この記事は2022年10月5日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=chris/stock.adobe.com)

2022年10月5日(水)の午後12時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

ドルは調整局面で上値が重い。一昨日3日(月)に発表された米ISM製造業が2年4カ月ぶりの低水準となったほか、昨日4日(火)の米雇用動態調査(JOLTS)でも求人件数が大きく減少したことが要因だ。

本来、弱い米経済指標はリスクオフ材料だが、今のマーケットは悪材料に対してはFRBが利上げペースを落とすとの解釈からリスクオンとなり、株高、ドル安にもつながっている。リスクオンがドルの逆風となるなか、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルはもう一段の調整はあるのかもしれない。

一方、米ドル/円は引き続き介入への催促相場となっており、145円ラインは神経質な展開だ。また、本邦為替介入については、週末7日(金)に外貨準備状況が更新される。

8月末時点の外貨準備残高と比較し、証券売却などで外貨預金増加であれば、今後さらなる介入、実弾増加から警戒感が強まる可能性もあるので注目したい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

一旦のドル高調整局面ながら、FRBがインフレ抑制を至上命題としている以上は、利上げペース減速観測は時期尚早だろう。株がいいところまで下がったので押し目を拾いたいプレイヤーが都合のいい解釈をしているようにも思える。

脆弱な欧州経済や、混迷する英政局を見る限り、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルが再び下がり始めれば追随したい。米ドル/円も145円付近では叩き落されるので早めの利食いになってしまうが、大きく下がったところを拾っていくオペレーションはもう少し継続できるのではないだろうか。

ただし、週末7日(金)の米雇用統計の結果次第で流れが変化する可能性があり、留意しておきたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。