本記事は、ひろゆき氏の著書『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)の中から一部を抜粋・編集しています

99%はバイアス
(画像=Makizo/stock.adobe.com)

休むことに「理由」はいらない

あなたは「休むこと」が上手だろうか。

有休を取りにくかったり、休日も仕事のことを考えたり、オンオフの境目が曖昧な人が多い。

働けば働くほど収入が増えればいいのだが、そういうわけではない。

効率的に仕事をすることは大事だが、それが過剰になると、じつは非効率になる。

「本は自分の興味のあるものだけでいいから、ネット書店だけ利用する」ということをやるとどうだろう。

最初のうちは、効率的に見える。しかし、効率を重視するあまり、「書店で偶然に面白い本と出会わなくなる」という非効率な結果が待っている。

つまり、遠回りによるメリットがなくなってしまう。

「休日は平日の準備をする日」にしてしまっている人がいる。

仕事のために休むのか。休むために仕事をするのか。その主従関係が入れ替わってしまっている。

「有閑階級」の人たちは、友達や家族と時間を過ごすことが最優先事項だ。それを実現させる手段としてお金を稼いでいる。

しかし、日本では「お金を稼いでも、それを使う時間がない」という皮肉なことを言う人がいる。

もしかすると、学校教育のせいかもしれない。

「平日の勉強についていけるように、家での予習復習を欠かさないようにしましょう」と言われたことがあるだろう。

しかし、なぜ予習と復習は平日の学校でやってはいけないのか。

家でわざわざ放課後や休日に勉強しなくても理解できるようにすることが大事なはずだ。

平日に仕事がスムーズに行くように土日に仕事の準備をするのは本末転倒だ。

そんなことは、月曜の朝にやればいい。

あなたは、「休むこと」に罪悪感を覚えていないだろうか。

「申し訳ございませんが、有給休暇を取ります。なぜかと言うと……」

「たいへんご迷惑をおかけしますが、夏休みを取らせていただきます……」

法でも犯したかのように、休むことを悪いことだと勘違いしている人がいる。

そういう考えは根本からなくしたほうがいい。

「疲れたら休む」「風邪を引いたら病院に行く」と、休むための理由があることが前提になっている。

それが根本的に間違っている。

別に、疲れていなくても休めばいいし、風邪を引きそうなときに病院に行ってもいい。

元気なうちから休んでおく。

まずはこれを実践することだ。

逆に、身近に休みを取ったり、長期休暇を取った人がいても、「疲れてるの?大丈夫?」と、決めつけないことも重要だ。

休むことに理由を求めるのが、そもそも間違いである。

「私は休んでいないんだから、お前が休むのはどうなんだ」と、押し付けないことだ。

休みを取る人を尊重し、うまく休めない人が「すみません……」と肩身が狭くなったほうが健全な社会だ。

あなた自身、他の人が休みを取ることに対してイライラしないことからはじめよう。

自分磨きが当たり前になったことによる弊害もある。

「何もしていない人」が「もったいない!」と、攻撃される対象になってしまった。

それにより、週末に何も生産的なことをせずにダラダラ過ごしている人が「私はダメな人なんだ……」「みんな頑張っているのに……」と、罪悪感を持つようになった。

別に、自分の時間に何をしようが、その人の自由だ。

バリバリ働いたり、時間を有効活用している人は、逆の見方をすると、「目標がないと生きがいを感じられない人」だ。

ヒマな時間に耐えることができない。それって、かなり息苦しいと僕は思う。

99%はバイアス
ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年から、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人になる。2021年、自身のYouTubeの切り抜き動画の再生回数は、月間3億回を突破。主な著書に、45万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。

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