総括
FX「野党が選挙戦をリードもリラも株も弱い」トルコリラ見通し
(通貨9位、株価19位)
予想レンジ トルコリラ/円6.3-7.3
(ポイント)
*野党が選挙戦をリードもリラも株も弱い
*政策金利は8.5%で据え置きとなった
*弱かった3月消費者信頼感指数
*企業信頼感指数や失業率は改善
*選挙戦苦戦の大統領は景気対策を打ち出してきた
*9年ぶりの年足陽線が崩れる
*経常・貿易赤字でリラは弱い
*今週は2月貿易収支の発表
*5月14日に大統領・議会選挙
*今年は建国100周年
*サウジアラビアがトルコに50億ドルの預金
*リラは、外貨送金の制限、海外からの援助金・保険金流入で支えもある
*2022年のGDPは5.6%増
*大統領は利下げ示唆
*国内預金が外貨預金を上回る=リラ化政策で
*外交では問題が多い
(野党がリードもリラも株も弱い)
リラも株価も弱い。選挙戦に入って、野党がリードしているが、リラは伸び悩んでいる。野党が勝利して民主主義、市場原理に基づく経済に戻ればトルコの経済も立ち直る見方もあるが、強権主義、あまり実績のない計画経済に慣れ切った国民が対応できるかが鍵である。トルコを新興国と言っては失礼だが、新興国は旧体制から自由を勝ち取っても、政権が政策運営能力が伴わず、元の体制の方が良かったという不満が噴出することがあるので、野党勝利でも油断は出来ない。
(政策金利は据え置き)
トルコ中銀は政策金利を8.5%で据え置いた。大地震を受け成長の勢いを維持するために金融環境を支援することの重要性が増しているとの見解を示した。中銀は、大地震を受けた需給不均衡を注意深く監視しているとし、「工業生産の伸びの勢いと雇用のプラス傾向を維持するために、金融条件を支持的に維持することの重要性が増している」とした。 2月に発生した大地震の経済的コストは約1040億ドルと推定され、今年の経済成長率が1-2%ポイント押し下げられる見通し。
(弱かった3月消費者信頼感指数)
3月消費者信頼感指数は、80.1で、2月の82.5から低下した。今後12か月の経済状況予測指数も2月の84.2から3月の79.6に5.5ポイント低下した。さらに、今後12か月の耐久財支出指数も、2月の94.5から3月の92へと低下。
3月企業信頼感指数は105.2で2月の102.4から上昇も予想の109を下回った。
(失業率は改善)
昨年のトルコの失業率は10.4%で、2021年の12%から低下した。
ネバティ財務財務大臣は、トルコの生産増と新たな投資が歴史的に高いレベルの雇用につながったと述べた。今週は2月貿易収支の発表がある。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
ボリバン2σ下限で低迷、ついに2023年も年足陰転
日足、ボリバン2σ下限で低迷。雲の下。3月24日-27日の上昇ラインがサポート。3月22日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限から反発も中位越えられず。2σ下限がサポート。3月13日週-20日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、11月-12月の下降ラインを上抜く。1月-2月の上昇ラインがサポートだが下抜けそうだ。22年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、8年連続陰線。その間52円から6円台へ沈む。今年は僅かに陽転していたが今月陰転。
メルハバ
年金増額
インフレが55%台なので当然の政策だが、選挙前の対策ということもある。
「エルドアン大統領は、年金の最低基準を 5,500 リラから 7,500 リラに大幅に引き上げると発表した」との報道あり。