回転ずしチェーン「くら寿司」を展開する、くら寿司<2695>は今後10年間に、中国で100店舗を出店する。

「さらなる成長に向け、100兆円市場の中国大陸に進出する」として、2023年6月15日に上海に1号店を出店。さらに年内に2店舗をオープンする予定だ。

同社は2009年に米国に出店し、これまでに47店舗を展開。2014年には台湾に出店し51店舗を運営している。10年間で100店舗はこれまでないスピード出店で、中国市場に対する期待の大きさがうかがえる。

回転ずし業界では「はま寿司」を展開するゼンショーホールディングス<7550>が、2023年5月にドイツで持ち帰りずし店などを展開するSushi Circle Gastronomie (ヘッセン州)を子会社化したのに続き、翌6月には北米と英国を中心に持ち帰りずし店などを展開するスノーフォックス(英領ガーンジー)を傘下に収めるなど、海外市場の開拓に力を入れている。

今後の回転ずし企業の成長は、海外事業の成否が大きく影響することになるかも知れない。

日本食ブームに乗れるか

くら寿司の中国大陸1号店は上海の大型ショッピングセンターに開設した「上海龍之夢中山公園店」。店舗面積は720平方メートルで、座席数は220席。

入店から退店まで店員と接することなく食事が可能な非接触サービス「スマートくら寿司」を海外店舗で初めて導入したほか、中国大陸で人気のサーモンを使った限定メニューなども用意した。

中国の外食市場は約100兆円といわれているのに加え、日本食レストランがこの6年間で6倍に増加するなど日本食がブームとなっていることから出店を決めた。

出店した中山公園エリアは、上海駅や空港からアクセスが良く、通勤や通学、ショッピング、飲食などで多くの人が集まるスポットとなっている。

高いアジアの経常利益率

くら寿司の2022年10月期の売上高は1830億5300万円で、このうち日本国内が1499億3800万円で、海外は米国の171億7300万円、アジアの159億4100万円に留まっており、海外売上高比率は18%ほど。

利益はアジアが最も多く、経常利益は14億3800万円(経常利益率9.02%)に達しているのに対し、米国は8200万円の経常赤字となっている。日本は11億6400万円の経常黒字だが利益率は低く、0.77%ほどしかない。中国でどのくらい稼ぎ出せるのか。今後の業績に与える影響は小さくはなさそうだ。

一方、ゼンショーはスノーフォックスの買収の際に「海外事業の成長力をさらに強化する」としており、海外市場の開拓に力を入れる姿勢を示している。同社の海外売上高比率は20%ほどで、スノーフォックスとSushi Circleの業績が加われば、この比率が大きく高まることになる。

M&A Online
(画像=「M&A Online」より引用)

文:M&A Online