フリーターから元手800万円で株式投資をスタートし、総利益50億円を突破したカリスマトレーダーのテスタ氏が、株式投資で勝ち続けるために必要な「投資脳」を育てる方法を4回に分けてわかりやすく解説します。第1回は、実体験を交えながら投資初心者にありがちな「誤解」を解きます。

目次

  1. 元手800万円が18年間で50億円を突破
  2. 「株式投資はラクして稼げる」は妄想
  3. 「いかに運を排除し、勝ち続けるか」を模索
  4. やろうと思ったときが始めるタイミング

元手800万円が18年間で50億円を突破

テスタ

私はフリーターなどで稼いで貯めた軍資金800万円を元手に、2005年から株式投資を始めました。それから18年がたちますが、一度も負けた年がありません。もちろん日々、あるいは月ごとの浮き沈みはありますが、始めて6年後に1億円、10年後には10億円、そして今年は50億円を突破するなど、資産は順調に増え続けています。

といっても、もともと金融や投資に詳しかったわけではありません。たまたま手にした株の本や投資家のブログなどを見て、自分でもやってみようと思ったのが出発点です。最初に買った銘柄が運よく上がり、いきなり100万円くらい利益が出ました。そこから本腰を入れ、自分なりに勉強して専業トレーダーになりました。

当初は1日1円とか2円とかの値幅で何度も取引して薄利を積み重ねるスキャルピングやデイトレードが中心で、短期のスイングトレードなども行いました。その後、ある程度資産がふえてきた段階で配当狙いの別口座をつくり、中長期トレードも並行して行っています。7年ほど経ちますが、年間配当見込み額と含み益が両方1億円を超えるなど、こちらも順調です。具体的な保有銘柄や運用成果はブログで公開しています。

「株式投資はラクして稼げる」は妄想

株式投資のメリットは、なんといっても「お金がたくさんふえること」です(笑)。そこには年齢や学歴も関係ありません。しかも会社勤めのような人間関係の煩わしさとも無縁です。

そもそも超低金利が続く現在、銀行に預けていてもまったくお金はふえません。それどころか、物価が上がると相対的に現金の価値が下がり、放っておくと預貯金自体が目減りしてしまいます。投資で積極的にふやさなければ、インフレには対抗できないのです。

ただ、株式投資ならラクしてお金が稼げるかというと、決してそうではありません。そんなイメージで株を始める人もいるようですが、株で着実に資金をふやすには、それなりの知識や戦略、スキルが必要です。何の勉強もせずに「勝てればいいな」という程度の感覚で始めると、運よく勝つことはあっても、勝ち続けることはできないでしょう。

「いかに運を排除し、勝ち続けるか」を模索

私自身、18年間、投資損益がマイナスになった年が一度もないというのは、徹底的にデータを分析し、勝率のよい銘柄を選んでタイミングを見計らって売買してきたことの成果だと思います。もちろん思惑が外れて、損して売ることもあります。ただ、うまくいかなかったときは、なぜそうなったのかを冷静に検証し、反省して次に備えました。そういう意味では、「いかに運を排除して勝ち続けるか」を模索してきた18年間だったともいえるでしょう。

確かに大人になってから勉強に時間を費やすのはしんどいことですし、時には連日大負けしてストレスやプレッシャーに押しつぶされそうになり、「もうやりたくない」と思った時期もありました。でも、勉強すればするほど、手ごたえを感じることができました。そうした作業を地道に繰り返したからこそたどりつき、見えた風景もあるのです。

考えてみると、何か事業を始める際には、事業の目的や目標数値を掲げ、綿密な事業計画を立ててからやるはずです。株式投資も大事なお金を投じて行うわけですから、どれだけ真剣に向き合うかが、勝敗を左右します。「買ってから考えればいい」と思う人もいるかもしれませんが、できれば事前に勉強したり、バーチャル取引で試したりして、準備して臨むのがベターです。

せっかく証券会社に口座をつくっても、そのうちの多くが休眠口座になったり、うまくいかずに株式市場から退場してしまったりしているという話を聞くと、残念です。きちんと向き合えば自ずと結果はついてくるのに、みすみすその機会を逃してしまっていると思うからです。

やろうと思ったときが始めるタイミング

よく「株式投資をやる(始める)時期」について質問されることがあります。「今やるべきかどうか迷っている」ということのようですが、私に言わせれば「その人がやろうと思ったときが、やり時(始め時)」です。

株式投資(現物取引)では安く買って高く売ることで利益が出るので、「あまり株価が高いときには買いたくない」という気持ちもわかりますが、今が高いか安いかを判断することは容易ではありません。たとえば3年前の年初に、新型コロナウイルスがこんな風に世界的に流行することを誰が想像できたでしょう? まして、これほど長期に景気や株価に影響を与えることになろうとは……。

市場が将来どう動くかなんて、どんなスゴイ人でも当てられないのです。後から見れば「あのときは歴史的に安かった」「あのとき始めていれば……」となるかもしれませんが、その時点では誰も予測できなかったはずです。さらに、市場全体の動きだけを見ればそう思うかもしれませんが、個別の銘柄は市場の動きとは別に上がることも下がることもあります。たとえ市場全体が高くなっていても、そこから利益を狙える銘柄はいくらでもあったはずです。

それより大事なのは、どれだけ「やりたい」という意欲や心構えがあるかということ。その意欲と、準備と、資金がそろったときが、株をやるベストタイミングといえるのではないでしょうか。

テスタ
テスタ
フリーターだった2005年に株式投資をスタートし、専業トレーダーになる。ITバブル崩壊やリーマン・ショックなどで相場が荒れる中でも着実に利益を重ね、10年後に10億円を突破するなど、「億り人」「カリスマ投資家」として注目を集める。2022年には総利益50億円超えを達成。ブログやツイッターなどで投資の手法や成果のほか、詐欺撲滅や社会貢献などについても発信している。
mumss
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