ハイブリッドワーク成功のためのポイント
ハイブリッドワークにはメリットだけでなくデメリットもあるため、しっかりとした対策を行わないとハイブリッドワークが失敗する可能性もある。ここからは、ハイブリッドワーク成功のためのポイントを見ていこう。
オフィス環境の整備
ハイブリッドワークが成功するためには、なんといっても環境の整備が必要不可欠だ。まずは、オフィスの環境を整えることから始めよう。ハイブリッドワークでは、自宅などでの仕事も増えるため、オフィスがリモートに対応するための環境整備が必要だ。またハイブリッドワーク導入後には、オフィススペースの有効活用も忘れずに行いたい。
ICT環境の整備
ハイブリッドワークが成功するためには、ICT環境の整備も必要だ。ICT環境の整備とは、会社におけるWeb会議システムや勤怠管理システムの導入、チャットの導入などを指す。また自宅で働きたい人が自宅で働けるための環境、例えばPCの貸与やセキュリティなども整える必要がある。
ハイブリッドワーク導入のルールの設定
ハイブリッドワークを成功させるためのカギになるのが、ハイブリッドワークにおけるルールの設定だ。ハイブリッドワーク導入には、事前のルール設定が必要になる。ハイブリッドワーク導入前に出勤日の設定や社員がハイブリッドワークをするための費用負担をどうするのか、勤怠管理や勤務時間、残業などさまざまなルールの設定を行う。
ハイブリッドワークのルールを厳格に決めることで従業員の不満が少なくなったり、トラブルを防いだりすることができる。
ハイブリッドワーク導入事例
ハイブリッドワークは、大企業も率先して導入している。ここでは、ハイブリッドワークの導入事例を紹介する。
ソフトバンク
ハイブリッドワークを導入している企業で有名なのがソフトバンクだ。ソフトバンクでは、社員一人ひとりの状況に応じた最適な働き方を実現するためには、どうしたら良いのかを常に考えており、検討の結果ハイブリッドワークを導入した。
ハイブリッドワーク導入後も改良のためのアンケートを実施しており、そのアンケートによると多くの従業員が生産性や生活の質が向上したと回答している。一方、従業員同士のコミュニケーションに課題を感じるとの声もある。そこで適宜オフィスを活用することも認めている。
アンケートによると約83%の従業員が、月に1回以上はオフィスに出社している。これは、テレワークとオフィスワークをバランスよく活用し、ハイブリッドワークが成功している結果といえるだろう。
サイボウズ
ハイブリッドワーク導入の老舗企業といえばサイボウズだ。サイボウズでは、ハイブリッドワークという言葉が世間に浸透する前の2010年から自由な働き方を追求し、テレワークを導入している。もともとは、人材確保という経営課題を解決するために導入された。導入当初は、従業員から受け入れられなかったが、東日本大震災がハイブリッドワークに向けた契機になった。
まず会計システムなど必要な環境に自宅から安全にアクセスできるように情報システムを構築し、それが徐々に全社に浸透させた。その後も改良を重ね、例えば当日でも申請可能な制度にも対応している。