この記事は2022年6月2日に「月刊暗号資産」で公開された「LINE証券、STOサービス提供開始 国内初の個人向け公募引受型デジタル債を販売へ」を一部編集し、転載したものです。


インターネット消費,スマホ決済
(画像=PIXTA)

LINE証券は5月31日、「STO(Security Token Offering:セキュリティトークン・オファリング)サービス」の提供を開始したと発表した。

第1弾として、野村證券およびスパークス・グループと協業し、国内初となる個人向け公募引受型デジタル債を販売する。

STOはブロックチェーンを活用し、デジタル証券(ST)を発行して資金調達を行う手段。投資家はこれまで、小口化が困難とされていた社債や不動産などに対して投資を行うことが可能となる。

今後は未上場株、不動産を始め、ワイン、ウイスキー、クラシックカーなどの実物資産、メタバース上の土地やNFT(非代替性トークン)など、LINE証券ならではの商品を販売していく予定としている。

LINE証券はLINEアプリ上でサービスを利用できるため、新たにアプリをダウンロードする手間もない。口座開設を済ませば、STへ申し込みおよび投資を行うことができ、利払いや償還を受けることが可能だ。

また、ST化することで、社債や不動産など従来ならまとまった資金が必要だった商品に対しても少額から投資ができるようになる。

LINEは、「ブロックチェーン技術の仕組みとコミュニケーションアプリ『LINE』を掛け合わせることで、投資家と企業の新しいつながりを作ることができます」と述べた。

LINEのSTOサービスでは、LINEを通じて企業からの情報を受け取ることができるほか、今後LINE公式アカウントで企業と投資家のコミュニケーションの仕組みを構築することも検討している。

第1弾のデジタル債は「スパークス・グループ株式会社第1回無担保セキュリティトークン社債」。愛称は「スパークス華咲く(8739)未来ST債」だ。

スパークス・グループは投資顧問、資産運用を業務として1989年に設立され、東証プライム市場に上場している。運用するファンドはリッパー・ファンド・アワードにて最優秀運用会社を3年連続で受賞している。

発表によると、デジタル債の発行は本年6月23日で、償還予定日は2023年6月23日を予定。発行額は10億円で利率は2.5%。引受主権は野村證券で、販売会社はLINE証券となる。集めた資金は未来創生ファンドや宇宙ファンドなど、ECG要素を含むサステナビリティに資するスパークス・グループ会社が運用するファンドへの投資などに充当される予定だ。

2019年8月にサービスを開始したLINE証券は、20代~30代の若年層が利用者の大半を占めている。同社はSTOサービスを通じ、同年層に新たな投資機会を提供することを目的としている。(提供:月刊暗号資産