YouTubeをビジネスに活用するメリット
ここまでで多くの企業にとってYouTubeを活用することの必要性をつかめたのではないだろうか。ここからは、あらためてビジネスにYouTubeを利用するメリットを確認しておこう。
自社製品・サービスを知ってもらいやすい
「百聞は一見に如かず」というが、YouTubeは映像であるため、文章や画像だけでは伝えにくい情報を伝えやすい。例えばモノであれば実際に身につけたり、使用したりしている場面を映像で流すことでサイズや質感、使い心地などをイメージしてもらいやすい。
またモノではなくても例えばコンサルティングや教育などといったサービスを提供する場合は、その人の声のトーンや説明の仕方、表情なども含めて親近感を持ってもらえるだろう。
効率よく潜在顧客へアプローチできる
YouTubeは「その動画内容に興味がある人」へ的確に動画をおすすめしてくれる独自のアルゴリズムがある。上述したように全年代を通して87.9%(2021年度)の人がYouTubeを視聴していることから、幅広い層のユーザーへ効率よくアプローチが期待できるだろう。
顧客ニーズを探りやすい
YouTubeには「チャンネルアナリティクス」という機能があり、なかでもトラフィックソースとして「ユーザーがその動画にどのようにアクセスしたか」「どのようなキーワードで検索したか」などがわかる。ニーズの把握に活用できる指標は、他にも多い。また各動画に書かれたコメントを見ることで、視聴者の反応やニーズを知る手がかりとして活用できる。
これにより商品開発・サービス改善などのヒントを得られるだろう。
YouTubeを活用している企業の事例
ここで、すでにチャンネルを解説している企業がどのようにYouTubeを活用しているのか、いくつかの事例をピックアップして見てみよう。
資生堂
資生堂は、2012年3月に企業公式チャンネルを開設。2023年5月13日時点における登録者数は約9万1,300人、再生回数は約1億5,373万回(2023年5月現在)と多い。同社各ブランドのCMや企業広告、ビューティーテクノロジーがメイン。
他にもメイク・スキンケア・キレイの基本といったHOW TOビデオや美容界の著名なプロとのトークショー、同社ビューティーコンサルトによる美容情報、メイクアップ動画など幅広い情報も紹介している。
多くのブランドを持つ同社では、各ブランドのチャンネルも開設し、そのブランド製品に興味関心を持つ特定のユーザーに向けた情報も発信中だ。
任天堂
任天堂が企業公式チャンネルを開設したのは、2013年3月。2023年5月13日現在、約257万人の登録者数を持ち、約13億7,412万回再生されている。ただしこれは、日本市場を対象にしたチャンネルで同社が事業を展開している各国で別途開設しているチャンネルを合わせるとその数は膨大だ。
ゲームは、動きのあるものだけに映像との相性が良い。同社もゲームのCMや新作・アップデートなどの発表、攻略ノウハウなどをYouTube上で数多く紹介している。また芸能人やYouTuberが実際にプレイしている動画も発信。
ゲームをしているときの表情・発言・ジャスチャーなど実際のアクションを見せることでゲームファンの心理をかき立てる仕掛けもしている。
DLE
動画広告のマーケティングサービス提供やスマホアプリの企画開発、映画・TV・ネットメディアの映像コンテンツ制作などを事業とするDLE(株式会社ディー・エル・イー)は、2008年4月に公式チャンネルを開設。2023年5月13日現在の登録者数は約21万6,000人、再生回数は約1億4,793万回となっている。
同社の事業は、BtoBだ。しかし自社が保有する「秘密結社 鷹の爪」「貝社員」などのIP・エンタメコンテンツを使ったアニメ、エンタメプロデュース映像などを投稿。動画を観た企業が動画広告・企画・製作を依頼したくなるような仕掛けとしてYouTubeをうまく活用している。
茨城県
企業ではないが、茨城県も県の魅力を伝える動画サイトとして「いばキラTV」というYouTube公式チャンネルを2006年4月から開設している。2023年5月13日現在の登録者数は約16万1,000人、再生回数は約8,044万回だ。県政情報から観光・グルメ・スポーツ・エンターテインメントまで幅広い切り口で茨城の魅力を映像で発信することで観光誘致に活用。来県者を増やし経済活性化に役立てている。