総括
FX「6月最強通貨。7月反落は全面円高で。停電は改善」南アランド見通し
「通貨11位、株価13位」
「予想レンジ 南アランド円7.2-7.7」
(ポイント)
*6月月間は最強通貨、7月は反落スタート
*7月のランド円下落は全面円高によるもの
*二つのPMIはまだ冴えず
*停電は改善
*7月20日に政策金利、6月CPIはインタゲ内に入るか?
*消費者物価は低下
*中国、オランダ、デンマークが電力問題で支援
*対米関係修復出来るか
*今年は0.3%の小幅成長か 電力不足が不透明要因
*1Qはリセッションを回避
*難題(停電、グレーリスト入り、中国・ロシアへの接近で対米関係悪化)
*IMFは成長見通し引き下げ
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
*インフレ率は23年は5.4%、24年は4.8%と予想(中銀)
( 6月月間は最強通貨、7月は反落スタート)
6月月間は最強通貨で一時円を抜いたが、7月は円が全面高となり、ランド円が下落している。ただ対ドルでは7月はほぼ動いていない。全面円高での下落と、それによるリスク回避で新興国通貨が特に売られた。
(二つのPMIはまだ冴えず)
南アの経済指標では、6月アブサ製造業PMIはは47.6と、経済活動の拡大・縮小の分かれ目である50を5カ月連続で割り込んだ。5月は49.2。S&Pの6月PMIは48.7と、これも50を4カ月連続で下回った。
(停電改善)
経済に大打撃を与えた南アフリカの壊滅的な停電は、ここ数週間で1日最大12時間から2時間強に縮小した。国営電力会社エスコムの計画停電の規模縮小と出荷遅延の減少を背景にサプライチェーンは2019年以降で初めて改善した。ラモクゴパ電力相は日、日常的な停電の解消に「かなり近い」との見解を示した。
(7月20日に政策金利、6月CPIはインタゲ内に入るか?)
5月消費者物価は前年比6.3%上昇で前月の6.8%、予想の6.5%を下回った。インフレターゲットは3-6%なので上限に近づいてきた。6月の消費者物価は7月19日に発表され、予想通りの5.9%であれば、インフレターゲット内に戻る。そうなれば、7月20日の政策金利は据え置かれる可能性が出てくるだろう。クガニャゴ中銀総裁は、「インフレ率は着実に低下傾向にあり、2Qか遅くとも3Qには目標の範囲内に低下すると予想している」と述べた。
テクニカル分析(ランド/円)
急落、一時ボリバン2σ下限を大きく下抜く。ただ先週末は長い下ヒゲ。
日足、揉み合いからさらに下落。一時ボリバン2σ下限を大きく下抜く。ただ先週末は長い下ヒゲ。7月6日-7日の下降ラインが上値抵抗。6月1日-7月7日の上昇ラインがサポート。5日線横ばい、20日線上向き。
週足、6月26日週の長い上ヒゲ効く。ボリバン2σ上限からさらに下落。中位は維持。6月5日週-7月3日週の上昇ラインがサポート。6月26日週-7月3日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、6月は月間最強で大陽線も7月は陰線スタート。雲の上は維持。5月-6月の上昇ラインがサポート。22年11月-23年6月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り消すが、再び陰転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
南アとデンマーク、オランダがグリーン水素などで連携強化
オランダのルッテ首相(7月7日辞表提出)とデンマークのフレデリクセン首相は6月20日、再生可能エネルギー、グリーン水素、公正なエネルギー移行などの分野における関係強化を目的として南アを訪問し、首都プレトリアで3カ国合同公式会合、ビジネスフォーラムに出席した。
公式会合では、南ア・オランダ政府間でのグリーン水素分野協力に関する覚書と、南ア・デンマーク政府間のエネルギー・パートナーシップ・プログラム2017の開発協力に関する更新合意書が署名された。(ジェトロ)