本記事は、ひろゆき氏の著書『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)の中から一部を抜粋・編集しています

99%はバイアス
(画像=dusanpetkovic1/stock.adobe.com)

「速いレスポンス」に慣れる

アウトプットを早めるレッスンをしよう。

たとえば、メールの返信は、読んだらすぐにすることだ。

残念な人は、一度読んだら「下書き」をして「一時保存」をする。何度も読み返して、「相手に失礼じゃないか」「ちゃんと意図が伝わっているか」「言葉遣いがなっているか」と、推敲する。

でも、考えてみよう。

送ったメールがどう読まれるかは相手の問題だ。意味がわからなかったら、相手は質問を返してくれる。

あなた自身も、わからないことがあったら、下手に裏を読んだり、意味を考えたりするのではなく、「これはどういう意味ですか?」と聞けばいい。

メールなんて、手紙でも作文でもない。どんどん聞いたり、聞き返されたりして、テンポよく投げ合うようにすればいい。

仕事ができる人はメールが短い。

返信するための要点がまとまっていて、こちらが何を判断すればいいかが明確になっている。

相手を説得したりするようなときはメールが長くなるかもしれない。

「結局、何が言いたいの?」という内容だったり、意味がとりにくくてメールの往復の回数が増えてしまったりする。

では、どうすれば端的なメールが書けるのか。

まず、ざっくりと2つのパターンに分ける。

それは、相手が「100%読んでくれる」か「読まない可能性がある」かだ。

基本的に、仕事関係のやりとりであれば、相手はメールを確実に読んでくれる。その場合、「あいさつ」「背景の説明」「状況の説明」「近況の報告」などは、いっさい省く。

「結論」から書き、「要点」だけを伝える。

それを受けて相手がどう考えるかは、あまり考えないほうがいい。考えれば考えるほど、誤解されないように書こうとしてしまい、労力がかかる。

「読まない可能性がある」というケースでは、どうすればいいか。

相手が「偉い立場」にあったり、「断る権利がある」というときがある。

その場合は、「状況説明」が大事だ。

「これはあなたにとって大事なメールですよ」ということが伝わるようにする。

なぜ、あなたにメールを送ったのか、その背景を書く。

それを踏まえた上で、要点を短く端的に伝える。

話をするときは、ダラダラ説明したり、褒め言葉を使ったりして説得できるが、「メールでは説得しない」と考えよう。

要点を短く伝え、質問を待つ。

それがコミュニケーションの基本だ。

長く書けば書くほど、相手は返信がめんどくさくなる。要点だけ伝えて、「詳しくは直接話しましょう」と書いておけばいいのだ。

「意見を出し合う会議」がある。

ここまで述べたように、同調圧力に弱く、ディベートができない人は、おそらく苦手だろう。自分の意見を言えないはずだ。

なんとなく全員が賛成の空気になっているときに、反対意見を言うことは難しい。

そもそも勇気が必要ということが間違っている。思ったことが言えない環境はよくない。

その環境を見極めるポイントがある。

それは、「後から言う人がいない」ということだ。

全体的に「AかBか」の二択で、なんとなく「A案」の方向で会議が進んだとする。

反論を求めても出てこない。

「じゃあA案でいきますね」と言って、会議が終わった。その後だ。

  • コソッと「僕はA案に反対なんだけどな」と言ってくる
  • メールなどで「B案にしたほうがいいですよ」と伝えてくる
  • 若手だけで集まって、「部長はわかってない。絶対にBだよね」と愚痴を言い合っている

こういう状況が見られたら、会議のやり方を見直したほうがいい。

「勇気を出して反対意見を言え!」と、精神論を言いたいのではない。

言える雰囲気、言った後のフォローが大事だ。

環境が変われば、人は勝手に変わる。

99%はバイアス
ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年から、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人になる。2021年、自身のYouTubeの切り抜き動画の再生回数は、月間3億回を突破。主な著書に、45万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。

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