この記事は2023年4月12日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Настя Короткова/stock.adobe.com)

2023年4月12日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週は、一昨日10日(月)に植田新日銀総裁の就任記者会見があった。内容的には、YCC(イールドカーブ・コントロール)の必要性を説くなど早期政策変更期待を後退させるものだった。YCCについては今後、修正や撤廃があるのではとタカ派期待をしていたプレイヤーが多かっただけに、梯子を外された格好だ。

円ロングにベットしたプレイヤーは切らされる展開となり、米ドル/円も133円後半まで上値を拡大している。今後もBOJ(日銀)前になるとYCCの修正に踏み切るのではないかとの思惑で円が買われるが、植田新総裁が否定するといったラリーが続くのかもしれない。

さて、本日12日(水)は米CPIの発表がある。世界中が注目しており、市場予想との乖離があれば大きな値動きになるだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円はCPI次第になるが、よほどのサプライズがない限り、トレンドを形成していくのはまだ難しいかもしれない。

当然、指標結果の良し悪しに大きく反応するとは思うが、米金融システム不安や米景気後退リスクを抱えており、額面通りには動けず、大きめのレンジが続いてしまうかもしれない。ストップを付けて走ってくれるところがあればいいが、突っ込みすぎると捕まってしまう相場が多いので少し慎重になっている。

また、気になるところとしては昨日11日(火)、ウィリアムズNY連銀総裁から「インフレ低下なら利下げが必要」とハト派な発言が見られた。足元FRBではタカ派のボードメンバーが多かっただけに少し変化が出てきたのかもしれない。引き続き当局者の発言に耳を傾けていきたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。