グローカル企業の取り組み事例

IKEA

北欧インテリアショップ「IKEA」はスウェーデン発祥の企業だが、「イケア・ジャパン株式会社」として日本法人化し、IKEAらしいデザイン性を保ちながらも、日本の住環境に適した商品展開を行うことで現在の人気を築いた。

イオン

イオンも2012年から中国、ラオス、インド、ミャンマー、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアなど、ASEAN(東南アジア諸国連合)を含めた地域に展開し、各国の文化や伝統に根付いた事業を展開している。

マクドナルド

アメリカの大手ファストフードチェーン「マクドナルド」のメニューは世界共通ではなく、各国の嗜好に合わせて味やサイズを変えている。 人気の「テリヤキマックバーガー」は日本のみで提供されているメニューで、グローカルの顕著な例と言って良いだろう。

ケンタッキーフライドチキン

同じくアメリカの大手ファストフードチェーン「ケンタッキーフライドチキン」も、国によってメニューやサイズを変えている。例えば、インドでは「ライスボウル」や、ベジタリアン向けメニューを揃えるなど、地元民に広く受け入れられやすい工夫を凝らしている。

グローカルのデメリットは?

海外展開する上で考えなければならないのは「カントリーリスク」だ。これは、進出先の国や地域における政治・経済の変化、自然災害によるリスクを指す。例えば、海外現地で暴動や戦争が起きたり、市場が混乱したりした場合には多大な損失を被る可能性がある。

こうしたリスクはグローカルに限らず、海外展開する上では避けられないリスクだが、経済協力開発機構(OECD)などが公表しているカントリーリスクの格付け情報を参考にしたい。。

求められる「グローカル人材」

グローカル企業の飛躍を背景に、グローカル人材育成の重要性も増している。

グローカル人材とは、国際的な視野を持って地域社会の活性化や持続発展に貢献する人材とされている。世界的企業を地域に誘致したり、逆に地域の企業を世界進出させたり、世界との架け橋として能力を発揮することを期待されている。

経済産業省や文部科学省はグローカル人材育成の重要性を説き、官民協働で教育改革を行うなどして力を入れている。

「グローカル」時代到来

グローカルとは、「グローバル」と「ローカル」という、相反する意味の2つの言葉をいいとこ取りした概念だ。急速にグローバル化が進んだことで生じた弊害を解決する考え方として世界的に注目されており、今後の国際社会において、重要なキーワードになるだろう。来たる「グローカル時代」に向け、しっかり心構えをしておきたい。