リフォームローンを選ぶには金利も大切ですが、種類によっても返済額や支払い中のリスクが変わります。しかし初めてリフォームローンを使う方にとって、どんな種類があるかはわかりにくいものだと思います。
今回はリフォームローンの金利相場や種類、さらに住宅ローンとの違いなどをわかりやすく解説します。読んでいただくと、最適なリフォームローンが選べるようになるはずです。
目次
リフォームローンの金利相場
記事後半に紹介する主要な金融機関の、リフォームローンの金利相場をまとめると以下の表のようになります。
金融機関 | 金利 | 返済額 (100万円借入 10年返済の場合) |
三菱UFJ銀行 | 1.99% | 9,196円 |
5行の平均 | 3.47% | 9,874円 |
みずほ銀行 | 4.95% | 10,582円 |
もっとも金利の低い三菱UFJ銀行と高いみずほ銀行では、返済額におよそ1,400円の差があります。この違いだけを見ると低い金利の方を選んでしまいそうですが、実はこの2つには次に解説するリフォームローンの種類の違いがあります。
リフォームローンの種類
同じリフォームローンでもいくつかの種類があり、その違いをしっかり理解したうえで選ばないと返済が苦しくなってしまう可能性があります。
固定金利型と変動金利型
リフォームローンは、借入期間中の金利の取り扱いによって次の2種類に分かれます。
- 固定金利型:申込のときに金利が固定され借入期間中の返済額が変わらない
- 変動金利型:借入期間中に金利が見直され返済額が変動する
固定金利型は、返済期間中に返済額が変わらない安心感があります。ただし一般的に固定金利型の方が金利が高く設定され、返済額も高めになります。
一方の変動金利型は、返済中に市場金利が上がれば返済額は増え、金利が下がれば返済額も減ります。しかし固定金利型より金利が低いことが多く、返済額が抑えられるメリットがあります。
金利相場のところでお伝えした、もっとも金利の低い三菱UFJ銀行は変動金利型、金利の高いみずほ銀行は固定金利型です。三菱UFJ銀行のリフォームローンは「返済額が変動するリスクがあるものの金利は低い」と言うことができます。
金利種類の選び方
どちらの金利の種類を選ぶかは、将来の可能性の話になるので難しい面があります。しかしあえて言うなら返済にある程度の余裕があり、金利が上がって返済額が増えても支払いができるなら、変動金利型を選んでも良いでしょう。反対に支払いにゆとりがあまりなく、借入期間中に返済額が増えるのを避けたいなら固定型がおすすめになります。
無担保型と有担保型
リフォームローンには、リフォームする建物などを返済の担保にする「有担保型」と、担保を必要としない「無担保型」があります。この2つには主に次のような違いがあります。
有担保型 | 無担保型 | |
借入上限額 | 1億円程度 | 1,000万円程度 |
最長借入期間 | 10~15年 | 35年 |
金利 | 低め | 高め |
一般的なリフォームローンでは、無担保型を採用している金融機関が多くなっています。有担保型は、家を建てたり購入したりするときに使う住宅ローンとほぼ内容が同じです。そのため有担保型のリフォームローンは用意せず、高額なリフォームは住宅ローンを使うよう案内している金融機関もあります。
リフォームローンの審査について
リフォームローンにおいても、住宅ローンと同じく融資をしても良いかの審査が行われます。審査では主に年齢や年収、勤続年数や他のローンの有無などが考慮されます。審査基準は住宅ローンに比べると、それほど厳しくない印象です。
ただし他に多額のローンがあったり、過去の返済履歴に滞りがあったりするとリフォームローンとはいえ審査に通らない可能性があります。心配な方は早めに金融機関に相談することをおすすめします。
住宅ローンとリフォームローンの違い
住宅ローンは家に対するローンであり、リフォームに使うこともできます。住宅ローンとリフォームローンには主に次のような違いがあります。
リフォームローン | 住宅ローン | |
借入上限額 | 1,000万円 | 1億円 |
最長借入期間 | 10~15年 | 35年 |
金利相場 | 1.99%~4.95% | 0.375%~1.76% |
団体信用生命保険の加入 | 不要 | 必要 |
団体信用生命保険とは返済期間中に申込人が亡くなったり、高度障害を負ったりするとローンの残債が一括返済される保険です。高額なローンが家族に残されず、多くの住宅ローンで加入が必須になっています。
住宅ローンは多くの諸費用が必要
借入期間の長さや金利の低さを見ると「リフォームでも住宅ローンを使った方が良いのでは?」と考える方がいるかもしれません。しかし住宅ローンでは、非常に多くの諸費用がかかります。
主な住宅ローンの諸費用は、次のようなものがあります。
- 保証料
- 事務手数料
- 印紙代
- 抵当権設定費用
これらの諸費用は、借入する額が多いと数十万円にもなることもあります。リフォームローンなら契約時の印紙代や事務手数料など、合計しても数千円程度で済むのが一般的です。
このため金利の低さや借入期間の長さだけで、リフォームに住宅ローンを使うのはおすすめしません。リフォームローンより多くの資金を借入したい、あるいは長期の借入が必要など、諸費用を払っても住宅ローンを使いたい理由がある場合に検討すべきでしょう。
住宅ローン返済中にリフォームローンは借りられる?
住宅ローンの返済中に、リフォームローンを借りることは条件次第で可能です。金融機関によるローンの審査では「ローンの返済が収入に対してどれくらいを占めるか」を重要な判断基準にします。
このため今回申し込むリフォームローンと返済中の住宅ローンなどの返済額の合計が、金融機関が設定する基準を超えなければ住宅ローンとリフォームローンの併用は可能です。
ただし実際の審査では、返済額の割合以外の条件も合わせて審査されます。住宅ローンの返済中にリフォームローンを借りる場合は、早めに金融機関に相談するようにしましょう。
代表的な金融機関のリフォームローン
最後に主な都市銀行やネット銀行の、リフォームローンの概要を紹介します。
イオン銀行
使いみち | 本人または同居する家族が所有する、居住用住宅の増改築や改装・補修・車庫の設置、造園、システムキッチン、住宅用蓄電池など住宅関連設備の工事、および購入に伴う費用 他社リフォームローンの借り換えは不可 |
年齢 | 申込時:満20歳以上 満60歳未満 |
年収 | 200万円以上 安定かつ継続した収入の見込める方 |
勤続年数 | ー |
融資金額 | 30万円以上500万円以内 |
借入期間 | 1年以上10年以内 |
金利(年利) | 全期間固定のみ 2.6% |
担保 | 無担保 |
三菱UFJ銀行
使いみち | 自宅の増改築、他社リフォームローンの借り換えなど |
年齢 | 申込時:満18歳以上完済時:満70歳の誕生日まで |
年収 | 200万円以上(事業所得の方は申告所得) |
勤続年数 | 1年以上 |
融資金額 | 50万円以上1,000万円以内 |
借入期間 | 6ヵ月以上15年以内 |
金利(年利) | 変動金利のみ 1.99%~2.875% |
担保 | 無担保 |
住信SBIネット銀行
使いみち | 住宅の増改築、補修、造園、バリアフリー改築、耐震免震工事 リフォーム工事を伴う住宅の設備機器購入、太陽光発電設備の設置 他社リフォームローンの借り換え |
年齢 | 申込時:満20歳以上完済時:満70歳未満 |
年収 | 毎月安定した定期収入がある方 |
勤続年数 | ー |
融資金額 | 10万円以上1,000万円以内 |
借入期間 | 1年以上10年以内 |
金利 | 変動金利のみ 2.475%~4.475% |
担保 | 無担保 |
りそな銀行
使いみち | 自宅、実家などのリフォーム資金、改装・補修・門扉・車庫の設置など 住宅設備機器購入資金、耐震・免震工事資金、空き家解体資金 他社リフォームローンの借り換え |
年齢 | 申込時:満20歳以上 満66歳未満完済時:満80歳未満 |
年収 | 継続安定した収入がある方 |
勤続年数 | ー |
融資金額 | 10万円以上1,000万円以内 |
借入期間 | 1年以上15年以内 |
金利 | 変動金利のみ 3.975% |
担保 | 無担保 |
みずほ銀行
使いみち | 本人又は親族などが所有する住宅のリフォーム資金 他社リフォームローンの借り換え |
年齢 | 申込時:満18歳以上 満66歳未満 完済時:満71歳未満 |
年収 | 200万円以上(事業所得の方は申告所得) 安定かつ継続した収入の見込める方 |
勤続年数 | 2年以上 |
融資金額 | 最大500万円 |
借入期間 | 最長15年 |
金利(年利) | 変動金利:3.975%固定金利(借入期間10年以下):4.300%固定金利(借入期間10年超):4.950% |
担保 | 無担保 |
同じように見えるリフォームローンでも細かな点で違いがあるため、しっかりと比較しながら借入先を選ぶことをおすすめします。
(提供:タツマガ)
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