家の窯で自作のピザを焼く楽しみ。窯をDIYする方法を解説
(画像=txakel/stock.adobe.com)

リモートワークが増えるにつれて、オンとオフを切り替えることが難しくなったといわれます。「おうち時間」を有意義に過ごすことが求められているのです。そのなかで食事の時間を充実させるために、料理に工夫を凝らす家庭もあるようです。楽しいメニューのひとつが窯で焼く「お家ピザ」です。本稿では賃貸住宅ではできない、注文住宅においてピザ窯をDIYで作る方法を解説します。

目次

  1. おうち時間で料理する人が増えている
  2. 家の窯で自作のピザを焼く「お家ピザ」
  3. ピザ窯の種類と燃料
  4. ピザ窯をDIYする方法
  5. ピザ窯でピザを焼くときの注意点
  6. 注文住宅でオリジナルの「お家ピザ」を楽しもう

おうち時間で料理する人が増えている

2020年以降の社会情勢の変化で、リモートワークを中心に家族が自宅にいる時間が多くなりました。おうち時間を活用する方法はいろいろありますが、料理をする人も増えています。株式会社ヴァリューズが行った「withコロナの消費者意識調査」によると、「在宅時間が増えて実践したこと」という質問に対し、「料理・自炊」が19.31%で3位にランクインしています。

家族揃って食事できる場合に楽しいメニューのひとつがピザです。お家で自家製ピザを楽しむ方法について考えてみましょう。

家の窯で自作のピザを焼く「お家ピザ」

これまでピザを食べるには、レストランなどの店舗で食べる、宅配ピザを注文する、スーパーなどで買ってきたピザをレンジやオーブンで温めるといった方法がありました。これに加え、家に自作のピザ窯を作って焼く本格的な「お家ピザ」を楽しむ人も増えているようです。

窯で焼いたピザはなぜ特別に美味しいのでしょうか。その理由は熱効率の違いにあります。ピザを焼くのに最も適した温度は400~500℃といわれています。通常オーブンでは250℃程度までしか温度が上がりませんが、窯は450~500℃の温度になるので、美味しい焼き加減に仕上がります。

また、窯は使用する材料が蓄熱性、保温性に優れているため、400~500℃の高温をキープでき、熱効率がオーブンよりもよくなります。高温状態を保つことで遠赤外線が食材に火を通すことができ、旨味成分が増加することでより美味しいと感じるのです。

ピザの作り方に関しては、インターネット上にレシピが多数掲載されています。それぞれ具材が違うので、自分が作りたい具材のレシピを参考にするとよいでしょう。レシピには生地を発酵させる工程があるものとないものがあります。

ピザ窯の種類と燃料

ピザ窯には、一層式と二層式の2つの種類があります。一層式は薪を燃やす燃料室と調理する箇所が同じ場所になっている構造の窯です。これに対し二層式は燃料室と調理する箇所が上下二階層に分かれている構造で、二段式とも呼ばれています。

燃料は一般的に薪を使います。窯の内部で薪を燃やすことによって火を起こし、ピザを焼く方法です。使用する場合は無垢の木材である必要があり、化学薬品を使っているベニヤ板や防腐剤加工された木材を使用することは控える必要があります。また、ガスを使った窯もあり、メンテナンスが簡単でワンタッチで焼けるため、レストランやピザ店で多く利用されています。DIYで作る場合はガスを通せないので、薪などを使ってピザを焼くことになります。

ピザ窯をDIYする方法

ピザ窯をDIYするのは難しそうなイメージがありますが、素人でも作るのは可能で、ホームセンター等で資材も購入できます。ホームセンター大手のカインズホームでは、材料を組み合わせるだけで簡単に窯を作れる方法をホームページで公開しています。カインズホームが推奨している二層式のピザ窯を作る手順は以下の通りです。

  1. 基礎になる部分として、12㎝のブロックを縦に2個×4列に並べます。
  2. 基礎部分の上に1段目として耐火レンガ18個を組み合わせて「火床」と呼ばれる薪を燃やす部分を造ります。
  3. 次に2段目として火床の上にフロント部分を開ける形で耐火レンガ8個を端に沿ってコの字に組みます。
  4. 3段目は半分にカットしたレンガを使用します。棒積みにならないように普通の耐火レンガ7個と耐火ハーフレンガ2個を組み合わせて並べます。
  5. 4段目は少し並べ方に注意する点があります。普通の耐火レンガ7個と耐火ハーフレンガ1個を組み合わせて使いますが、奥の部分に空気穴を作ります。
  6. 5段目はピザを乗せる部分です。鉄アングル4本を耐火レンガの幅に合わせて置きます。鉄アングルに沿って縦向きに耐火レンガを置いていきますが、このとき大事なのは、一番奥の列は耐火レンガ2個を横向きに置いて煙の通気口用に隙間を作ることです。
  7. 6段目は3段目と同様に、耐火レンガ7個と耐火ハーフレンガ2個を組み合わせてコの字型に並べます。
  8. 7段目は耐火レンガ8個をコの字型に並べます。
  9. 8段目は6段目と同様に、耐火レンガ7個と耐火ハーフレンガ2個を組み合わせてコの字型に並べます。
  10. 9段目はピザ窯の天板部分になります。鉄アングル4本を耐火レンガの幅に合わせて置きます。鉄アングルに沿って耐火レンガ18個を並べて天板が出来たらピザ窯の完成です。

【上記例の窯を作る場合の材料】
耐火レンガ96個、耐火レンガハーフ(耐火レンガを半分にカットしたもの)7個、基本ブロック8個、鉄アングル(耐火レンガのサイズに合わせてカットしたもの)8本、タガネ、ハンマー

ホームページには手順を紹介する動画もあるので、見ながら作るのもよいでしょう。

手順出典:となりのカインズさん「自作ピザ窯の作り方。レンガを使って簡単DIY!」

ピザ窯でピザを焼くときの注意点

家庭にピザ窯を設置する場合、一番心配なのは火災リスクです。周囲に建物や燃えやすいものがある場所は避けましょう。窯の温度を適切に管理するためには、風が直接当たらない場所が理想です。簡易式の場合、火床の火種が飛ばないように風向きにも注意して設置する必要があります。

次に注意すべきなのが煙の問題です。庭の窯でピザを焼く場合、どうしても煙が発生し周辺の住宅に迷惑をかける恐れがあります。対策としては庭の中央に設置することで、隣家との距離をとることができます。また、使用する燃料をナラ、クヌギといった広葉樹にすることで煙が出にくくなります。

レンガを積み上げる簡易式のピザ窯を作る場合は、平面の安定した場所に設置する必要があります。もう一点、雨などで水分を含んだレンガを使うと、火入れの際に水蒸気が発生する圧力で窯が爆発する危険があります。雨上がりは避け、十分に乾燥させてから窯を組み立てるようにしましょう。

注文住宅でオリジナルの「お家ピザ」を楽しもう

注文住宅の魅力は、どのような造作にするのも可能な点です。ピザ窯を賃貸住宅で作ることは困難です。ピザ窯は庭に設置するのが一般的なので、アパート・マンションでは設置することができません。一戸建ての賃貸であっても、火気を伴うピザ窯を設置することは家主から禁止される可能性が高いでしょう。

その点、注文住宅であれば家族が希望する位置に設置できます。先に紹介したレンガを積み立てるだけで簡単に作れる簡易型の窯の他、耐火セメントで固定するアーチ型の本格的な窯もあります。アーチ型はある程度の技術を要するので、失敗するリスクもあることを考慮して選ぶことが必要です。簡易型なら使うときだけ組み立てればよいので、普段は庭を広く使えるメリットがあります。

食事は家族で過ごす大事な時間です。庭で手作りピザパーティーを行えば、キャンプのような雰囲気も味わえるので、家族にも喜ばれるでしょう。お家時間を充実させるために、注文住宅でDIYしたピザ窯でオリジナルの「お家ピザ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

(提供:タツマガ

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