年功序列のメリット3つとデメリット3つ

長い間日本で当たり前とされてきた年功序列には、メリットとデメリットがある。

年功序列のメリットとデメリット
(画像=年功序列のメリットとデメリット)

年功序列のメリット3つ

【メリット1.社員の人事評価がしやすい】

年功序列の特徴は、年齢や勤続年数が高くなるほど給与や職位が上がることである。企業側としても、年齢や勤続年数を評価基準にできるため、人事評価の仕組みを明確にでき、社員に対してキャリアパスを示しやすい。

また、人事評価を行う上司も社員と長期にわたり接することになり、性格や勤務態度などへの理解も深まるため、情意評価などの判断基準に活用できる。

【メリット2.組織の一体感が高まる】

年功序列の場合、社員がライフステージに合わせた生活設計を立てやすく、勤続年数が長くなる傾向にある。企業に長く属する要因には、年功序列以外にも企業文化や業務へのマッチング、人間関係といった職場環境などの要素もあるが、一緒に業務を行う時間が長くなることで、社員間の連帯意識は高まりやすい。

【メリット3.企業独自のノウハウの継承と人材育成ができる】

年功序列によって社員の在籍期間が長くなれば、社員の育成を長期プランでキャリアパスに沿って行うことができる。また、年功序列の効果によってベテラン社員の離職率を低減できれば、企業の次世代を担う新入社員や若手社員に対して、企業独自のノウハウを引き継ぐ機会も増やすことができる。

年功序列のデメリット3つ

【デメリット1.社員の高齢化が進むと人件費が高くなる】

年功序列の恩恵を受けるために、社員の勤続年数が長くなって組織の高齢化が進めば、その分給与も上昇し、賃金コストも比例して増加する。そのため、人事予算を圧迫して若手や中堅社員などの採用にも影響を与えかねない。

【デメリット2.年功序列に不公平を感じる若手社員が離職する】

年功序列の場合は、成果主義制度のように仕事の成果に対する評価は低いため、新入社員や若手社員は、年長者に比べて給与が低くなる。そのため、どんなに頑張っても評価が上がらない状況に若手社員が不公平感を感じて、仕事へのモチベーションが低下した結果、離職につながる恐れがある。

【デメリット3.業務に対するマンネリ感が生まれる】

業務の成果に対する評価が低い年功序列制度の場合、年功評価の基準に沿った最低限の業務に注力し、予算以上の成果を出すなどの意識が高まりにくい可能性がある。日本では、正当な理由のないリストラは禁じられているため、社内での労働異動などで対応する必要も出てくる。