この記事は2022年10月4日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=totojang1977/stock.adobe.com)

2022年10月4日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

2022年10月3日(月)、毎週月曜に出演している日経CNBCの昼の番組打合せで「2022年10月3日(月)は145円を抜けるだろう」と話していた。

これまで145円というのは、ここを壁に売っていた人たちがいたので抜けづらかった。また、145円は介入警戒感を抱かれていたため、節目のレベルではあった。しかしながら、個人的にはこのレベルでの介入はないと考えている。

というのは、先週も述べた通り、急騰しているときなどにピッチを緩めるための「スムージング」はできても、じり高の時などに「レベルを押し下げるための介入」は米国の賛同を得られないからだ。

実際に介入が行われるには、少なくとも直近高値である145.90円を超えるか、146円、147円と急ピッチで上がるか、また1998年の高値である147.63円を超えたときだろう。

ここで一つ、トレードをする上で最も重要なことを述べておきたい。例えば、145円を超えた場合、介入は入らないかもしれないが、入ると考えている人たちが多ければ誰も買わないのが為替の世界。介入が入らないと思っても周りが買ってくれないと自分が買ったものの利が乗らない訳だ。

トレードは自分ひとりでできないので、マーケットのみんながどう考えているかを考えなければならない。トレードをするうえでこれが最も重要なポイントだろう。自分の相場観で売買したところで、周りがそう思っていなければ勝てないのが相場の世界なのだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、先週同様、141.50~146.50円。2022年10月3日(月)に145円を超えた際、上昇は145.20円付近までだった。145円を超えてもこの辺りまでしか行かないというのは、介入の効果だと思っている。

介入は効果がなかったといっている人もいるが、実際充分、精神的な抑止力になったと感じている。今回、145円というイニシャルポイントを超えたので、壁が上がったという感覚がある。次の壁は145.50円に移っていきそうだ。

センチメント自体は変わらず押し目買い回転。介入リスクは低いと考えているが、ロングポジションを長く引っ張るのも気持ち悪いので、ポジションを持ったまま寝たりはせず、リアルタイムで確実に利食ったほうがよさそうだ。指値の買いなどにも注意したほうがいいだろう。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。