この記事は2023年1月26日に「月刊暗号資産」で公開された「投資家の64%が「市場の底打ち」を実感 ディエム系プロジェクトに注目する回答も 」を一部編集し、転載したものです。
暗号資産(仮想通貨)関連の情報を提供するCoinwireは17日、2022年の暗号資産市場を統括するレポートで、Web3.0やメタバース、2023年に注目される暗号資産などの調査結果を発表した。
Coinwireによると、TK Venturesと提携し、約1万人に調査を行ったようだ。
暗号資産取引所FTXの破綻後、投資家の64%が「市場は底を打った」と考えており、そのうち43%は自身のポートフォリオの大部分をステーブルコインで保持しているという。多くの投資家は暗号資産市場が金融機関や政府に将来的に認められるだろうとの考えも示した。
2023年に最も注目されるブロックチェーンプロジェクトとして、米メタ(Meta)が手掛けていたディエム(Diem)の元開発者らを中心に進めているSuiが35.4%の支持を集めた。また、次点は23.8%の支持を集めたAptosで、こちらもディエムの元開発者らが手がけている。両者は共にメタで開発されていた「Move」を言語として採用している。
DeFi(分散型金融)の現状については、投資家の5人中3人の割合でセキュリティリスクや構造の複雑さに違和感を覚えていると答えた。さらに、回答者のうち58%は政府による規制がDeFiの普及を後押しすると考えていることがわかった。
NFT(非代替性トークン)については、市場価値が2020年以降、122倍の122億ドル(約1兆5,760億円)に達したとしている。調査では、NFTの保有者総数が150万から370万に増加したと推測している。また、回答した5人に4人が2022年に価値が下落したとしてもNFTの将来性を信じているとの考えを示した。
なお、NFT市場ではYuga Labsがトップ3を独占し、35億ドル(約4,520億円)以上の取引を生み出したとしている。
今回の調査ではメタバースについても報告されている。
メタバースが新しいアプローチで社会的ライフスタイルを変革すると思うと答えたのは、娯楽が69%、社会活動で65%、そして金融では61%となっている。イノベーションが最も進んでいるのは米国だとし、日常的にメタバースを利用することに肯定的であるのは中国の回答者だったという。インドが75%、ペルーが74%、サウジアラビアが71%と続く。
Web3.0ゲームに関しては市場規模が53億ドル(約6,850億円)、2161件のブロックチェーンゲームが存在したと報告した。
一方で、アクティブユーザー数は第1四半期の1億2000人から第4半期に7900万人へと38%減少したようだ。しかし、今回回答した投資家の75%がWeb3.0ゲームをきっかけに暗号資産へ投資したという。
また、Web3.0ゲームの参入障壁を下げている最大の要因は「詐欺」だとしており、「ゲームの面白さ」や「グラフィック」等が続いている。(提供:月刊暗号資産)