この記事は2022年9月30日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=YukaHashimoto/stock.adobe.com)

2022年9月30日(金)の午前8時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

2022年9月30日(金)は、週末、月末、半期末。そのため、リバランスの調整が大きいとは思っていたが、ポンドが荒れているためなのか、想定以上の値幅を伴って相場が神経質に動いている。

まず、米国株。多くの主要中銀が一斉に大幅利上げに動いているため、中期的な株の弱気は変わらないが、BOEが債券防衛に動いたため、米10年債利回りも4.00%から3.79%に反落。

米金利低下により、米国株もいったん値を戻すというのがコンセンサスになりつつあったのだが、2022年9月29日(木)の米国株は下落。S&P500は2020年11月以来の安値となり、ナスダック100指数は4%近く下げる局面も。

一方、米国株の下落は「混乱している欧州情勢」も影響しているといった報道も多い中、その欧州では、通貨が反発。特に英ポンド/米ドルが大幅に買い戻され、(まだクローズしていないが)週足でこれだけの長い下ヒゲを出せば、当面下がりそうもないという形状にみえる。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ポンドの中期のファンダメンタルズに関しては変わらず。例えば、サマーズ元米財務長官は、世界経済が直面している一連のリスクを金融危機以前の07年の夏になぞらえ、現在の英国の問題は潜在的な崩壊の一例に過ぎないとの見解を示した。

英国を除くと「他の市場に混乱の兆候はまだ見当たらない」と指摘。「しかし、極端なボラティリティーがある時にこうした状況が発生しやすいことは分かっている」と述べた。

しかし、FXの動きはそうした流れにはなっておらず、米国株は下がっているが(リスクオフ)、豪ドルも反発しており、ユーロ/スイスフランも上昇している(リスクオン)。少なくとも2022年9月29日(木)の流れは、FXと株の動きに一貫性がないため、リバランスの影響が大きいのではないだろうか。

今年のFXはボラティリティーが高く、来月もFXは大きく動くと思うのでリバランスの影響を強く受けそうな2022年9月30日(金)は、大きなリスクを取るのは避けたいところ。

▽英ポンド/米ドルの週足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。