この記事は2022年9月28日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=gopixa/stock.adobe.com)

2022年9月28日(水)の午前10時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

2022年9月は欧州のエネルギー危機から始まり、先週、日銀がドル売り介入したことで、米ドル/円が大荒れ。当面マーケットの注目は、日銀の介入と米ドル/円に集中すると思われていた。

しかし、先週後半から、マーケットの注目はポンドのみに集中。きっかけは、先週トラス英首相が発表した「成長プラン」。この成長プランの中に、過去50年で最大規模となる減税が含まれている。しかし、英国のCPI(消費者物価指数)は10%(前年比)と40年ぶりの高水準。

BOEが利上げに動いている中での大減税は、常識では計りがたい政策。減税は需要を拡大させ、インフレ圧力を強めることになる。いくら利上げしてもインフレは収まらず、金利だけが上昇して財政赤字は拡大、結果として英国債、英ポンド、英国株が総じて売られるトリプル安を招くという展開。

この成長プランに対して世界中から「愚策」という批判が集中した。政府が減税を引っ込めないかぎり、英ポンド/米ドルはパリティ(1.0000ドル)割れをターゲットに上値の重い展開。この「成長プラン」は英金利も上昇させ、呼応して、米金利の上昇も加速し、米国株も続落している。

現在の為替相場の戦略やスタンス

為替市場のみならず、株式市場参加者も、英ポンド/米ドルと英金利の動向に注目している。株安を誘引しながら、パリティに向けて下落を続ける英ポンド/米ドルの動向に注目だ。

▽英ポンド/米ドル の月足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。