家づくりを考えるうえで欠かせないのが、どの程度の広さの家を建てるかという面積の問題です。しかし、家や土地の面積を表す単位には「坪」「平米」「畳」「ヘクタール」などいろいろあり、それぞれどのような不動産に使われるかを知る必要があります。本稿では面積を表す単位の種類や、計算方法など面積に関する基礎知識を紹介します。
目次
坪という単位が今も使われている理由とは
お屋敷の規模を表すときに「敷地面積1,000坪の豪邸」といういい方をしますが、「敷地面積3,300平米の豪邸」といういい方はほとんど聞いたことがありません。
日本の計量法では「坪を取引や証明で使用することが禁止」されており、不動産広告では平方メートル(㎡)という単位で物件の広さを表記することになっています。
それにもかかわらず坪という単位が今も不動産業界で使われているのは、長い歴史によって親しまれているのが原因の1つと思われます。
平方メートルが国際単位系であるのに対し、坪は日本独自の単位です。その歴史は奈良時代にまで遡り、養老律令により土地区画が定められていたことが起源といわれています。
その名残で、国際単位系の平方メートルが使用されている現在でも坪が一部で使われているのでしょう。
不動産の基礎情報になる坪単価と専有面積
このような経緯を経て現在も不動産情報では「〇坪」と「〇平米(㎡)」の両方の表記を見かけます。不動産の種類によって「坪単価」や「専有面積」などという言葉で使用されます。
「坪単価」は一戸建てで使われる
坪単価はおもに一戸建てで使われ、建物の床面積1坪あたりどれくらいの販売価格で売られているかを計算する指標になります。
「専有面積」はマンションに使われる
一方の専有面積は、マンションの広告に「専有面積75㎡」というような表記がされていますので、見かけることも多いでしょう。
専有面積はマンションなどの区分所有物件の場合に使用される、所有面積のことをいいます。一戸建ての場合は一軒すべて自分で所有するため、専有面積という概念はありません。
1坪は何平米にあたるのか
坪単価の基になる1坪とは何平米にあたるのでしょうか。何平米の平米とは平方メートル(㎡)のことで、1平米は1辺が1メートルの正方形になります。
それでは1坪は何平米かということですが、1坪は3.31㎡にあたります。100坪ならば以下のようになります。
坪数×3.31
【100坪の場合】
100×3.31=331㎡
逆に専有面積を坪数に換算する場合、専有面積を1坪(3.31㎡)で割ることで算出することができます。
75㎡のマンション居室を坪に換算すると75÷3.31=約22.7坪になります。これらの換算方法を知っておくと、不動産情報を見るときに便利です。
専有面積÷3.31㎡
【75㎡の場合】
75÷3.31=約22.7坪
坪とは、メートル法が導入される前に使われていた尺間法による面積の単位をいいます。
前述した明治時代の度量衡法で1坪400/121㎡(3.30578512397㎡)と定義されていますが、細かすぎるので不動産業界では3.31坪(または3.3坪)として計算されるのが一般的です。
広さを表す単位の種類
次に、広さを表す単位の種類を確認しておきましょう。坪や平米と並んで多く見かけるのが「〇畳」という表記です。「〇帖」と表記される場合もあります。
1坪は畳約2枚分
100坪という数字だけでは広さをイメージできない場合もあるでしょう。1坪は畳約2枚分にあたりますので、100坪の土地は畳を200枚敷いた大きさになります。
住宅の物件概要では畳数や平方メートルの表記が多いですが、オフィスや店舗の賃料を表示する場合は坪単価を使うのが一般的です。
畳数・平方メートル・坪数の換算表
家づくりに関係の深い3つの単位は下表のように換算できます。
不動産公正取引協議会連合会が定めた「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」によると、1畳は1.62㎡以上と規定されおり、下表はその規定を基に計算しています。
畳数 | 平方メートル | 坪数 |
2畳 | 3.24㎡ | 約1坪 |
4.5畳 | 7.29㎡ | 約2坪 |
6畳 | 9.72㎡ | 約3坪 |
8畳 | 12.96㎡ | 約4坪 |
10畳 | 16.2㎡ | 約5坪 |
12畳 | 19.44㎡ | 約6坪 |
16畳 | 25.92㎡ | 約8坪 |
18畳 | 29.16㎡ | 約9坪 |
20畳 | 32.4㎡ | 約10坪 |
関東と関西では畳の大きさが異なる
1畳は1.62㎡以上と規定されていますが、地域によって畳の大きさが異なる場合があります。
例えば、関西地方で使われている京間(本間)は1.82㎡ですが、関東地方で使われている江戸間は1.54㎡と規定より小さくなっています。
また、よくいわれるように全国の集合住宅で使われている団地間は1.44㎡とかなり狭くなります。
土地に関する広さの単位
家づくりには直接関連しませんが、広い土地や農地に関する単位には以下のようなものがあります。
1辺が10mの正方形の面積です。1aは10m×10mで100㎡にあたります。
・ha(ヘクタール)
1辺が100mの正方形の面積です。haは1aの1辺をさらに10倍するため、100m×100mで1haは10,000㎡にあたります。
・畝(せ)
1畝は30坪にあたります。30坪は約99㎡ですので、1aに近い広さになります。
・反(たん)
1反は10畝にあたります。10畝は約990㎡ですので、10aに近い広さになります。
工場用地や農地を購入したい場合は関係してきますが、住宅用の不動産購入ではあまり気にする必要はない単位といえます。
知っておきたい面積に関する計算方法
では、面積に関する計算方法を確認しておきましょう。
平米の計算式
短辺(m)× 長辺(m)= 平方メートル(㎡)
【計算例】
短辺6m、長辺12mの場合
短辺6m×長辺12m=72㎡
坪数を平米に換算する計算式
坪数÷0.3025 ※1㎡=1㎡×3.30578(1坪)=0.3025
【計算例】
50坪を平米に換算する場合
50坪÷0.3025=約165㎡
平米単価の計算式
対象物の価格÷総面積(㎡)=平米単価
【計算例】
専有面積75㎡、価格3,000万円のマンションの場合
3,000万円÷75㎡=40万円
坪単価の計算式
建物の本体価格÷延床面積=坪単価
【計算例】
建物本体価格3,000万円、延床面積45坪の一戸建ての場合
3,000万円÷45坪=約66.7万円
建築面積の計算式
土地の面積×建ぺい率=建築面積
【計算例】
土地面積100㎡、建ぺい率50%の場合
100㎡×50%=50㎡
家族の人数に合わせた適切な面積のマイホームを目指そう
マイホームのプランを考える場合、家族の人数に合わせた適切な専有面積にする必要があります。住宅は家族構成によって必要な部屋数や延べ床面積が異なります。
例えば、夫婦と子ども2人の標準世帯の場合、子ども2人がすでに成人していれば結婚などで独立していくため、いずれ夫婦2人の生活になります。あまり広い家を建てても活用を持て余すことになります。
反対に子どもがまだ未就学児であれば先が長く、また3人目の子どもが生まれる可能性もあるでしょう。この場合は少し広めの家を建てておけばゆとりを持った子育てができます。
このように家族のライフプランに合わせてマイホームの計画を立てることが望ましいといえます。
居室以外では、書斎やシアタールームなどオプション的な部屋を多く造りたい場合は、広めの延べ床面積が必要になります。
注文住宅なら自由度の高い設計が可能
注文住宅であれば、どのようなプランでも可能なので、設計士と相談しながら最終的な部屋数や延べ床面積を決めるとよいでしょう。
これから注文住宅を建てる場合は、家族の人数に合わせた適切な面積のマイホーム建築を目指しましょう。
※本記事は家づくりに役立つ面積の基礎知識を紹介するものです。1坪を平方メートルに換算する際の四捨五入の仕方が不動産サイトによって異なりますので、参考程度にお考えください。
(提供:タツマガ)
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