トイレの平均的な広さは?快適な広さを考えるときの5つのポイント
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新居で生活しはじめて「トイレが狭い!」と気付くケースもよくあります。ここでは、トイレで後悔しないための知識として、平均的な広さや、ベストな広さを考えるときのポイントをご紹介します。さらに後半は、狭いトイレを広く感じるための方法にも触れていきます。

目次

  1. トイレの平均的な広さはどれくらい?
  2. ベストな「トイレの広さ」を考えるための5つのポイント
    1. 1.モノをどれくらい置きたいか?
    2. 2.将来、介護が必要になる可能性があるか?
    3. 3.幼児がいるか?子どもをつくる予定があるか?
    4. 4.トイレの回数や滞在時間はどれくらいか?
    5. 5.カラダが大きなご家族はいないか?
  3. 狭いトイレを広く感じさせるための3つの方法
    1. 1.タンクレスの便器を選ぶ
    2. 2.収納アイテムを活用する
    3. 3.明るい色を効果的に使う
  4. トイレは毎日使う場所。住宅選びのときにしっかり考えるべき

トイレの平均的な広さはどれくらい?

トイレの平均的な広さは?快適な広さを考えるときの5つのポイント
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はじめに、トイレの平均的な広さを確認してみましょう。住まいのタイプやバリアフリーに対応しているかなどによって、平均的な広さは次のように変わってきます。

タイプ 平均的な広さ
分譲マンション 幅80×奥行き120㎝
戸建住宅(1階) 幅80〜90×奥行き160〜180㎝
戸建住宅(2階) 幅80×奥行き120㎝
狭小戸建住宅 幅80×奥行き120㎝
バリアフリー 介助なし:幅120×奥行き160cm程度介助あり:幅180×奥行き180cm 程度

(参照:LIXIL SQUARE トイレの最適な広さはどのくらい?寸法を決める際のポイント

ただ、上記のタイプ別サイズ表を見ても、実感がわきにくいかもしれません。例えば、畳1枚(江戸間)のサイズは幅88×176㎝です。

この畳1枚と比べると、戸建住宅の平均的なトイレの広さは、同じくらい、あるいは、ひとまわり狭いイメージです。

上記のタイプ別サイズ表で一番狭いのは、分譲マンションの幅80×奥行き120cmです。戸建住宅(1階)の幅80×奥行き160cmと比べると奥行きで40cm違います。

奥行きが40㎝違うと、次のような差が出てきます。

・収納ラックなどを置きやすい
・手洗い場を設けやすい
・ゆったりとした気分で過ごしやすい

また、バリアフリー(介助あり)の場合、とくにトイレの広さが必要になる理由は、スペースに余裕がないと車椅子のまま入れなかったり、介護をする人が動きにくかったりするからです。

ベストな「トイレの広さ」を考えるための5つのポイント

トイレの平均的な広さは?快適な広さを考えるときの5つのポイント
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平均的な広さのトイレが、必ずしも正しい選択とは限りません。まったく同じ広さのトイレでも、「きゅうくつだ」と感じる人もいれば「快適だ」と感じる人もいます。

次の5つのポイントを参考にしながら、ご自身やご家族にとってのベストなトイレの広さを考えましょう。

1.モノをどれくらい置きたいか?
2.将来、介護が必要になる可能性があるか?
3.幼児がいるか?子どもをつくる予定があるか?
4.トイレの回数や滞在時間はどれくらいか?
5.カラダが大きなご家族はいないか?

1.モノをどれくらい置きたいか?

トイレに置くモノが多いほど、広さが必要になります。置きたいモノが多いのであれば、80×160㎝(戸建住宅・1階の平均)以上の広さは欲しいところです。

モノの一例としては、トイレットペーパーのストック、洗剤、掃除用具などです。また、ご家庭によっては、インテリアや簡易的なヒーターを置きたいこともあるでしょう。

2.将来、介護が必要になる可能性があるか?

現在、介護が必要な高齢者や障害者の人がいるご家庭はもちろん、近い将来、介護が必要になる可能性があるご家庭でも、トイレの広さを意識して住宅を考えるのが賢明です。

なぜなら、介護が必要になったとき、すぐにトイレを広くすることは難しいからです。具体的には、注文住宅であればトイレを広めに設計する、建売住宅であればトイレが広めの物件を買うなどがよいでしょう。

賃貸住宅は狭いトイレの物件が多いですが、マイホームを転用した戸建賃貸など、トイレが広めの物件と出会うこともあります。

3.幼児がいるか?子どもをつくる予定があるか?

高齢者と同様、子どもが小さい時期はトイレの際に介助が必要になります。

狭いトイレで親が子どもを便器に座らせたり、おしりを拭いたりするのは意外に大変なことです。合わせて、踏み台を置いたり、補助用の便座を掛けたりするスペースも必要になります。

こういった事情を考えると、現在幼児がいる、あるいは、今後子どもをつくる予定のあるご家庭は、トイレが広めの住宅を建てたり選んだりするのが無難です。

4.トイレの回数や滞在時間はどれくらいか?

トイレで過ごす時間は意外に長いものです。トイレが使われる回数が多い、あるいは、トイレで過ごす時間が長い人(ご家族)は住宅選びの際、トイレの優先順位を上げたほうがよいかもしれません。

ちなみに少し古いデータになりますが、2014年に森永乳業の全国の1万1,000人以上を対象にした調査では、1人当たりの平均的な排便回数は1週間あたり5.4回、1回の所要時間は 5分41秒となっています。 (参考:全国 47都道府県11,656名「腸内劣化」実態調査)

これに基づくと、排便だけで見ても、トイレで過ごす時間は1週間の合計が30分以上になります。

5.カラダが大きなご家族はいないか?

一般男性と比べて体重のある人、身長が高い人は、トイレが一般的な広さでも「狭い」と感じやすいようです。

体重のある人はトイレの横幅に加えて、便器前のスペースに余裕が必要です。余裕がないと、腰掛けづらくなってしまうからです。

狭いトイレを広く感じさせるための3つの方法

トイレの平均的な広さは?快適な広さを考えるときの5つのポイント
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さまざまなご事情から、「トイレを広くしたいけれど、現実的に難しい……」ということもあるでしょう。

工夫することで、狭いトイレを開放的に感じさせたり、スペースを効率的に使ったりすることもできます。

1.タンクレスの便器を選ぶ
2.収納アイテムを活用する
3.明るい色を効果的に使う

1.タンクレスの便器を選ぶ

これは注文住宅を建てたり、リフォームをしたりする人向けのトイレを広くするための方法です。

まったく同じ広さのトイレでも、タンク付きの便器を選ぶか、タンクレスの便器を選ぶかで空間の余裕が変わってきます。両者を比べると、次のような差になります。

タイプ 一般的な寸法
タンク付き 幅45×奥行き80㎝
タンクレス 幅40×奥行き70㎝

(参照:LIXIL SQUARE トイレの最適な広さはどのくらい?寸法を決める際のポイント

タンクレスにすることで、奥行きを10cm程度、幅を5cm程度カットして余裕を生み出せます。

なお、タンクレスのトイレはコンパクトなだけでなく、デザインが洗練されている、シンプル設計なので掃除がしやすいなどの利点もあります。

2.収納アイテムを活用する

最近では、トイレで手軽に収納スペースをつくれるアイテムが多数販売されています。これらをフル活用して掃除道具や備品をしまうことで、トイレをすっきり見せることも可能です。

トイレで収納スペースをつくるアイテムの代表は、突っ張り棒です。他にも、次のお役立ちアイテムがあります。

・便器脇に置けるトイレラック(スリムタイプ、ハイタイプなど)
・トイレの壁上部に設置できる吊り戸棚
・トイレの壁に設置できる収納棚

上記のうち、吊り戸棚や収納棚を設置する際は、壁にネジ穴を開けなければなりません。賃貸住宅に住んでいる人が設置する場合、壁に開けたネジ穴の退去時の修繕費は「入居者負担」が原則です。

3.明るい色を効果的に使う

壁や床材などに明るい色を取り入れると、空間を広く見せる効果があるといわれます。

例えば、現在は落ち着いた色のトイレの壁を白や明るいナチュラル色に変えるだけでも、広く感じられる可能性があります。

トイレは毎日使う場所。住宅選びのときにしっかり考えるべき

トイレの平均的な広さは?快適な広さを考えるときの5つのポイント
(画像=navintar/stock.adobe.com)

この記事で解説してきたことを振り返ってみましょう。まず、トイレの平均的な広さは、住宅のタイプやバリアフリーに対応しているかなどによって変わってきます。

例えば、一般的な戸建住宅(1階)のトイレの広さは、畳1枚と同じくらい、あるいは、ひとまわり狭いイメージです。

ただ、トイレの平均的な広さは、あくまでも目安でしかありません。

「モノをどれくらい置きたいか?」「トイレの回数や滞在時間はどれくらいか?」などのポイントを意識しながら、ご家族やご自身が快適と感じるトイレの広さを考えていくことが大切です。

また、トイレを広くするのは難しいというお宅では、次の3つの方法で同じ広さのトイレでも広く感じさせることが可能です。

1.タンクレスの便器を選ぶ
2.収納アイテムを活用する
3.明るい色を効果的に使う

住宅を選んだり建てたりするときには、キッチンやリビング・ダイニングなどに意識がいきがちです。しかし、トイレも毎日何度も使う大切な場所。広さや仕様をしっかりと考えましょう。

(提供:タツマガ

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