×「失礼しました」と別れの挨拶のみ言う
△「楽しかった」と自分の気持ちを伝える
→○相手の話したことを引用する
あなたはこれまでに、初対面の時から「また会いたい」と思えた人はいますか?
初対面では「第一印象」が大切だとよく言われます。しかし、初対面の時から「また会いたい」と思われる人は、別れ際にも工夫していることがあります。
「終わりよければすべてよし」と言われるように、実は最初の印象と同じくらい最後の印象も強く残ります。人は何か判断を下す時、最後に得た情報が大きく影響すると言われていて、この効果を心理学の言葉では「親近効果」や「残存効果」とも呼びます。映画やミュージカルなどを観た時にも、衝撃的なラストシーンやエンディングが記憶に残ることがありますよね。
実際に、別れ際にどのような言葉を残す人が「また会いたい」人となるのでしょうか。
「では失礼します。ありがとうございました」と、別れの挨拶のみでは足りません。そこでよく使われるようになったのが、「楽しかったです」と自分の感情を伝える方法です。デートの後のメールなど、恋愛テクニックとしてもよく使われていますよね。楽しいという感情が本物であれば、満面の笑みで伝えているはずですから効果は絶大です。感情を一言プラスされるだけでも、こちらも嬉しい気持ちになり、好印象が残ります。
記憶に残ることのできる別れ際の一言
ここからは、さらに記憶に残ることのできる話し方を紹介します。
一流の人は別れ際に、その日の会話の中から一部を引用して伝えています。「楽しかったです。ありがとうございました!」に加え、「今日、○○さんのおっしゃっていた□□(お店の名前)今度行ってみますね!」と伝えるのです。少し応用したものでは「今日の○○さんからの~というアドバイス、心に響きました。まず~から実践してみます! また進捗を伝えさせてください」というような一言を添えるのもおすすめです。相手の会話を記憶していること、相手の意見を大切にし受け入れていることが伝わります。
社内コミュニケーションにおいても同じことが言えます。
休み前の退勤の際に「お先に失礼いたします」と言った後、上司から「お疲れさまでした」と言われるよりも、「○○さん、今週すごくがんばっていたから週末はしっかり休んでね」なんて一言が加わると嬉しいですよね。会話だけでなく、相手の行動を記憶していることが伝わります。
ぜひ別れ際の一言までこだわってみてください。
- POINT
- 相手の会話を記憶し、別れ際に一言添えることで、相手の記憶に残ることができる
1984年埼玉県生まれ。学習院大学卒業後、全日本空輸株式会社(ANA)に入社。グランドスタッフとして、7年間で100万人を超えるお客様サービスに携わる。最重要顧客DIAMOND会員専用カウンターのサービス責任者、教育訓練インストラクターを務める。ANA在籍中、オリエンタルランドに出向し、ディズニーのサービスや教育を学ぶ。その後ジャパネットたかたや再春館製薬所グループ企業にて教育研修を担当し、独立。現在では、コミュニケーション、リーダーシップ、接遇マナー等をテーマに新入社員から管理職、中学生から経営者、医療業界など幅広い層に向けて、企業研修や講演を行い、これまでの受講者は50000名を超える。
著書には『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』『部下を元気にする、上司の話し方』『オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方』(以上、クロスメディア・パブリッシング)がある。『PRESIDENT』『AERA』『with』『MORE』『CLASSY.』『Oggi』『美人百花』などメディア出演も多数。※画像をクリックするとAmazonに飛びます