大切な家を守るシロアリ予防工事の主な工法と費用の目安
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家は長く住むものであり、多くの人にとっては人生最大の金額を払って手に入れた大切な資産です。一方で、大切な家にとって怖い存在なのが「シロアリ」です。シロアリの被害に遭ってしまうと多額の修繕費が発生してしまい、対応が遅れると建て替えを余儀なくされるなど重大なダメージを受けてしまうこともあります。

そこで当記事では大切な家を守るためのシロアリ予防策と予防に必要な費用、またシロアリを見つけてしまった場合の有効な対策について解説します。

目次

  1. シロアリは木造住宅の大敵
  2. シロアリを見つけても殺虫剤をかけるのはNG
  3. シロアリ被害を予防する主な工法
  4. シロアリ予防工事の費用はこうして決まる
  5. 被害が深刻な場合は建て替え、リフォームの検討を
  6. 大切な家を守る対策は早めに行うのが賢明

シロアリは木造住宅の大敵

大切な家を守るシロアリ予防工事の主な工法と費用の目安
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まずは、木造住宅の大敵であるシロアリについて基本的な知識を解説しておきましょう。シロアリは名称に「アリ」と入っているためアリの一種だと思われている部分がありますが、実は生物分類的にはアリの仲間ではなくゴキブリの仲間です。

シロアリには多くの種類がありますが、木造住宅に被害を及ぼすのは以下の2種類です。

  • ヤマトシロアリ
  • イエシロアリ

この2種類がなぜ木造住宅の大敵なのは、これらのシロアリの生態が深く関わっています。

これらのシロアリには営巣といって巣をつくる生態があります。餌場の近くに巣を作り、そこを活動拠点とします。自然界では朽木や枯れ木などを餌場にするため、シロアリは自然界では枯れた木を自然に還す大切な役割を担う生き物です。しかし木造住宅の構造部分に使用されている木材もシロアリにとっては餌場になり得るため、家の床下に巣を作られてしまうと家を自然に還そうとしてしまうわけです。

シロアリを見つけても殺虫剤をかけるのはNG

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自分の家にシロアリが住み着いてしまうと、人間の目に触れる場所に出てくることがあります。家にとってシロアリが恐ろしい存在だと認識している人は多いのですが、殺虫剤をかけるなどの方法で駆除することは避けるべきです。なぜなら、シロアリに殺虫剤をかけると木材の奥に逃げ込んでしまう可能性があるため、完全な除去が難しくなるからです。

建物の中でシロアリを見つけたら、できるだけ早急にシロアリ駆除の専門業者に相談することをおすすめします。逆に建物の外でシロアリを見つけた場合は、建物に適切な予防策が講じられていればそれほど大きな問題ではありません。シロアリは自然界にごく当たり前に存在している生き物なので、庭などにいたとしても不思議ではないからです。

建物に有効なシロアリ対策をしていない状態で見つけた場合は建物への影響が懸念されるため、上記と同様に早急に専門業者に相談するようにしましょう。

シロアリ被害を予防する主な工法

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シロアリ被害を予防するには、主に3つの工法があります。

・バリア工法
・ベイト工法
・テクノガード工法(特定の業者が提供している工法なので参考程度)

それぞれ解説していきましょう。

・バリア工法
家の床下に入り、そこにいるシロアリを直接駆除する方法です。目視で作業をするため確実性が高く、なおかつ費用も安いので最もポピュラーな方法です。

・ベイト工法
ベイト工法の「ベイト」とは、シロアリに対する毒餌のことです。毒餌にシロアリを誘い出し、駆除します。巣の中にいるシロアリも死滅させられる方法なので、確実性はより高くなります。また、薬剤を散布しないため家庭菜園をしていたり小さな子どもがいたりする家庭であっても採用しやすい方法です。

・テクノガード工法(特定の業者が提供している工法なので参考程度)
テクノガード工法は、バリア工法の発展型です。散布する薬剤に樹脂が含まれており、時間が経過するとその樹脂が土の上で固まり、湿気を防ぐことで予防効果を発揮します。特定の業者が提供している工法のためあまり一般的ではありませんが、有効性・予防性の高い工法といえます。

シロアリ予防工事の費用はこうして決まる

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シロアリ予防工事の費用は、建物1階部分の床面積で決まります。床面積1平方メートルあたり〇〇円といった具合に単価と床面積をかけて費用を算出します。そして単価はどの工法を選択するかによって決まります。

どの工法であってもシロアリ予防工事は床下に対して行うため、1階の床面積が広いほど作業範囲が広くなるため、その分費用も大きくなるわけです。これが基本料金となり、そのほかには状況によって出張費や駐車料金などが加算されます。

それでは実際にバリア工法とベイト工法で、専門業者に依頼した場合の費用の一例を紹介しましょう。

・バリア工法
ハウスクリーニング大手の「ダスキン」では、バリア工法による費用は1平方メートルあたり2,475円です。

50平方メートル未満の場合の標準料金は、一律で12万3,750円です。それ以上の広さの場合は単価に床面積をかけて算出するので、たとえば60平方メートルだと、14万8,500円です。

・ベイト工法
ベイト工法については先ほどのダスキンとシロアリ予防工事大手の「サニマイト・トーメー」の料金一例を紹介しましょう。

ダスキンでは、建物外周1メートルあたりの標準料金は4,092円です。たとえば建物外周が30メートルだと12万2,760円です。ベイト工法の場合は定期的なメンテナンスが必要になるため、ダスキンでは2ヵ月以降の月額が3,960円です。月額3,960円が12ヵ月分と計算すると、年間のメンテナンス費用が4万7,520円です。

次は、サニマイト・トーメーの費用一例です。同社でも建物の外周距離が何メートルあるかによって費用を算出する料金体系となっており、目安としてたとえば15坪の家だと初期費用が16〜18万円、メンテナンス費用が年間3万円となっています。

被害が深刻な場合は建て替え、リフォームの検討を

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ここまではシロアリ被害を予防するための方法や費用感について解説してきました。そうではなく、すでにシロアリ被害がかなり深刻になっている場合はどうすればよいのでしょうか。

まずは専門業者に診断をしてもらうことが先決ですが、建物の基礎部分や構造部分にまでシロアリが食い込んでいる場合は、補修だけでは対応できない可能性があります。

これらの部分は建物の強度に関わるため、シロアリが食い込んでいると人間でいう骨粗しょう症のような状態になってしまうため、ちょっとした力が加わっただけで重要な構造部分が折れてしまう恐れがあります。家の構造部分が折れてしまうと何が起きるかは、言うまでもないでしょう。

日本は自然災害が多く、特に地震と台風の被害が発生しやすい国です。シロアリによって建物の強度が損なわれている状態で地震や台風によるダメージを受けてしまうと、さらに重大な損害につながる可能性があるため、抜本的な対策が必要です。

最も確実なのは建て替えです。すでに家が古くなっているのであれば建て替えをして、その時にシロアリ対策もしっかり行うことが理想的です。費用的にそれが難しいのであれば、全面リフォームを考えましょう。

大切な家を守る対策は早めに行うのが賢明

シロアリ予防工事の主な工法や費用感についても解説をしてきました。バリア工法とベイト工法について具体的な費用の一例を紹介しましたので、シロアリ予防工事の費用に関するイメージをつかんでいただけたでしょう。

これを高いと感じるか安いと感じるかは主観によるところですが、万が一重大なシロアリ被害を受けてしまうと桁違いの補修費用や建て替え費用が発生することもあります。そうなってしまうと金銭的なダメージも甚大なので、シロアリ被害は予防することが何よりも重要です。ぜひ当記事の情報を踏まえて、早め早めの対策をおすすめします。

(提供:タツマガ

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