この記事は2022年6月20日に「月刊暗号資産」で公開された「世界初、日本酒ボトルと1対1に紐づいたNFTコレクションを開発へ」を一部編集し、転載したものです。


お酒,日本酒
(画像=taka/stock.adobe.com)

合同会社VUIKUは18日、NFT(非代替性トークン)アートと紐づいた日本酒「sake-tsugi」の開発を開始したと発表した。

この取り組みでは、1つ1つのNFTアートを日本酒ボトルのラベルデザインに対応させる。VUIKU社によると、この試みは世界初だという。

ブロックチェーンを活用し、ネット上で所有できるデジタルアートと、物理的な日本酒を融合させ世界へ発信する試みとして、100年後の世界における日本酒のあり方を模索すると述べている。

開発はVUIKU社内のプロジェクト・hummingbirdが手がけ、1,152通りのNFTアートを同数の日本酒のラベルとして使用する。NFTアートを購入したユーザーには、同じアートワークをラベルデザインにあしらった日本酒が付属する。このNFTアートは第三者へ譲渡できないものの、酒造とつながる限定コミュニティへの参加権や、将来的に発売予定の商品の購入権として利用できるとしている。

手に取りやすく気軽に楽しめることを重視した価格帯での発売を予定しているという。

ポイントとして、1本1本が異なるNFTアートで装飾された世界で1本の日本酒であることに加え、NFTがコミュニティ参加権や限定商品の購入権として利用可能であることや、飛騨高山地域の明治時代から続く伝統ある蔵元と協業する点を挙げている。

開発するsake-tsugiには、「縁-en-」「継-tsugi-」「季-ki-」といった3つのキーコンセプトがある。

「縁-en-」では、飛騨高山で出会った酒蔵で働く人々との縁を大事にし、蔵元とNFT所有者がつながる「縁-en-」は、Web3.0が目指す参加型社会における新たなコミュニティのあり方を表しているという。

また、「継-tsugi-」では古来より続く日本酒造りに最先端のブロックチェーンを継ぎ合わせ、伝統と進化を融合させた新たな日本酒体験を生み出す。

さらに「季-ki-」については、日本独特の豊かな季節の変化と、食材の旬を「走り、盛り、名残」として楽しむ文化にインスピレーションを得たNFTアートを制作すると説明する。

なお、1,152通りのNFTアートを制作する意味として、「24 seasons × 3 phases × 16 randomness = 1,152 NFTs」を挙げている。日本には二十四節気で表されるような情趣に富む季節の変化があり、「走り、盛り、名残」として時間の流れを楽しむ食文化・美意識にインスピレーションを受けたNFTアートをデザインするとの思いがあるようだ。

このプロジェクトは東京大学と東京藝術大学のコラボレーションとして行われる。東京大学でブロックチェーンを活用したビジネスの開発経験を持つ須田隆太朗氏と青山奈津美氏が主導し、NFTアートは東京藝術大学在学のクリエイター・林宋其氏を中心に制作するという。(提供:月刊暗号資産