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家賃保証会社が倒産したときの問題点とは

世界金融危機の影響で不況下にあった日本の経済ですが、最近はアベノミクスの影響で徐々に景気が回復しつつあります。日本でもようやく個人投資家の活動が増え、不動産への投資も多くなってきています。不動産投資を始める上で何よりも大切なのが、様々なリスクへの対処です。今回は不動産の運営を始める上で知っておくべき「家賃保証会社」について解説します。

「家賃保証会社」とは、賃貸住宅の契約時に必要な入居者の保証人を代行する会社です。賃貸住宅を借りるときには、入居者は身内などから保証人を立てなければなりませんが、この保証人を保証会社が代行します。入居者が家賃滞納などの債務不履行をした場合、入居者にかわって家賃保証会社がかわりに家賃を支払います。

保証会社の保証料は入居者が負担するのが一般的で、その額は家賃の30%〜50%ほどです。家賃保証会社を利用した場合のメリットは、入居者が家賃滞納した場合にオーナーは面倒な督促行為をしなくてすむということです。滞納された場合も、保証会社が賃料を払ってくれます。デメリットは、保証会社の倒産リスクです。保証会社が倒産した場合は①保証会社からの家賃が払われなくなる、②敷金が戻って来ない、③契約のやり直しなど実務的な負担が増える、という大きなリスクがあります。


滞納された家賃、敷金が戻って来ない?

それでは家賃保証会社が倒産した場合、オーナーはどのような負担を被るのでしょうか。まず①についてですが、既に入居者が保証会社に家賃を支払っている場合、その支払われた分の家賃は得られなくなります。オーナーが請求できるのは保証会社に対してのみであるため、入居者に請求することはできません。倒産前に保証会社がオーナーへの支払いを滞らせることもあります。仮に家賃5万円で10室あるアパートを経営しているとすると、一ヶ月分が支払われなければ50万円、数ヶ月滞納されれば数百万円単位で損失を被ることになります。

また②の敷金についてですが、敷金は入居者が契約時に保証会社に支払っています。しかし保証会社が倒産した場合、この敷金もオーナーの下には返ってきません。敷金の相場は家賃の二ヶ月分だと言われています。先ほどの条件で計算すれば、5万円×二ヶ月分×10室で100万円の損失です。


新たな保証会社探しなど実務面での負担も大きい

以上が保証会社が倒産した場合の、資金面での負担の例でしたが、実務面ではどのような負担があるのでしょうか。保証会社が倒産した場合、入居者の家賃保証がされなくなり滞納リスクが発生します。オーナーは一刻もはやく次の保証会社を見つけるか、契約をオーナー個人とのものにするなどの対応をしなければならなくなります。

具体的には、まず別の保証会社を探し、新たに保証契約を結んでくれるかどうか交渉します。しかし新たに契約する場合でも、入居者はすでに倒産した保証会社に保証料を支払っているため、新たに発生する保証料はオーナーが負担する場合が多いです。ここでも資金的な負担が発生します。保証会社と契約するときに、入居者に滞納歴があった場合契約は難しくなります。またオーナーによる保証料の負担が難しい場合は、入居者に新たに連帯保証人を立ててもらわなければならないため、ここでは入居者と交渉することになります。このように、実務面では保証会社を探したり、入居者と交渉したりという膨大な手間がかかることになります。

実際にこれまでも複数の保証会社が倒産、夜逃げなどしているためこのようなリスクへの対応は必須です。