路線距離国内最長の私鉄を運営する近鉄グループホールディングス<9041>と、関西の私鉄大手の阪急阪神ホールディングス<9042>の2023年3月期の業績が揃って急回復する。

近鉄では2021年3月期に6000億円強の売上高を計上した近鉄エクスプレスを2022年7月に子会社化したのに加え、経済活動の正常化が進んだことから、運輸業、流通業、ホテル、レジャー業が好調で、売上高は一気に2倍以上に膨らむ。

一方の阪急阪神でも多くの事業で業績が予想を上回わっているのに加え、旅⾏事業で⾃宅療養者の⽀援業務などの受注が大幅に増加したことから業績が急回復する。売上高は30%ほどの増収にとどまるが、利益は営業、経常、当期すべての段階で2倍を超える伸びとなる。両社の状況を見てみると。

M&Aで売上高が2.31倍に

近鉄の2023年3月期の売上高は1兆6000億円で、前年度比2.31倍の増収見込み。同社は2022年7月に47%余り(間接保有を含む)の株式を保有する近鉄エクスプレスをTOB(株式公開買い付け)で子会社化した。近鉄エクスプレスは国際航空貨物混載の大手で、2021年3月期に売上高6091億円、営業利益は341億円を計上しており、2023年3月期はこれら数字が加わることになる。

さらに外出の自粛や店舗休業などの反動増や、経済活動の正常化による人流の増加などがあり、利益も大幅に伸びる見込みで、営業利益は14.4倍を、経常利益は95.7%増を、当期利益は77.8%増を予想する。売り上げ、利益ともにコロナ禍の影響の少なかった2020年3月期の数字を上回ることになる。

【近鉄グループホールディングスの業績推移】単位:億円、2023年3月期は予想

M&A Online
(画像=「M&A Online」より引用)

営業利益は2.16倍に

一方、阪急阪神の2023年3月期の売上高は9750億円で、30.7%の増収を見込む。鉄道事業、⾃動⾞事業で旅客数が回復したことや、ホテルの宿泊、料飲の利⽤者数の増加、さらにはプロ野球チーム阪神タイガースの主催試合での⼊場者が増加したことが売り上げを押し上げた。

旅行事業では好調だった⾃宅療養者の⽀援業務に加え、県⺠割⽀援や全国旅⾏⽀援などのツアーの販売が堅調に推移したことから、利益は大きく伸びており、営業利益は2.16倍を、経常利益は2.18倍を、当期利益は2.1倍を予想する。

2023年9月までは人の往来が日本をはじめ世界全体で起こり徐々に回復していき、その後は新型コロナウイルスの影響が一応収束し、国内外の経済活動が相当程度回復するとの見通しを示しており、これに伴って業績もさらに回復する見込み。

両社は平常運転に入ったと言ってよさそうだ。

【阪急阪神ホールディングスの業績推移】単位:億円、2023年3月期は予想

M&A Online
(画像=「M&A Online」より引用)

文:M&A Online編集部