この記事は2022年9月5日に「月刊暗号資産」で公開された「オープンゲートとSBI、希少な日本酒の不正防止を目的にCorda活用のサービスで提携」を一部編集し、転載したものです。


日本酒,徳利
(画像=周平 小金澤/stock.adobe.com)

株式会社オープンゲートとSBIトレーサビリティ株式会社は1日、ブロックチェーンとNFC(Near Field Communication)/RFID(Radio Frequency IDetifier)技術を融合させたデジタルペアリングを活用したトレーサビリティ・サービス「SHIMENAWA for SAKE」の提供において、販売提携契約を締結したことを発表した。

SBIによると、近年、日本酒の海外輸出は12年連続で前年比を上回る金額・数量で過去最高を記録しており、1リットルあたりの輸出価格は10年前から全体で2倍に上昇するなど、高価格帯の希少な日本酒は中国や米国などの海外市場でトレンドになっている。

一方、日本国内では酒類の課税移出数量に占める日本酒の割合は1975年の30%から、現在は約6%に低下している。特に20代・30代の日本酒離れが顕著となっており、蔵元数が減少するなど、厳しい事業環境となっていると指摘する。

そうした背景がある中で、オープンゲートでは代表の中山雄介氏がAmazon Japanや楽天など各社において、日本酒事業の立ち上げから日本酒関連プロジェクトをリードしてきた経験を活かし、多くの蔵元の海外事業、越境・国内EC事業の強化などの支援業務を提供しているという。

オープンゲートは販売提携契約の締結に至った背景について、SHIMENAWA for SAKEを用いて、地域の歴史・伝承・酒米や水環境など様々な要素の詰まった“地域そのもの”である日本酒の魅力、価値を最大化し、地域創生、日本酒業界全体の活性化を図るためと説明している。

SBIトレーサビリティは、ブロックチェーン基盤のCorda(コルダ)と株式会社サトーが有するNFC/RFID技術のデジタルペアリングを活用したSHIMENAWA for SAKEにより、これまで以上に追跡可能な流通プロセスを構築し、日本酒やブランドの魅力・価値を最大化する「日本酒のストーリー可視化」、「真贋証明」や「開封検知」などのソリューションを提供する。

今後、オープンゲートは「日本酒開封データ所得・提供」、「入出荷・在庫管理の業務効率化」、「流通品質の安定化(温度管理など)」、「新たなユーザー体験」など、日本酒業界が抱える課題に対するソリューションを次々とアップデートしていき、日本酒業界全体に貢献することを目指すとしている。

SHIMENAWA for SAKEは現在、日本酒「梵・超吟(Born Chogin)」と純米大吟醸「梵・夢は正夢(Born Dreams Come true)」の2銘柄で導入されている。梵は国賓歓迎晩餐会などで採用され、世界105カ国に輸出されるなど、高い人気を誇る日本酒だ。

一方で、人気を集める銘柄では空き瓶が高値で取引され、これらを使用した偽造品の流通も確認されている。こうした問題点を背景に、SHIMENAWA for SAKEでは流通先の確認や商品が未開封かどうか等を確認できるサービスを提供している。(提供:月刊暗号資産