2022年5月20日、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は3月下旬の週から8週間連続の下落を記録した。ダウ平均が8週連続で下げたのは、世界恐慌の最中にあった1932年以来、実に90年ぶりのことだ。FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ対策として、利上げなどの金融引き締め政策を積極的に進めたことが株価下落の主因とみられている。

米国株,見通し
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気がかりなのは、ウォール街の市場関係者の間で「インフレで企業収益が悪化する」との懸念が広がっていることだ。すでにその傾向は米小売り大手の減益決算という形で表面化している。たとえば、5月17日にはウォルマート、18日にはターゲットがそれぞれ2022年2~4月期決算を発表したのだが、いずれも大幅な減益決算となり、株価の下落を招いた。5月17 日付のウォール・ストリート・ジャーナルは「米企業の『業績リセッション』に警戒を」とのタイトルで記事を掲載したが、少なくともインフレが落ち着くまでは業績リセッションが米国株を圧迫する可能性が高いといえそうだ。