ある程度の年齢になると終活を考える人も多いでしょう。長い人生を送っていると、自宅に溜まる品物もかなりの量になると思われます。不用品を選別して断捨離したあと、どのような売却先があるのでしょうか。少しでも高く売れるようにジャンル別に適した売却先を紹介します。

終活を決めたら断捨離を実行しよう

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(画像=78art/stock.adobe.com)

楽天リサーチが2019年に行った「終活に関する調査」によると、「終活をする意向がありますか」との問いに対し、「はい」と答えた割合が最も多かったのは意外にも30代(46.0%)という結果が出ています。ただし、実際に終活を始めたい年齢は60代が41.7%でトップになっています。30代のうちから終活を意識し、60代から実際に始めるというイメージが浮かんできます。

終活のなかでも大きな部分を占めるのが断捨離です。生前整理のなかで品物に関する部分に相当します。上記の調査でも「終活において、しておきたいこと」という設問で「家の中の荷物整理」が55.8%と「財産整理」に次いで2位にランクインしています。

出典:楽天リサーチ「終活に関する調査」

思い出の品や人から貰った記念品などは処分するのが忍びなく、年齢とともに所有する品物が増えていくのが普通でしょう。そこで考えたいのが、断捨離をした品物を売却して別の必要な人に使ってもらうリサイクルです。処分先別に売却に適した品物を見てみましょう。

流通品の売却はフリマアプリが便利

流通品はおよその相場が決まっているので、フリマアプリで売却するのが手軽で便利です。主なフリマアプリとしては、メルカリ、ラクマ、PayPayフリマなどがあります。

一例としてメルカリでDVDボックスを1万円で出品して売れた場合の手取り収入は次のとおりです。

1万円-1,000円(手数料10%)-450円(らくらくメルカリ便の宅急便コンパクト送料)-70円(専用箱代)=8,480円

新品でも買えるような流通品をオークションに出品しても高値で売れることは期待しにくいので、フリマアプリで多少値引きして出品したほうが早く処分できます。

とくにフリマアプリで売ると効率がよいのはチケット類です。百貨店の全国共通商品券や図書カードなどは額面以上で売れる場合もあります。その理由は買い物やキャンペーンで貯まったポイントを商品券で実質的に換金したい人がいるからです。

高値で売れるチケットの条件は、「全国どこでも使えて汎用性が高い」「使用期限がない」「プレゼントに転用できる人気の高さ」などです。使いきれないくらいの商品券類を所有しているなら断捨離するのもよいでしょう。

骨董品はオークションで高値が付くことも

骨董品はオークションに出品することにより高値で売却できる可能性があります。骨董品は流通品のような目安になる評価額がないので、落札金額は入札者次第で跳ね上がるケースも多く見られます。固定価格のフリマアプリで出品するのはもったいないといえます。

オークション出品で気をつけなければいけないのは、真贋の問題です。絵画、皿、腕時計などは有名作家や人気ブランドに似せた贋作、古書であれば復刻版をオリジナルとして出品するとクレームを受けることになりかねません。購入者と返金手続きのやりとりが発生するなど面倒なことになるので注意が必要です。

オークションへは自分が正規店で購入した商品や、オリジナルであることがはっきりしている商品のみを出品するようにしましょう。

高級ブランド品は買取店が向いている

ルイ・ヴィトンのバッグやロレックスの腕時計など高級ブランド品は真贋の鑑定を兼ねて買取店で買い取ってもらうのがベストです。自分が正規店で買ったものは問題ありませんが、人から貰ったものやフリーマーケットなどで買ったものは100%本物であるとは断定できないからです。

本物と断定できないものをオークションやフリマアプリに出品するのは不安があるという人もいるでしょう。信頼できる買取店に持ち込めば真贋の判定にもなるので安心です。また、人気ブランドで希少な品は購入時の価格より高く買い取ってくれることもあります。

さらに、フリマアプリで出品しにくい「難あり商品」や故障しているブランド時計なども買い取ってくれる店があるので、状態だけで諦める必要はありません。ただし、人気ブランドであることが条件です。

運搬が困難なものは出張買取で

不用品のなかにはサイズが大きく、車がないと買取店への持ち込みができないものもあります。ピアノのような自分で運搬することが困難な商品は、出張買取を依頼するのが有効です。出張、査定、搬出の費用が無料のピアノ専門店に依頼すればコストはかかりません。

家具なども運ぶ途中で傷がつくと買取価格にマイナスになるので、店に引き取りを依頼したほうが安心です。有名店では、トレジャーファクトリー、2nd STREET、OFF Houseなどが大型家具・家電の出張買取を行っています。ただし、店の規模によっては出張買取に対応していない場合もあります。

断捨離を楽しみながら老後生活の充実につながるのが理想

断捨離は難しいとよくいわれます。片づけている途中で本を読みふけってしまったり、処分しようと思う品の思い出が浮かんで捨てるのを躊躇したりと、整理が進まなくなることもしばしばあります。断捨離を進める1つの基準として、品物をとっておきたい度合いによって区分する方法があります。

A 絶対に捨てられない物
B 迷わずとっておきたい物
C 選別すれば捨てられる物
D 捨てるかどうか迷う物
E 迷わず捨てられる物

「絶対に捨てられない物」は現在仕事で使っているものや、絵画・骨董品など資産価値が高い物、保存義務がある書類、重要な家族の写真、子どもや孫からの手紙など、「迷わずとっておきたいもの」はとくに好きな歌手のCD、好きな映画のDVD、コレクションしている古書、よく着る服などがあります。これらは「保存確定」とします。

「選別すれば捨てられる物」は例えば、年賀状なら同じ人から貰った物は何枚かに絞る、気に入った服でも同じカテゴリーのなかで何着かに絞るなど一部を断捨離することが可能な品物を指します。

「捨てるかどうか迷う物」はそれほど強い思い入れがない品物なので、「迷わず捨てられる物」と一緒に思い切って捨てます。迷う程度の物は捨てるのが断捨離のコツです。

また、楽しく断捨離するには、売却する場合の目標金額を決めると励みになります。一例を挙げると、100万円に達したら部屋をリフォームする、10万円貯まったら家族で旅行に行くなど目標を設定することで断捨離が長続きしやすくなります。

断捨離は慣れるまでは大変ですが、慣れてしまうと部屋が片付いていくことで気持ちがすっきりし、具体的にお金も貯まっていくので、次第に楽しくなっていきます。そして、不要になって売ったものが別の人の役に立つという、精神的な充実感を得られるのも断捨離のメリットです。

終活ではさまざまな身辺整理が必要になります。断捨離のために部屋を整理するなかで、忘れていた重要な資料が見つかる可能性もあります。年齢が高くなると断捨離する体力や意欲も落ちてくるので、定年退職前に早めに始めるとよいのではないでしょうか。断捨離を楽しみながら、不用品をフリマアプリや買取店でお金にし、老後生活の充実につながれば理想的といえるでしょう。

(提供:Incomepress



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