本記事は、チンさん凡人投資家氏の著書『難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています。
投資の割合はどのくらいが適当か?
理論上は割合が多いほど有利だけど自分に合わせて無理は禁物
―― チンさん、投資の割合ってどのくらいが適当ですか? 私の知り合いはほとんど全額投資してるって言っているんですけど、そんなの大丈夫なんですか?
これは難しい問題ですね。投資資産は長期では毎年増えていくので割合は多いほど有利です。一方投資資産は上下するので大きく下落した時は、精神的にストレスになります。このストレスの感じ方は個人によって違うので明確な答えはないのです。
―― うーん……現実的には厳しいと思います。ストレスを感じない人はいないのではないですか?
ただ、平均的に日本人は54%も現預金を持っていて、預貯金の割合が多すぎます。逆に投資割合は15%と少ないので、平均的に投資するとかなり少なくなります。だから自分の許す範囲で多めに投資してください。個人的には、70~80%は投資されても問題はないと思います。
暴落時に買うために現金を持っていた方がいいか?
―― あと同僚で暴落時に買うために現金は多めに用意しているという方がいるんですが、これについてはどうですか?
これまた難しい問題ですね。確かに暴落時に安く買うのは気持ちがいいです。しかし本当に暴落時に買えるか? という問題があります。
―― と言いますと?
暴落時は『株はもっと安くなる、早く売れ』という声があふれるので期待どおり買える人は多くないです。
―― なるほど……。
反面なかなか暴落しないで上昇する場合は、現金で持っているよりも早く投資した方が得になります。総合すると暴落時の買いにはあまり過度な期待はしないで、その分コツコツ一定の頻度で投資する方が普通の人には向いているように思います。多くても30%くらいの現金保有で十分ではないでしょうか?
大きな出費への準備が必要か?
―― 妻がね、いつかマンションを買う時のためにある程度のお金は置いておいた方が良くないかって言うんです。ちょうどマンションを買う時に株が値下がりしていたら困りますから、現預金は必要ですよね?
具体的に買う予定があるなら、頭金などに使う現金は必要ですね。しかし日本では住宅ローンの金利は安くて変動金利だと1.5%未満、固定金利でも2%程度ですから運用利回りの方が高いです。ですから借りた方が理論上は得になります。あとはローンに抵抗があるかどうかです。