この記事は2022年3月30日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=JamesThew/stock.adobe.com)

2022年3月30日(水)の午後12時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は荒い値動きが続いている。

一昨日(2022年3月28日)、日銀が連続指値オペ(3月29日~同月31日)を発表したことを受け、日米金利差拡大観測への思惑が更に補強される形で円安が一段加速。一時、125円台まで上昇するなど6年7カ月ぶりの円安水準となった。

しかし、急ピッチで上昇した反動もあって昨日3月29日(火)は122円まで急落、この数日間で約3円の往って来いとなるなど、ボラティリティが上昇している。

また、昨日3月29日(火)は「ロシアとウクライナの停戦交渉で進展があった」との報道を受けて、ユーロ買いが加速したほか、有事のドル買い圧力が後退しており、動きが活発だ。

停戦に向けて楽観論が進んでくると、地政学リスクで動きがあった資源国通貨、欧州通貨の巻き戻しを意識したい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

日銀指値オペで日本の長期金利が0%程度で据え置かれるなか、米国は次回FOMCでの50ベーシスポイント(1bp=0.01%)の利上げが市場コンセンサスとして固まりつつあり、日米の金利差を背景とした米ドル/円買いの地合いは継続とみている。調整的な下落があるならば、押し目買いのスタンスで臨みたい。

また、ウクライナ情勢は停戦交渉で進展がみられたことで資源高を背景に上昇していた豪ドルやカナダドルは、これまでのような強気一辺倒というわけにはいかないだろう。情勢は二転三転するだろうが、ユーロ/豪ドルは打診買いを検討する。

また、この数日間は市場全体のボラティリティが1.5~2倍程度上昇しており、トレードスタイルが崩れてしまうのであれば、ポジションを縮小したリスク管理が必要となるだろう。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。