映画はかつて娯楽の王様と呼ばれ、多くの人が映画館に詰めかけたものでした。現在では家庭にスクリーンを設置して、映画を楽しむ人が増えています。今回、自宅で映画館のような臨場感と迫力が楽しめるシアタールームについて解説いたします。注文住宅だからこそ、クオリティの高いシアタールームを作ることができます。
目次
お家時間の充実にぴったりのシアタールーム
一般社団法人 日本映画制作者連盟によると、映画館入場者数は1958年(昭和33年)の年間11億2,700万人をピークに減り続け、2021年には1億1,481万人と最盛期の10分の1に落ち込んでいます。
映画館数も1960(昭和35)年の7,457スクリーンから2021年には、3,648スクリーンと半分の規模まで縮小しています。
多様化する映画の鑑賞方法
映画館の数は減りましたが映画の鑑賞方法は多様化し、スマホ、パソコンなどを通して観ている人は多いので、映画自体の人気は今も高いと考えられます。
映画会社も劇場での興行収入だけでなく、DVDなどのパッケージ化やオンラインの動画配信サービスのコンテンツ提供などで稼いでおり、収益を得る方法も多様化しています。
自宅で過ごす人が増えている
特に2020年以降は新型コロナウィルスによる外出自粛によりお家時間が増え、DVDや動画配信サービスなどを通じて自宅で映画を観る人は増えていると思われます。
そこで自宅で本格的な映画鑑賞をしたい人におすすめなのがシアタールームの設置です。
シアタールームがあるメリット
シアタールームは別名「ホームシアター」とも呼ばれ、設置したスクリーンにDVDプレイヤーなどの再生機器を接続したプロジェクターから映画を投影して上映する部屋のことをいいます。
小さな映画館のような雰囲気で映画や動画を楽しめることから、注文住宅で、または改築する機会に設置する家庭があります。スクリーンを設置するほか、大画面テレビで代用することも可能です。
シアタールームを造るとどのようなメリットがあるのでしょうか。おもに次のようなメリットが考えられます。
2.娯楽費用を削減できる
3.時間を効率的に使える
4.多彩な用途に活用できる
1.好きな作品を上映できる
映画館で上映する作品を自分で選ぶことはできませんが、シアタールームなら昔懐かしい作品から、近年の話題作まで好きな作品を上映することができます。
DVDやブルーレイを購入するほか、今は動画配信サービスを利用して観たい作品をピンポイントで探せるので便利です。
2.娯楽費用を削減できる
映画館に家族で出かけると映画料金だけでなく、食事代や交通費などけっこうな費用がかかります。
どうしても今観たい話題作のみ映画館で鑑賞し、そのほかの作品はDVD化等を待って自宅で鑑賞することで娯楽費用を削減できます。
3.時間を効率的に使える
映画館に行くには映画の上映時間に合わせ交通機関の時間を調べたり、場合によっては食事の予約を取ったり、きっちりタイムスケジュールを組む必要があります。
その点シアタールームは移動時間がなく、上映時間も自由に決められます。食事や家事を済ませたあと落ち着いて鑑賞できるのがメリットです。
4.多彩な用途に活用できる
シアタールームはカラオケルームやオーディオルームなどとして使うこともできますので、映画に限らずいろいろな家族の時間に活用できます。無駄なスペースになる心配がないことも安心できる要因です。
シアタールームに必要な設備
それでは映画館のようなシアタールームにするには、どのような環境にすればいいのでしょうか。
おもに次のような設備が必要です。
2.プロジェクター(投影機器)
3.スピーカー
4.メディアプレイヤー(再生機器)
5.座席(任意)
各機器は性能もサイズもさまざまなので、シアタールームの面積に適したサイズの機器を選びましょう。
1.スクリーン
映画館のような迫力ある画面で鑑賞するためには、100インチ以上のスクリーンが望ましいといえます。
部屋の広さにもよりますので、最適かつ迫力ある画面のサイズを選ぶようにしましょう。ロール状になったスクリーンを天井に収納し、電動や主導で下ろす仕組みにすれば場所をとりません。
2.プロジェクター(投影機器)
映画館の映写機に相当するのがプロジェクターです。希望する画質にもよりますが、ハイビジョンを楽しみたいなら解像度が1024×768または1,400×1,050のタイプを選ぶとよいでしょう。
最近では4K対応の機器も発売されています。メディアプレイヤーと接続するための接続ケーブルも必要です。
3.スピーカー
迫力ある音響で臨場感を楽しめるのが映画館の魅力ですが、シアタールームでも設備を整えれば同じような環境にすることは可能です。
5つ以上のスピーカーを配置するサラウンドシステムや、低音域専用のサブウーファーを追加した5.1chサラウンドにすることで迫力ある音響を実現できます。
4.メディアプレーヤー(再生機器)
映画ソフトを再生するためのDVDプレーヤーやブルーレイディスクプレーヤーなどが必要です。
ブルーレイディスクプレーヤーはDVDも再生できますので、今から購入するならブルーレイディスクプレーヤーにしたほうが効率的です。
また、動画配信サービスを利用して映画を観る場合は、インターネットに接続したパソコンやタブレットなどが必要です。
5.座席(任意)
映画は床に座って観ることもできますが、とことん映画館の雰囲気に近づけるなら座席を用意すると本格的なシアタールームになります。
ドリンクホルダー付きの椅子なら映画館のように飲み物を飲みながら鑑賞することができて便利です。
以上の設備が整っていれば映画を見ることは可能です。
大画面テレビを利用する場合はスクリーン、プロジェクター、スピーカーは不要ですが、テレビ台に設置する場合は映画館で見ているような雰囲気を味わうのは難しいでしょう。
もしテレビを利用するなら壁掛け式の大型テレビを選ぶほうが映画館の雰囲気に近くなります。
忘れてはならない防音・照明・採光
シアタールームを設置する場合、忘れてはならないのが防音対策です。
夜間の音響は意外と響くものです。マンションはもちろんのこと、一戸建てであっても隣家が近ければ音が伝わるリスクはあります。
シアタールームをどの位置に設置するかにもよるので、周辺環境を考慮しながらハウスメーカーと相談しながら決めるとよいでしょう。
バランスの調整ができる照明器具にする
もう1点注意したいのが照明と採光の問題です。リビングルームのような明るさで映画を観たのでは没入感が半減してしまいます。
反対に真っ暗であれば不便も起こるでしょう。ちょうどよいバランスに調整できる照明器具にすることが必要です。
1級遮光カーテンで光をさえぎる
また、窓の光が漏れるのを防ぐには1級遮光カーテンを取り付けるなどの方法があります。最高クラスの遮光カーテンなら、生地からほとんど光は感じられないといわれます。
シアタールームの設置で家族の時間を増やそう
シアタールームはどちらかというと贅沢な空間といえるでしょう。しかし、それを補って余りある価値があります。
家族1人1人の趣味が多様化した現在、1つの娯楽を家族で楽しむことが少なくなりました。シアタールームで映画会を行うことで、充実した家族の時間を持つことができます。
上映終了後はリビングルームで映画の感想などを語り合えばより充実した家族の時間を過ごせるでしょう。
家族でカラオケを楽しむこともできる!
おまけにカラオケもできるので、カラオケルームに行くことができない社会環境にあるときでも家族で歌うことができます。
シアタールームの設備費用はかかりますが、先に紹介したように娯楽費用をある程度削減できるので、長い目でみればいずれ費用は回収できる可能性があります。
同じ空間で映画を観ながら、ともに笑いともに泣く映画館はこれからも必要とされる場所です。その映画館を自宅に持つことは、映画ファンの1つの夢といえるでしょう。
シアタールームはその夢を叶える部屋となります。わが家が映画館になる、これぞ注文住宅で家を建てる醍醐味ではないでしょうか。
(提供:タツマガ)
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