コストの回収を見通しやすくすることが目的だ。

2. 太陽光発電投資のメリット10選

ここからは、太陽光発電投資のメリットについて解説していこう。今回は、10のメリットを紹介していく。

2.1. 太陽光発電投資のメリット1:平均10%前後の利回りを期待できる

まず、太陽光発電投資は、高い利回りを見込めることがメリットだ。具体的には、10%前後の利回りを期待できることが多い。

FITは2012年に始まったが、基本的に、制度開始以降どのタイミングで購入しても利回りに大きな差はない。1年目の2012年に投資しても、10年目の2021年に投資しても、運用利回りは概ね10%前後ということだ。

しかし、前述のとおりFITの買い取り価格が約10年で4分の1程度まで大幅に下がっているのに、なぜ運用利回りは10%前後のままなのだろうか。それは、この10年間で発電コストも下がったためだ。

太陽光発電の発電効率は、技術の進歩によって上がり続けている。また、太陽光発電投資の市場の広がりによって、設備自体の価格は下がり続けている。

運用利回りは、原則として「利益÷投資金額×100」で計算されるため、分子にあたる利益が下がり続けていても、分母にあたる投資金額も同じくらいのスピードで下がり続ければ、運用利回りはそこまで大きく変わらないというわけだ。

低金利が続く2022年現在において、10%前後の利回りが期待できる投資商品はそう多くない。高い利回りが期待できることは、太陽光発電投資の大きなメリットだ。

2.2. 太陽光発電投資のメリット2.:高利回りを長期間にわたって享受できる

前述のように、太陽光発電は平均10%前後の利回りが期待できるが、このような高利回りを長期間にわたって享受できることも大きなメリットだ。

FITにおいて、一般的な野立て物件(50kW以上250kW未満の太陽光発電)の電力は、向こう20年間の買い取りが約束されている。国の制度であるため、極めて高い確率で履行されるだろう。

一般的な不動産投資において、利回り10%前後の物件はそう多くないうえ、10%という数字はあくまで「満室想定の表面利回り」であることが多い。2022年現在、足元の不動産市況を鑑みると、利回り10%の物件は所在地が地方であったり、築古であったりする場合が多く、向こう20年間満室で経営できる確率はかなり低いと言える。

利回り10%前後を20年も維持することは、一般的な不動産投資では難しい。しかし、太陽光発電投資であれば、それが高い確率で可能なのだ。

繰り返すが、昨今の低金利時代において、10%前後の高利回りで、しかも20年間にわたって高い確率で享受できる点は、太陽光発電投資の大きなメリットと言える。

2.3. 太陽光発電投資のメリット3:管理にあまり手間がかからない

高い利回りを長期間享受できる投資であっても、維持管理に手間を要し本業を圧迫するようでは投資妙味が薄れてしまう。その点、太陽光発電投資は管理にあまり手間がかからない点もメリットだ。

不動産投資には、入退去の事務手続き、隣人トラブルへの対応、空室後の家賃設定の見直し、リフォームの検討や実施といった手間が発生するのに対し、太陽光発電は入居者管理や空室対策のような課題はなく、経営的な観点で頭を悩ます要素が少ない。定期的なメンテナンスは必要だが、専門の業者に委託することができる。

2.4. 太陽光発電投資のメリット4:レバレッジをかけやすい

一般論ではあるものの、太陽光発電投資は、比較的融資を受けやすいと言われている。詳細は金融機関の融資基準によるので一概には言えないが、不動産投資よりもローンのハードルが低く、フルローンが出やすいという声は多い。

融資が受けやすいということは、レバレッジをかけやすく、少ない自己資金でも投資効率を高めることができるということだ。また、自己資金が豊富でなくても投資を開始できる。

なお、融資を受けて太陽光発電投資を始めるときは、ノンバンクのひとつである信販会社を活用することが多い。ノンバンクとは、銀行と違って預金の受け入れを行わず、融資に特化した金融機関のことだ。一般的に銀行よりも借り入れ金利が高く、融資スピードが早いと言われている。

2.5. 太陽光発電投資のメリット5:減価償却を活用して節税できる

太陽光発電投資は、節税につながることもメリットだ。なぜなら太陽光発電設備は減価償却が発生するからだ。

減価償却とは、固定資産の購入に要した費用を耐用年数に応じて分割し、分割した金額を1年ずつ経費計上する仕組みのことだ。減価償却費の分、所得が抑えられて課税額も少なくなり、法定耐用年数に応じた期間、その節税効果を享受できる。

減価償却を活用した節税は他の投資でも行われているが、太陽光発電投資の場合は地価が安い土地(地方や郊外など)で行われる場合が多く、取得価格のうちのおおよそが発電用の設備分が取得価格となるため、大部分を償却できるケースが多い。そのため、同程度の価格の収益物件(一般的な不動産投資)と比べて減価償却額が大きくなりやすい。

また、太陽光発電設備の法定耐用年数は17年と長いため、長期間にわたる節税対策となる。

こういった理由から、太陽光発電投資は高所得者や高所得法人を中心に、節税しながら安定的に利益を得ることができる運用方法として注目されている。

なお、資産運用全般において減価償却を上手にコントロールしてタックスマネジメントする方法に関しては、下記特集も参照されたい。

【参考】ZUU online特集:減価償却ハック

2.6. 太陽光発電投資のメリット6:消費税還付を受けることができる

太陽光発電発電は、条件を満たせば、消費税還付があることもメリットだ。消費税還付とは、投資家(太陽光発電の事業者)の「受け取った消費税−支払った消費税」がマイナスになった場合に、マイナス分が還付される仕組みだ。

太陽光発電投資を行う投資家は、設備に投資するときに消費税を支払っている。そして、その設備を使って発電し電力会社に売電すると、売上として売電額に消費税がプラスされた金額を得る。

多くの場合、「電力会社から受け取った1年分の消費税」よりも「設備投資で支払った消費税」のほうが大きいため、その差額が還付されるというわけだ。詳細の条件はあるものの、消費税還付が成立すれば、キャッシュフローが大きく改善する。

2.7. 太陽光発電投資のメリット7:エネルギー自給率向上や脱炭素化に貢献できる

太陽光発電投資は、投資活動を通じて日本のエネルギー自給率向上や脱炭素化に貢献できることもメリットだと言える。

資源エネルギー庁によると、日本の一次エネルギー自給率(2018年)は11.8%で、主要国で34位と決して高くない。国内にエネルギー資源が乏しいことが大きな要因だ。一方、太陽光は日本が輸入に頼らず活用できる資源であり、政府は太陽光などの再生可能エネルギーの主力電源化を目指している。太陽光発電投資は再生可能エネルギーの普及に直結するアクションだ。

▽主要国の一次エネルギー自給率比較(2018年)

主要国の一次エネルギー自給率比較(2018年)
(出典)IEA「 World Energy Balances 2019」の2018年推計値、日本のみ資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」の2018年度確報値。※表内の順位はOECD35カ国中の順位

画像引用:資源エネルギー庁「2020―日本が抱えているエネルギー問題(前編)」

また、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指している。脱炭素社会の実現に向けて、消費者という立場では省エネやエコバッグ持参など「守り」のアクションが中心になるが、投資家であればより積極的な関与が可能になる。

2.8. 太陽光発電投資のメリット8:遊休地の有効活用で地域社会に貢献できる

太陽光発電投資の広がりは、社会で活用されていなかった資源にスポットライトを当てている。

前述のとおり、太陽光発電投資では地方や郊外などの土地が利用されるケースが多い。少子高齢化が進む日本において、地方や郊外には遊休地が増え続けることが予想される。そのような土地を野立て物件に転用することで、活用されていなかった資源の活性化につながる。

経済活動を通じてこういった社会貢献ができることも、太陽光発電投資のメリットと言えよう。

2.9. 太陽光発電投資のメリット9:太陽光パネル下の空間を有効活用できる

太陽光発電設備は基本的に斜めに設置するため、太陽光パネルの下にちょっとした空間ができる。メンテナンス業者と連携を取る必要はあるが、その空間を他の用途に活用できる可能性がある。

パネル下の有効活用で注目を集めているのが、営農型太陽光発電だ。農地に支柱を立ててパネルを高い場所に設置し、その下で野菜を作るなどの取り組みがなされている。

【参考】農林水産省「営農型太陽光発電について」

2.10. 太陽光発電投資のメリット10:中小企業向けの税制優遇制度で節税できる

法人として太陽光発電を行う場合は、国が中小企業向けに設けた税制優遇制度を活用すると、節税できる場合がある。具体的には、中小企業経営強化税制や中小企業投資促進税制などだ。

どちらも、全量を売電する投資目的の太陽光発電には適用不可だが、発電量の半分以上は自分で消費するなどの条件を満たせば、適用になる可能性がある。

【参考】中小企業庁「経営サポート『経営強化法による支援』」
【参考】中小企業庁「中小企業投資促進税制」

このような優遇制度は都度改定されていくので、自分に合う優遇制度がないか、情報感度を高めておくといいだろう。

3. 太陽光発電投資のデメリット10選

ここからは、太陽光発電投資のデメリットについて解説していこう。今回は投資視点で注意したい10のデメリットを紹介していく。

3.1. 太陽光発電投資のデメリット1:天候の影響で収益に差が出る

太陽光発電投資には不動産投資のような空室リスクはないものの、天候によって収益が変動するという特性がある。曇りや雨の日が多く、期待どおりの発電ができない年もあるだろう。

また、太陽光発電の発電量は気温の影響も受ける。太陽光パネルに使われる素材の一部にシリコンがあるが、シリコンは高温になると性能が低下するため、気温が上がりすぎると発電効率が下がるのだ。

自然が相手となるとコントロールがきかないことはある程度仕方ないが、天候や気温が発電にもたらす影響を理解したうえで、どのような土地や設備を選択すべきかよく検討し、どれくらいの発電量が見込めるのかを事前にシミュレーションしておきたい。

3.2. 太陽光発電投資のデメリット2:発電設備の破損・盗難リスクがある

太陽光発電投資は、実物資産(発電設備)を保有する運用方法なので、天災や人災による破損のリスクがある。

たとえば、台風の強い風の影響で飛来物が太陽光パネルを毀損したり、架台が倒壊してしまったりする事例が考えられる。これらは風の強さだけに起因するものではなく、保守点検の不備が被害を引き起こすケースもある。このほか、海抜が低い土地に設備を置いている場合は、豪雨による浸水被害のおそれもある。

自然災害に備えるためには、現地にどんな災害リスクがあるのかを把握しておくこと、そして適切な施工で設置し、定期的な保守点検を怠らないことが重要だ。

このほか、パネル、電線、金属などの盗難リスクもゼロとはいえない。太陽光発電投資では、自宅から遠く離れた場所に物件を購入することが多いため、これらの事象が発生してもすぐに気がつかない可能性も高い。リスクに備えるには、防犯カメラの設置などセキュリティ対策を検討したい。

3.3. 太陽光発電投資のデメリット3:定期的なメンテナンスが必要

太陽光発電投資は、発電量を維持するために定期的なメンテナンスを要する。太陽光パネルを屋外に設置している以上、土埃、鳥のふん、落ち葉などで汚れることは避けられない。

軽い汚れは雨が降れば洗い流されるが、汚れの種類によっては、長期間にわたり放置しておくと発電量低下や発火の一因となることもある。また、雑草が伸びて太陽光パネルに影を作ってしまうことも、発電量低下につながる。

パネルのクリーニングや、除草剤の散布や草刈りといった雑草対策を行ったりして、効率的に発電できる状態をキープしておきたい。

3.4. 太陽光発電投資のデメリット4:出口戦略が不透明

太陽光発電投資は、FITの期間が終わる20年後の出口戦略が不透明である点もデメリットだ。

FITの期間が無事に終了したとして、20年後に残るのは、地方や郊外の土地と、20年前の旧式の太陽光発電設備だ。その時点で、電気を購入してくれる事業者はいるのか、いくらで売電できるのかなどは、現時点では不透明だ。

売電先がない場合は設備を撤去することになる可能性が高く、撤去費が必要になる。また、借地案件の場合も、地主との間で延長合意ができない限り設備を撤去しなければならない。

出口戦略を見通せないことは、投資上の大きなリスクと言える。太陽光発電投資を始めたら、先行する投資家の動向や関連制度などを注視しながら、出口戦略を検討しておこう。

3.5. 太陽光発電投資のデメリット5:キャピタルゲインを期待しにくい

前述の出口戦略とも関連するが、太陽光発電投資はキャピタルゲイン(値上がり益)を期待しにくい。

投資で得られる利益には、キャピタルゲインとインカムゲイン(資産の保有中に継続的に得られる利益)の2種類がある。太陽光発電におけるキャピタルゲインは、物件の値上がり益だ。

太陽光発電投資で購入するのは地方や郊外の土地であり、将来的に物件が値上がりする可能性は高くないだろう。20年固定のインカムゲイン(売電収入)を得ることを一番の目的とする投資であることを理解しておきたい。

3.6. 太陽光発電投資のデメリット6:発電設備の流動性が低い

太陽光発電は、普及に伴って発電設備のセカンダリーマーケット(中古市場)ができつつある。しかし用途が発電に限定されているため、一般的な不動産よりも資産の流動性が低いことがデメリットだ。売りたい時に希望する価格で売れない可能性があることには、留意しておきたい。

セカンダリーマーケットで高く評価されるためのポイントとしては、売電実績が良好であること、設備や土地の状態がいいこと、セキュリティシステムを設置していることなどが挙げられる。売りたい時に売れることを重視する人は、物件選びや運用時の参考にしたい。

3.7. 太陽光発電投資のデメリット7:インフレリスクがある

FITによって向こう20年間の売電価格が固定されるということは、インフレリスクに注意が必要だ。20年が経過する間にインフレが進んだとしても、売電価格は物価に連動して上昇するわけではない。つまり、実質的な売電価格は下がっていくことになるのだ。

ただし、物件をローンで購入した場合は、インフレに伴って残債の価値が実質的に目減りするため、多少はインフレリスクをヘッジできているといえるだろう。

3.8. 太陽光発電投資のデメリット8:土地や太陽光パネルの相場感がわかりにくい

太陽光発電投資は、多くの人にとって相場感がわかりにくいものだろう。多くの場合、土地勘のない郊外や地方の土地に物件を設置することになるし、もともと太陽光パネルについて専門知識を有している投資家も少ないからだ。通常の不動産に比べて物件数が少ないこともあり、相場感を身につけにくい。

このデメリットは、本質的には太陽光発電投資に限ったものではないが、相場と大きく乖離した値段の物件を掴まされるリスクには注意したい。土地や設備を選ぶときは、複数の選択肢を検討しながら相場の把握に努めたい。

3.9. 太陽光発電投資のデメリット9:信用毀損につながることがある

「融資を受けて太陽光発電投資を始めると、信用毀損につながることがある」という指摘がある。

信用毀損とは、個人の与信と保有する物件の担保価値よりも、個人の借入金のほうが大きくなり、金融機関から債務超過状態であると判断されることだ。追加融資を受けることが難しくなるため、特に不動産投資を行いたい投資家にとっては避けたい事態だ。

太陽光発電投資で信用毀損が指摘される背景には、ノンバンクを活用すること、土地自体には高い担保価値がない場合が多いこと、FITが終わる20年後の出口戦略が不透明であることなどがある。

詳細は金融機関の融資基準によるので一概には言えないが、ローンで物件を買い進めたい人は注意したいリスクだ。

3.10. 太陽光発電投資のデメリット10:出力制御で買い取りに影響が出る可能性がある

電力は貯蔵することができないため、電力会社は常に需給バランスを保とうとしている。このため、供給が需要を上回りそうなときは、電力会社が供給を抑える「出力制御」が行われる。まず火力発電などの出力が抑制され、それでも電力が余る場合に再生可能エネルギーの出力制御が行われる。

資源エネルギー庁は太陽光発電について「出力の大きさに関係なく、原則すべての設備が出力制御の対象」としている。太陽光発電の出力制御が行われた場合、想定していた量の売電ができない可能性がある。

【参考】資源エネルギー庁「よくある質問 再生可能エネルギーの固定価格買取制度 出力制御」

2022年3月現在、出力抑制の実績があるのは九州電力のみだが、自身の物件を管轄する電力会社は出力制御が行われた場合にどのような対応がとられるのかは事前に確認しておきたい。

まとめ:太陽光発電投資は、メリットとデメリットの両方を理解して投資判断を下そう

太陽光発電投資とは、郊外や地方などの土地に発電設備を設置して買電で利益を得る投資方法だ。電力会社が向こう20年間にわたり固定価格で電力を買い取ってくれる固定価格買取制度(FIT)を活用する。

太陽光発電投資の一番のメリットは、比較的高い利回りを長期間享受できることだ。利回りは平均10%前後を期待できることが多く、低金利時代においては同等の利回りが期待できる投資商品自体がそう多くない。高利回りを20年間にわたってかなり高い確率で享受できる点は、太陽光発電投資の大きなメリットと言える。

このほか、レバレッジをかけられること、場合によっては節税につながることなどもメリットだ。

一方、FITの期間が終了したあとの出口戦略が不透明であることや、買い取り価格が固定であるためにインフレリスクがあることなどは太陽光発電投資のデメリットと言える。メリットとデメリットの両方を理解したうえで、投資判断を下していこう。

著者:菅野陽平