この記事は2022年7月21日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコインマイニング、再生可能エネルギーの使用率は59.5%に BMCが発表」を一部編集し、転載したものです。


ビットコイン
(画像=uruphoto/stock.adobe.com)

ビットコインマイニング評議会(BMC)は19日、2022年の第2四半期のレポートを公表した。

ビットコインマイニング評議会とは、マイクロストラテジー(MicroStrategy)のCEOであるマイケルセイラー(Michael Saylor)氏らが中心となり設立された私募組織だ。加盟企業はビットコインマイニング関連企業が中心となっている。

今回のレポートのデータは、ビットコインマイニング評議会のマイニングハッシュパワーの50.5%を占めるメンバーから提供されたものをもとに計算されている。

レポートによると、再生可能エネルギーでビットコインのマイニングの使用率が59.5%となったという。2021年第4四半期では58.5%だったことから、再生可能エネルギーの割合が1%増加したこととなる。前年同期比でも6%の増加となっており、再生可能エネルギーの利用が進んでいることがうかがえる。

レポートではビットコインのマイニングハッシュレートが前年同期比で137%増加しているものの、マイニングで使用するエネルギーは63%増加程度となっており、再生可能エネルギーの利用によって効率的なマイニングが実現できると示した。また、2022年第1四半期と比較してもマイニング効率が46%アップしたことが明らかになっている。

ビットコインで利用される炭素排出量は、世界で生産される総炭素排出量のわずか0.09%しか占めておらず、世界全体のエネルギー供給における0.15%のみ消費しているという。セイラー氏は、「現在マイニングが環境問題に影響するという懸念は起きていない」と指摘した。

現在、米国ではニューヨーク州でマイニング禁止法案が可決されているほか、バイデン政権がマイニングによるエネルギー消費量・排出量削減に向けた政策提言を準備していると報じられている。

また、欧州においてもマイニングによる環境への影響が懸念されており、今年3月にはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)銘柄を禁止する動きも見られた。

加速度的にマイニングに関する様々な動きが進んでいる中で、再生可能エネルギーによるマイニングを実現しようとする業界団体の動向が注目される。(提供:月刊暗号資産