グループ化は日本にあった投資テーマ

-国際物流以外のグループ化の状況はいかですか。

国際物流のほかにはヘルスケア、環境・資源リサイクル、オーディオ機器、動物病院といったところでグループ化を進めています。我々は設立以来50件の投資をしていますが、グループ化構想に合わせた形で行った追加買収を含めると110件を超えています。一つの投資に対し追加買収/グループ参画企業がでもう1社あるという形になっています。平均すると1社の投資に対する追加買収が1社で、1対1の投資ですが、プライベートエクイティの歴史も長い米国などでは1対2、1対3などより積極的に追加買収をしてグループ化を進めて、IPO(新規株式公開)や第三者譲渡を行って高い実績を上げている投資会社もあります。

中小企業の数は米国よりも日本の方が圧倒的に多く、労働人口が減っていく中では、ユニークな力のある中堅中小企業によるグループ化進めることが、付加価値の拡大・生産性の向上につなげやすく、日本のマクロ的な課題解決にもつながるテーマだと考えています。

-J-STARの人員についてはどのような計画をお持ちですか。

プラベートエクイティ(PE)ファンド業界全体では、戦略コンサルや投資銀行出身の方が多く、弊社にもこうした者は居ますが、一方で商社やIT企業など業界としては比較的珍しいバックグラウンドを持つ者も少なくなく多様性があります。投資対象としていろんな業種を見ておりますし、それら企業のオーナー様とのコミュニケーションが求められるので、業種のバックグラウンドについても多様性があったほうがいいと考えています。現在31人の社員を近いうちに50人にまで増やしてより多くの中堅中小企業への投資を実現していきたいと考えています。

J-STARはJ-STAR No.4-A, LP などのファンドに対して個別に、同社自体や子会社を通じて投資機会の調査、紹介、投資先の育成などにかかわる投資関連サービスを提供している。ジャパントラストホールディングスには、これらファンドが出資する特別目的会社が、中間持ち株会社を通じて資本参加した。

M&A Online

(画像=樫山雄樹J-STARパートナー、「M&A Online」より引用)

【樫山雄樹(かしやま・ゆうき)氏】
2000年、東京大学工学部卒業後、ボストンコンサルティンググループで消費財、ハイテク企業などの戦略立案、実行支援などに参画
2007年、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得
2007年、米国とチリでバイオテクノロジー企業を創業、経営、譲渡
2014年、J-STARに入社。フォワーダ―2社への資本参加をはじめジェネリック医薬品卸、オーディオ機器製造、化粧品・美容雑貨企画販売などを手がける企業など通算17社に出資

文:M&A Online