本記事は、石川和男氏の著書『僕たちに残されている時間は「朝」しかない。』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています

書き出してほしい、たった2つのこと

ノート
(画像=Nishihama/stock.adobe.com)

自分はいったい、何をやりたいのか? そして、自分は、何になりたいのか?

もし、悩んでいるなら、どんどん紙に書き出すことをお勧めします。

これは、もう18年以上も前に読み、私にとってはバイブルのような本、『非常識な成功法則』(神田昌典著・フォレスト出版)に書かれていた方法です。

私は、この本を読んで、自分の目的設定の仕方が変わりました。その方法とは、自分の「やりたいこと」だけでなく、「やりたくないこと」も紙に書き出して明確化するというもの。

それまでの私は、「やりたいこと」にだけフォーカスして目的を設定していましたが、やりたくないことも明確にすることで、やりたいことがより鮮明になったのです。

当時、私がノートに書き出した内容です。

3-1
(画像=『僕たちに残されている時間は「朝」しかない。』より)

このように、書き出したことで、「やりたいこと」がより明確になりました。

このリストに基づいて、私は、親会社がない元請けの建設会社に転職。その際には、事務部門だからといって下に見られない会社を選びました。いや、選んだというより、税理士の資格を取って専門性を磨き、自分がレベルアップすることで下に見られないよう努力をしました。思えば、「やりたくないこと」のトップにある「ペコペコしたくない」、2番目の「事務が一番下に見られたくない」を実現するために頑張れたのです。

私の現在は、「やりたくないこと」が明確になっていなければ実現していなかったかもしれません。いや、実現していなかったでしょう。

もちろん、「やりたいこと」には実現できていないこともありますが、「やりたいこと」を書くことによって、税理士、大学講師、セミナー講師、著者などの夢は実現しています。

「やりたくないこと」を明確にすると、「やりたいこと」がさらに明確になります。

ぜひ、「やりたいこと」と「やりたくないこと」の両方を書き出してみてください。

目標達成、一点集中法!

私は、税理士、大学講師、セミナー講師、著者、元請けの会社への転職と、夢をどんどん叶えてきました。

その過程で、私が注意していたポイントは、夢を「1つずつ」叶えていったということです。

例えば、朝に起きて、家を出る前や、早朝のカフェで勉強をするとき。

月曜日は税理士の勉強、火曜日は大学講師の研究、水曜日はセミナー講師能力をつけるための勉強、木曜日は執筆の資料集めと情報収集、金曜日は本の執筆、土曜日は建設会社の経理のスキルアップと、別々の夢への活動を行っていたとしたらどうでしょう?

たぶん、夢は何ひとつ実現せず、すべてが中途半端に終わっていたと思います。

ですから、夢は1つずつ、実現させてほしいのです。

名付けて「目標達成、一点集中法!」。1つの目標が達成されるまでは、毎日そのことを考え、毎日そのことをやり、毎日そのことの実現だけを目指して朝の時間を使うのです。

伝説の投資家と言われているウォーレン・バフェットが、自分の会社で雇っているパイロットに伝えた「優先順位を決めるための目標達成法」。

それは、以下のような3つの段階から成っています。

・第1段階

仕事の目標を25個、紙に書き出す。

・第2段階

自分にとって何が重要かを吟味して、もっとも重要な5つの目標に〇をつける。そのとき、絶対に5つを超えて〇をつけてはならない。

・第3段階

第2段階で〇をつけなかった20個の目標を目に焼きつける。そして、それらの目標は今後、絶対にかかわらないと決める。なぜなら、気が散るから。そして分散することにより、余計な時間とエネルギーを取られてしまい、もっとも重要な目標に集中できなくなるから。

以上が、バフェットの「優先順位を決めるための目標達成法」です。バフェットは、やらないことを決めて、重要な5つの仕事に絞って行うことの重要性を説いているわけですが、これはビジネスの話です。

「目標」を決めて、その達成に向けて、朝時間を使って突っ走るためには、「目標」は5つどころか1つに絞ってください。

正確に言うと1つに絞るのではなく、「1つずつ」ですね。

私はそれぞれの目標を、1つ、また1つと「一点集中」で、「G+PDCAサイクル」を活用し、順番にクリアしていったのです。

1つの目標に集中してクリアし、「よし、終了。次!」と、次々とステップアップしていくことが、夢を実現させる近道なのです。

いろいろな場所に虫眼鏡をあてても火は起こりません。

火を起こすためには一点に集中することが必要なのです。

朝のゴールデンタイムの時間は、目標が達成されるまで、一点(1つの目標だけ)に集中する必要があると心得てください。

僕たちに残されている時間は「朝」しかない。
石川和男(いしかわ・かずお)
建設会社総務経理担当部長・大学講師・時間管理コンサルタント・セミナー講師・税理士と5つの仕事を持つスーパーサラリーマン。1968年北海道生まれ。受験者全員合格の高校と、名前さえ書けば受かる夜間大学(しかも留年)を卒業後、中小建設会社に入社。経理部配属も簿記知識ゼロのため上司から怒鳴られる日々を過ごす。20代後半に「このまま一生を終えたくない」と一念発起。人生逆転計画を立て、税理士試験合格という目標を立てる。仕事で活用していたPDCAサイクルを取り入れることで効率的な勉強法を獲得。働きながら日商簿記3級・2級、建設業経理事務士2級・1級、宅地建物取引士試験に合格。税理士試験にも合格して目標を達成・開業。また、PDCAサイクルをスキルアップ・ダイエット・読書など様々な場面に応用することで、転職先では入社1年未満で課長に昇進(同社創立以来最短記録)。一方で税理士、講師、時間管理コンサルタントとして社内外で多くの指導を行っている。

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