人気の壁材エコカラットとは?メリット・デメリットを徹底比較
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新築やリフォームの際、高機能な壁材「エコカラット」を業者から勧められることがあります。また、エコカラットをメディアや口コミで知り、使ってみようかなと迷っている人もいるでしょう。

いったいエコラットとは何なのでしょうか?ここでは、そうした初心者に向けに、この壁材の人気の理由・メリット・デメリットを解説します。

※エコカラットは株式会社株式会社LIXILの登録商標です。本稿では「エコカラット」のモデルチェンジ商品「エコカラットプラス」をエコカラットと表記しています。

目次

  1. エコカラットとは?一般的な壁紙と何が違う?
  2. エコカラットは20年以上のロングセラー。支持される理由は?
    1. 1.「健康と壁材」のニーズにいち早く目をつけた
    2. 2.大手メーカーLIXILの商品である
    3. 3.時代に合わせて常に進化し続ける
  3. エコカラットを施工したときのメリット
    1. 1.心地よい湿度に調整してくれる
    2. 2.有害物質を低減してくれる
    3. 3.不快な生活臭を低減してくれる
  4. エコカラットを施工したときのデメリット
    1. 1.通常の壁紙より割高
    2. 2.衝撃で割れることがある
    3. 3.ある程度の施工面積が必要
  5. エコカラットの寿命の目安はどれくらい?

エコカラットとは?一般的な壁紙と何が違う?

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※画像はイメージです。

エコカラットとは「調湿機能」と「有害物質やニオイを低減する効果」のある内装用の壁材になります。高温(焼成)でつくられた株式会社LIXILのセラミック商品です。

エコカラットには、表面にナノサイズの孔(あな)が無数にあり、室内の空気を自然の力で吸って吐いています。この呼吸で調湿や有害物質・ニオイの低減を行うのが特徴です。

「エコカラット=壁紙」と勘違いされることもありますが、あくまでも焼き物の技術を応用した“壁材”です。

そのため、いくつかの施工方法(商品タイプ)があります。

・壁全面に使う
・壁の一面だけに使う
・壁の一部に使う

エコカラットが使われている箇所は多岐に渡ります。浴室以外なら、どこでも施工できるといってよいでしょう。

・リビングダイニング
・玄関
・トイレ
・寝室
・洗面所 など

エコカラットは20年以上のロングセラー。支持される理由は?

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※画像はイメージです。

エコカラットが誕生したのは1999年です。20年以上に渡るロングセラー商品として、ハウスメーカー、工務店、一般消費者などに支持され続けています。

その理由としては、次の3つが挙げられます。

1.「健康と壁材」のニーズにいち早く目をつけた
2.大手メーカーLIXILの商品である
3.時代に合わせて常に進化し続ける

1.「健康と壁材」のニーズにいち早く目をつけた

エコカラットが誕生した1999年頃は、日本国内でシックハウス症候群の健康被害が話題になっていました。

シックハウス症候群とは建材などから放出される化学物質によって、目がチカチカする、頭痛がする、鼻水が出るなどの症状が出ることです。

シックハウスが社会問題になるなか、開発・販売されたエコカラットは、幼児のいるご家庭や有害物質を気にする人などを中心に支持を集めたのです。現在では幅広い層に受け入れられています。

2.大手メーカーLIXILの商品である

エコカラットを開発・販売しているのは、水まわりの製品や建材などのメーカーLIXILです。

同社は日本全国だけでなく世界150ヵ国以上の販売網を持ち、売上収益は1兆3,783億円(LIXIL 統合報告書 2021)という大手企業です。

LIXILのハウスメーカーや工務店への営業力、一般消費者へのPR力があったからこそ、エコカラットがここまで広く浸透したといえます。

3.時代に合わせて常に進化し続ける

エコカラットが発売されてから現在まで、他のメーカーからもエコカラットと類似する壁紙・クロス・壁材が発売されています。

それにもかかわらず、多くの人にエコカラットが選ばれ続けている理由は、20年以上の間、機能面とデザイン面の両方で進化し続けてきたからです。

【機能面の進化の一例】

2002年 調湿性能を2倍にアップ。ホルムアルデヒドの吸着機能向上※その後もその都度、調湿性能やニオイ吸着性能をアップ
2012年 掃除のしやすいエコカラットプラス発売
2019年 全シリーズをエコカラットプラスに統合

【デザイン面の進化の一例】

2002年 タイルの美しさを再現した「プレシャスモザイク カッセ」発売
2010年 濃色×ボーダーの高意匠タイプを発売
2017年 石や木の素材感を再現するラインナップを発売

エコカラットが進化し続けている背景には、LIXILの潤沢な開発予算があると考えられます。

直近の企業情報をまとめた『LIXIL 統合報告書 2021』 によると、同社の研究開発費は240億円にも及びます。

加えて、高い調湿効果もエコカラットの人気の理由です。それについては次項で詳しく解説します。

エコカラットを施工したときのメリット

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※画像はイメージです。

次に、エコカラットを新築やリフォームなどで使ったときのメリットを整理してみましょう。

1.心地よい湿度に調整してくれる
2.有害物質を低減してくれる
3.不快な生活臭を低減してくれる

1.心地よい湿度に調整してくれる

株式会社LIXIL 機能紹介
(画像=株式会社LIXIL 機能紹介)

(引用:株式会社LIXIL 機能紹介

室内の湿気を調湿してくれる壁材には、エコカラット以外に、珪藻土、調湿壁紙などもあります。

エコカラットは、これらと比べても格段に高い調湿性能を発揮します。LIXILによるとその調湿性能は、珪藻土の約6倍、調湿壁紙の約25倍とのことです。

この調湿効果の高さによって、エコカラットの施工で次のようなことが期待できます。

・リビングダイニングで一年を通して快適に過ごせる
・水まわりや湿気の多い空間でカビの繁殖を抑制
・窓の結露の抑制
・洗面所や脱衣所のジメジメを抑制
・部屋干しをしても室内を快適にキープ

(参考:株式会社LIXIL 機能紹介

2.有害物質を低減してくれる

株式会社LIXIL 機能紹介
(画像=株式会社LIXIL 機能紹介)

(引用:株式会社LIXIL 機能紹介

珪藻土や調湿壁紙と比較すると、エコカラットの有害物質の低減効果の高さがより浮き彫りになります。

LIXILがシックハウスの原因物質ホルムアルデヒドの低減効果(5時間経過前後)を計測したところ、「調湿壁紙はわずかに低減」「珪藻土は80%前後の残存率」という結果でした。

これに対してエコカラットの残像率は10%以下まで低減しています。

もう一つのシックハウスの原因物質であるトルエンの低減効果の計測でも、「珪藻土と調湿壁紙はわずかに低減」なのに対し、「エコカラットは40%前後まで低減」しています。

3.不快な生活臭を低減してくれる

株式会社LIXIL 機能紹介
(画像=株式会社LIXIL 機能紹介)

(引用:株式会社LIXIL 機能紹介

部屋のなかに漂っている不快なニオイも、エコカラットは低減してくれます。生活で発生する不快なニオイの代表は、トイレ臭、生ごみの腐敗臭、タバコ臭、ペット臭などです。

エコカラットによる低減効果(5時間経過前後)を計測したところ、トイレ臭と生ごみの腐敗臭は検出できないレベルまで減りました。

残りのタバコ臭とペット臭でも、大幅な低減効果を示しています。

エコカラットを施工したときのデメリット

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一方、ネット上には「エコカラットを採用して後悔した」というような声も少ないですが見られます。

おもなデメリットとしては、次の3つが考えられます。

1.通常の壁紙より割高
2.衝撃で割れることがある
3.ある程度の施工面積が必要

1.通常の壁紙より割高

エコカラットは、一般的な壁紙に比べてコストが割高です。

例えば、施工費を除いたエコカラットの1平方メートルあたりの価格は6,900円〜1万3,900円程度です(エコカラットプラスの定価)。

仮に、壁紙の1平方メートルあたりの価格を1,000円前後と考えると約7〜14倍も割高です。

ただ、エコカラットは調湿などの効果がある機能製品であることを考えると、「エコカラットと壁紙は同列に扱えない」という考え方もできます。

2.衝撃で割れることがある

エコカラットは、壁紙ではなく、あくまでも高温(焼成)でつくったセラミック商品です。

そのため、外部から衝撃を加えると割れたり、欠けたりする可能性があります。ただし、日常的な使い方をしていれば、破損することは希といわれています。

3.ある程度の施工面積が必要

空間の広さに対して、エコカラットの施工面積がある程度ないと十分な調湿効果を得られないというデメリットもあります。

LIXILでは、調湿機能を発揮する目安として、施工する部屋の「床面積の1/4以上の面積」の施工を推奨しています。

使用場所(想定する広さ) 施工面積の目安
リビング(12畳) 4〜6㎡
寝室(8畳) 3〜4㎡
子ども部屋(6畳) 2〜3㎡
洗面所(2畳) 1〜2㎡
トイレ(1畳) 1㎡

(引用:株式会社LIXIL公式サイト

エコカラットの寿命の目安はどれくらい?

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※画像はイメージです。

壁紙・クロスの寿命の目安は5年〜15年程度といわれます。一方、エコカラットはセラミック商品なので、「数十年〜半永久的に近い」使用期間が期待されます。

このあたりも含めて、エコカラットを採用するか否かを判断するのがよいでしょう。

(提供:タツマガ

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